揺れる日常#3

【5月20日 16:35 a.m. 東京都――港区】


原宿に来たラミィと正樹とコトネとアカネ。


1人で家にいたかったラミィを連れて、彼の気晴らしにと原宿へとやって来ていたのだった。


「取り敢えずタピろうぜ!」


「だから俺家に1人でいたいんだけど」


「まぁ良いじゃねぇか!ラキューの分は俺が奢ってやんよ」


「私達の分も奢ってもらってもいいんだよ?」


「奢って俺にときめいてくれるんだったら、いくらでも奢ってやるよ」


流石に無いわと2人は返しつつ、早速原宿を見て回った。


タピオカや有名スイーツなど、若者達が好きそうな物を食べ歩く4人。


最初は嫌そうな顔をしていたラミィだったが、久しく感じていなかった友人達との日常に、少しずつ笑顔になり始め、それに気づいた3人も安心した顔になる。


「……(何か忘れてたな、こういう日常)」


この日常がずっと続けばいい。


そう素直に思っていた。


だが、現実はそう甘くはなかった。


突如として彼の視界が歪み始めたのだ。




「――ッ!!?(これって昨日と同じ!!?)」


帰れたとしても、次のゲームの時には瞬間的に反転世界に移動させられる……G-Zoneから言われた言葉を思い出す。


「ウッ!!」


「ラキュー!?」


3人の心配する声が聞こえてくると同時に、3人を含めた全体が歪み始め、臨死体験をしているかのような感覚に陥る。


やがて風景が全て混ざり合い目の前が真っ暗になった……





「――ッ!!?」


心臓がバクバクと連続で振動し、脳が完全に覚醒している。


左腕には既にディスクが装着されており、右手には聖霊獣アバターのレオーのカードがあった。


ラミィはカードを目線の上にまで上げ、レオーの言っていた言葉を思い出す。


(自分を殺そうとしている奴に情けは無用、殺られるぐらいなら殺った方がいい)


「また誰かを殺らないといけないのか」

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