揺れる日常#2

「おいラキュー、屋上で飯にしないか?」


昼休みの2年の教室に入室してきて、いきなり話かけてくるこの腹黒そうなメガネ男子の正樹まさき


「たまには1人で食べたい気分なんだよ」


「パンにコーヒー牛乳か、お前の人生並に寂しいな、つか引きこもってたんだからずっと1人だっただろお前?」


「まっまぁそうだけんどな」





何も言い返す事が出来ず結局屋上へと向かう。


すると屋上にはコトネと彼女に瓜二つの【アカネ】がいた。


「本当お前らそっくりだよな、どっちがコトネでどっちがアカネか分かんねぇわ」


座ってパンを食べながらそんなことを言うラミィに、幼なじみなんだからそろそろ覚えなさいよと同時に言う2人。


他愛もない話が10分ぐらい進む中、正樹があることを聞いてきた。


「お前中間テストどうすんだよ、来週だぞ」


思わず飲んでいたイチゴ牛乳を吹き出しそうになるが、何とか堪えたものの、コトネやアカネからの出席率や提出物の単語で結局撃沈してしまう。


見た目は優等生っぽいイギリス生まれの日本育ちなのに、持ち前の明るさしか取り柄がないと言われる始末。


「お前3週間ぐらい引きこもってただろ、お前から明るさを取ったら何も残らねぇだろ」


「正樹の言うとおり、それにこれ以上休んだら単位落ちちゃうよ?」


「ラキュー、貴方最近何か嫌なことでもあったの?」


「別に何もねぇけど、何か全てがどうでもよく感じてさ、だからただゲームしてただけ」


「ゲームしてた……だけなんだけどな」


最後の言葉に疑問を抱く3人だったが、休憩時間も終わりに近かった為、4人は教室へと戻り授業を受けるのであった。





辺りはすっかり夕暮れ刻――


「何度見ても素晴らしい数値ですね、新型とは言え旧型をここまで圧倒するとは」


「貴方様もお気をつけください」


とあるビルの屋上からタブレットらしき機械を使って、昨日の戦闘シーンを見るニムトがいた。


彼は背後にいる影のかかった何者かにそう告げると、その者は何も言わずしてその場から立ち去っていった。


「……それではゲームを始めましょうか」


「良いデータを期待しております」


夕焼けの光にメガネが反射し、不気味な笑みを溢すのであった。

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