第3話 殺しの合図は突然に

揺れる日常#1

チュンチュンチュンチュンと小鳥の囀ずりが、朝の訪れを教えてくれる。


人々が通勤通学している中、この少年は自室の窓から入ってくる太陽の光に照らされながら、昨日の出来事を思い出していた。


謎の男に突然変な世界に移動させられ、カードを使ったサバイバルゲームに強制参加させられ、そして――




人を殺めてしまった。


直接的ではなかったものの、間接的に殺してしまったのは事実だ。


人を殺めてしまった自分はどうなるのか?何かしらの伝で警察に捕まってしまうのではないか?


あんな紙切れ1枚で、こんなに世界が変わるものなのか……


そう考えていると、自室のドアの外側からノックをする音が聞こえ、許可無しで1人の少女が入ってきた。




「なんだ【コトネ】か」


「コトネかじゃないわよ"ラキュー"、アンタいつまで家に引きこもっている気!?今日という今日は学校に連れていくからね!!」


頬をギュッとつねられながら強引に引っ張られていると、テレビからあるニュースが流れる。


「昨日夕方18:30頃、東京都渋谷区の複数の建物が突然崩壊した件にて、新たに6名のご遺体が発見されました、また――」


「何で突然壊れたんだろうね」


「これって……まさか」


テレビから流れる崩壊した建物と場所、昨日戦い崩壊した建物と場所が完全に一致していたのだ。


反転世界リバーサルワールドでの事象は現実世界に干渉するのか?そう考えていると再び頬に力が入り、自室を後にし、やがて学校へと向かった。




「朝のニュース見たか?」


「建物が崩壊したニュースだろ?しかも同時に幾つも、地震何て無かったよな?」


スクールバスで学園へとたどり着く2人、入り口前には多くの学生で群がっており、今朝のニュースについて話し合う生徒も多数いた。


顔を伏せながらバスを降りると、後方の建物から背中を突き刺すような強烈な視線を感じた。


悪寒が走る中振り替えると――





それらしき人物は見当たらなかった。


ビルの屋上や各階を見上げるラミィに対し……


「どうしたのラキュー?」


「いや、何でもねぇよ……つかそのラキューって呼び方やめろ、女みたいじゃねぇか」


「女の子っぽい見た目じゃん、可愛い~」


「うるせぇ」


やがて門を通り学園へと入った。


ビルの屋上からラミィを監視していたニムトに気づかず。

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