第28話 自動ワゴンの力
「このワゴンって、こんなことも出来たの? 」
「ええ、ただ、正規の使い方ではないので開発会社にはナイショですよ」
「ええ、そうね」
図書館の一階で、ミントとマリはずっと同じ事を繰り返していた。全ては明日のため、万が一、いやそれが百以下になっている怖さは、どうしようもなかった。
「私、ミントの部屋にいていい? 」「もちろんですよ」
図書館内のミントの本体、そこからは監視カメラを全て見ることも出来る。
普通の防虫作業のときも巫女達はこの部屋にいる。
「あんまり練習しすぎて、機械が動かなくなったら大変だからこれで止めましょうか」
「私もそう思います、マリ、今日、明日、ゆっくりと出来ないでしょうが、それから先は別の人間の仕事になりますからね」
「そうね・・・・」
まだ日差しは強く、図書館の照明を落としていても、十分に全てが見渡せた。二階の手すり彫刻は基本が丸と曲線で、三階は直線と角張った感じの物、四階は植物、五階は魚から恐竜までの動物が彫られている。
「この建物は、ずっと発見の連続よ」
と、さち先生の声が聞こえるような気がした。
図書館を後にするとき、マリは明日のためにこう言った。
「ワゴンさん達、明日はお願いします」
クスリとミントは笑った。
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