一切関係ないのは百も承知ながら……理不尽なバッファローの群れというと、どうしてもエド・ウッド監督の『グレンとグレンダ』を想起してしまうところだ。同監督は最低駄作制作者としてとみに有名だし、『グレンとグレンダ』は一応性転換が題材ながら支離滅裂な内容というのが定評ではある。くどいようだがなんの関係もない。
同監督は、死んでから再評価が進みファンも増えた。
閑話休題。
さて、本作『我が良き友へこの幕を張れ』は三分云々とバッファロー云々という二つのお題を合体させた。短いがピリッとくる知的洗練さを備えており、それだけにバッファローの群れがまたとない仕掛けとして主人公の苦境を盛りたてている。
そもそも、本作の主人公はバカである。しかも、行動力のあるバカである。往々にして自他に迷惑をまきちらす類ながら、友情に厚いようであるから最後まで見守る気になれた。
で、『グレンとグレンダ』における最後の台詞がぴたっとくる。
いわく、『よくわからないけど、がんばりましょ』。
必読本作。