第4話 世紀末という認識
ここに来て、やっと人間達は考える。
世紀末だと、聖書に書かれていた世界がやって来たのだと。
「そう言えば、ギリシャ神話には、まず冬が来ると書かれている」
「地は揺れ木は倒れ、あらゆる命が巻き込まれるとある」
そう言って右往左往し、また別の方ではヨハネの黙示録と共通点を拾い『封印が解かれていく。ニガヨモギという星が降ってきて終わるのだ』と人々が教会に集まり叫ぶ。
そんな中、アジアの某国。
「おお光源は、LEDでいけるし、ビニールハウスで何とかなる。モンスターたちが、電気柵を怖がってくれて良かったよ」
「そうだなあ。農協には伝えたが、ネットに流した方が早いか?」
そこへ高校生が通り掛かり、挨拶をしていく。
地球の他と違い、少しの違和感があるが、全く通常通りの生活が始まっていく。
そう日本。何かがあっても、とりあえず通常通り行動をする。
壊れたところは復旧し、元のように何とかしようとする。
あれだけ居たモンスターは、実験の末、ある程度の周波数を嫌がることを発見。
食い合いをして強くなる前に倒せと振れが出た。
そしてバッファローのたむろしているドイツでも、自動車ベースの装甲車が造られ始める。
そうなぜか、冬が来て、活性が下がった。
アメリカでも、未曾有のハンティングブームが過ぎ去り獲物が激減した。
国民が、撃つものを探して日夜フル装備で町を歩く。
ハンバーガーを持ってくる女の子でも、腰の後ろにグロック17を装備している。
プラスチックを多用して軽く、七百五グラムの重量が受けているようだ。
現在の世界において、その被害の差はかなり大きなものとなっていた。
人口は大きく減り、初期対応の差が、その明暗を分けたようだ。
むろん国力により、対応できなかったところもあるが、きちんと初期からモンスターを倒したところは、多くない被害で収束をしたようだ。
ただ、例外はある。
ロシアでは、マンモスの復活や伝染病のまき散らしで被害を受けたし、国が保護するゾウが、モンスター化して攻撃できず後手に回った国。
国土が大きすぎて、気がつけばモンスターが強くなりすぎた国。
何とかしろと叫ぶばかりで、何もできなかった国。
そんな中で、コロたちはまた崇められていた。
丁度遊牧民が住んでいた土地だったようだが、見かけた人が襲われていたのを助けた。
そしたら、羊や何かが供えられ、その代わりに守ってあげる。
そんな中、北の方から奴らがやって来た。
そう古の者達。永久凍土の中から復活し、厄災を振りまくもの。
コロ達は村人を守るため戦ったが、目に見えない物は防ぐことができなかった。
炎を駆使して奴らは倒した。
コロ達の使う黒い炎は、すべてを燃やす。
この頃には、幾匹が使えた炎を、みんなが使えるようになった。
真っ黒な犬の集団。
飼い主の信介が望んだ犬種
体高は三メートルを越え、体躯には時折炎を纏う見事な
それが、ざっと三十匹。
全滅した村を悲しそうな目一瞥すると、何かを心に決め移動を始めた。
もっと強くなろう。
彼はそう決心をする。
その頃、一旦南下をしていたバッファローたちアフリカ勢も、気温の上昇と共に復興の始まっていたヨーロッパを、また蹂躙し始める。
食らいつくし移動をする。
まるで文明というものを否定し、すべてを更地に返す勢いで、そう、彼らはすべてを破壊する。
綺麗に整地され手入れをされていたブドウ畑も見るも無惨な状態となり、見渡す限りの畑はただの土の丘に変貌していく。
ワインが仕込まれていていたタンクも破壊され、道を赤い川が流れていく。
その光景で、生き残っていた人々は絶望をする。
さらに、幾種類かのモンスター達がそのワインを気にいり。探し回ってタンクが次々に破壊され、壊滅をしていった。
だが彼らも、山岳地帯を越えるのは並大抵ではなく、いくつかに分かれて、一方はイタリアへ一方はさらに北上をする。
コロ達も山脈に当たり、ぐるりと迂回をする。
そうして、三ヶ月後、両者は出会うことになる。
足の速かったライオンたち。
だが、二本足となった事で、機動性においてコロ達に負けてしまう。
投げた石はかわされ、地獄の業火に焼かれていく。
食う立場だった彼らは、逆に喰われて糧となっていく。
ライオンたちは逃げ惑い、組織的に追い込まれ、周りを囲まれて逃げ場を失う。
コロ達は包囲殲滅戦を好んで使っていた。
意外とあっけなく、初戦はアフリカ勢が負けてしまう。
後ろにひかえていたハイエナたちが、現在ボス集団となっていたバッファローたちにそれを伝えに走る。
その間も、コロ達の蹂躙は続いていく。
それを見ていた人々は、必然として、コロ達を応援する。
ここでも、コロ達は支持されあがめられることになる。
確かに戦闘により破壊はされた。だが、彼らは人を害さず組織的にモンスターを駆除してくれる。
人は、コロ達の後ろに付き失っていた力を。心を、再び取り戻していく。
ギリシャ神話に登場するヘカテーと言う女神は、地獄の犬を連れているという伝承がある。
きっと人類を救うため、使わしてくれたのだと人々は噂を始める。
元々人と、犬は仲良し。
今彼らは立ち上がり、コロ達と共にアフリカ勢へと反撃を開始した。
第5話へ続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます