じゃんけんで負けた村人(俺)は、生贄にされました。

香 祐馬

第1話 神の名は...

『俺には三分以内にやらなければならないことがあった....』


たとえそれが、死と直結していても。

それが俺の運命だから。諦めるしかない。


この村の掟は絶対なのだ。

それが、他の村から見たら、くだらない掟だとしても...。


この村で生まれたことが、俺の運の尽き...。


俺には、この状況を論破することができる頭脳がたとえあったとしても、掟の前では全てが無駄なのだ。




♦︎



ちなみに、この村の『掟』とは...。

気になるだろう?

だが、すんなり教えるのも面白くない。

どうせあと少しの命だから、少し昔語りに付き合ってくれ。


俺は昔からこの掟にずっと振り回されてるのだ。

なるべく引っ張りたい。ふふふ...


この村には神が居る。

その神が定めた掟は、この村の住人にとっては絶対守らなければならない最重要なものなのだ。


なぜなら、掟を破らなければ、必ず神がいいようにしてくれるのだ。

村民にとっては、大変ありがたいものなのだ。

ただし、俺以外っていう注釈がつく。


力が強大で、大抵のものはなんとかしてしまう神だから、俺以外の村人にとっては、崇め奉る神なのだ。

俺はというと、..大っっ嫌いだっ!!

毎回毎回、このクソ神様に、振り回されて迷惑している。


ちなみに俺は今、その掟のせいでに現在窮地に陥っている。

3分以内に覚悟をきめてやらなくてはならない。

わかっているが、これから死ぬ確信があるわけで....。最初の1歩が出ないのだ。

怖い。無理だ。

後ろを振り返ると、俺を信じてる村民が、力強く頷く。

行くしかないのか...。

まだ俺、成人を迎えたばかりなのに。

もう人生の幕を下ろすのか。


はぁ...。


たとえ神がふざけた野郎でも、神は神。

俺は従うしかないのだ。


その神の名は.....、




『じゃんけんの神様だ。』









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