キリスト教徒が人口の1%しかいなくても、そしてその大半がプロテスタントでも、結婚式でしかチャペルに行ったことがなくても、『聖⭐︎おにいさん』をギャグ漫画として楽しめる国・日本。
しかし、〈ヴァチカンのエクソシスト〉の根底に流れるのは、ガチのキリスト教世界観。
さらに過去作品へのオマージュも散りばめられ、観る者に「履修しててトーゼンでしょ」的要求を突きつけてくる…。
キリスト教徒でもなければその知識もない観客に対してやさしくない映画なのだ(笑)。その埋め合わせにアクションに流れているのかもしれないが。
ラッセル・クロウを観に行ったとしても、あまりにキリ教(略)要素が多すぎてサジを投げるしかなくなっていた読者諸氏に向けて、非常にわかりやすく、理解への道標を示してくれているのがこちら。
そんな知識、読んだところで使えるのはこの映画の中だけでしょ、とブラウザバックするなかれ。
洋画を観ていて、意味不明な表現をしているな、と思うとき、そのうちのいくつかは聖書(≒キリ教)からきていたりする。
悪魔と同様、西欧世界にキリスト教がどれだけ深くはびこっているか…
トリビア的に楽しむもヨシ、異文化理解に使うもヨシ、知れば映画と世界の見え方が(ちょっぴりでも)変わることは確実。