これは何プレイですか?!(※下ネタ注意)
爽やかな朝の教室。学友たちと「ごきげんよう」と挨拶を交わし、エレナと並んで適当な席に座る。と、深刻そうな顔をしたマリウスがやって来た。
「クリスタを借りるぞ」
エレナに言うと、マリウスは呆気に取られる私の手を取り、教室の外まで連れ出した。そのままずんずんと歩き続け、人気の無い、いつもの中庭にたどり着く。と、立ち止まったマリウスが、振り返りざまに物凄い勢いで頭を下げてきた。
「申し訳なかった」
いや待って、駄目だよ。王様は生まれてから死ぬまで、神と妃にしか頭を下げない決まりだよ。
「頭を上げてください。何事ですか?」
「中に出した」
ぶふぉっ。
言葉の選択が直接的すぎて、まともに攻撃を食らった。正座させて小一時間説教…… とは確かにちょっと思ったけれど、凄い良い顔面で何を言い出すのか、この人は。
「昨夜、指摘されて漸く気付いた」
指摘されたんだ。誰に?
「それから城の書庫で書物をあさって、調べて」
保健体育とか無いからね。自分で調べたのは偉いね。
「今回は妊娠していないようだが」
なぜか、しょぼんとしている。しなくて良いよ?
「絶対とは言い切れないらしい。そういう例もあると聞いた」
なんでちょっと嬉しそうに言うんですか。ってか、誰に聞いたんですか?
「給仕係のジョンは、奥方に生理と思われるものがあったが、実はそうではなくて子を授かっていたと言っていた」
給仕係かあ〜。んなこと、食事時に話してるんですか?
「きちんと形も整っていないのに…… 不安にさせたのではないかと、漸く気付いた」
形も整ってないのに、は意味が分かりませんが、不安はそうですね。不安でした。生理が来るまで、丸一日程度でしたが本当に怖かったです。
「なぜ外に出さなかったのかと、反省をした」
そうですね。そこはしっかり反省してください。この世界、避妊といったら外出ししかないですからね。外出しで一回のみが基本ですよ。一回出したら先走りにも精子いるからね。入れちゃ駄目ですよ。
「なぜ外に出さなかったのか……」
本当にね。
「端的に言うと、気持ち良くて抜けなかった」
ぬっ!?
「えも言われぬ心地良いぬめりと熱さで」
ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと?!
「締め付けてくるし、絡みついてくるし、歯の無い口でもぐもぐと溶かされながら飲み込まれているような感覚で」
待って! 行為の最中に羞恥心を煽るためにする実況中継的なあれを、こんな、何にもしてない時に正気な頭で聞かされるとか、何プレイですか?!
「声とか可愛いし」
ぎゃああ!
「出すことしか考えられなくて。抜きもせず何度も何度も。連続で」
……
「本当にすまなかったと思っている。思い返してみるに、あの具合の良さは非常に難敵ではあるが、次回は不安にさせないよう、必ずや欲望に打ち勝ち、出る前に引き抜く努力を試みようと思ってはいる」
「スミマセン。モウ黙ッテ……」
私は、両手で顔を覆ってその場にへたり込んだ。
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