第4話 平等宣言と僕

今は2065年。全人類平等宣言が採択、施行されてから5年。世界は変なふうに変わっていってしまったと思う。

特に学校での変化が大きすぎる。

 授業は全国が常に等しい進路で行われるため、またテストで順位をつけたり、通知表で、内申で優劣をつけたりするではないということで、そういうことは全てなくなった。つまり、テストがなくなった。

テストがない、成績を気にしなくてもいい…そんな世界は最高だと思う人がほとんどだろう。

でも僕はこの世界は変だと思う。なぜって、目標が持てないからだ。

将来なんの職業につくのかも平等、どんな能力を持っていったって平等、どんな職業でも基本、所得は同じ…

社会主義と同じでただ会社に努めて、ノルマさえをクリアすれば生きていける世の中となっている。

つまり、なにも発展しない。競争が生まれない。なぜって自分たちに利益がないから。

そうやって人間は本能的に楽な方へと流れていく。

少し前までは周りの大人や友達たちもそうやって考えていた。

でもそのうちみんな「平等」に洗脳されていった。

みんなおかしい、いや。みんなと同じ考えを持たない平等じゃない僕がおかしいのか?

僕だけみんなと違う考えを持っている。

みんな、いや。この世界は変だ。

僕はなにかをしただろうか。僕は昔から世界一の頑固者なんて言われてみんなに馬鹿にされてきた。(友達はしっかりといた。)

僕は自分の考えを最後まで貫き通す。

そうやって生きていきたい。

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