先駆者と呼ばれる前
第3話 ダンジョン攻略者 爆☆誕
それは突然起きた。
2022年2月22日、世界で同時に大地震が発生した。
一部の地域では地面が割れ、山が崩れ、海が荒れ津波が起きた。
人的被害も多く、人々は世界の終わりだと騒ぎ立てた。
しかし、地震以上に不可解なことが起きた。
突如、世界の至る場所で、それも国の主要な都市に石の扉が出現した。
日本では東京、大阪、名古屋、福岡にビル4階ほどの鳥居が出現した。
石の扉ではなく、鳥居なのは日本だけでなく、世界の地域の特色によるらしい。
人々は突如現れた鳥居をすぐさま拡散し話題となった。
鳥居を挟んだ奥が全く見えなかったのだ。
暗いわけではない、明るすぎて見えないわけでもない。
その鳥居の中だけが空間を無くしてしまったかのように、ただ何もなかったのだ。
近くにいた一般市民が興味を惹かれたのか鳥居を潜ったらしく、そしてその日から行方不明者として取り上げられた。
早急な緊急として国会で議題としてあがった。
内閣総理大臣はこの事態に対し、災害緊急事態を布告した。
自衛隊がすぐさま鳥居を囲み、一般市民の侵入を防いだ。
自衛隊が部隊を組み、鳥居を潜って行った。
翌日のニュースでは、鳥居の奥は異世界と繋がっており、奇怪な生き物が多く存在していたと言う。多くの生物学者や大学教授を集め確認を取ったが、誰も見たことがなく、全くもって生態が不明だと言う。
その時に見つかったのが俗に言う『スライム』であったとのことだ。
謎の粘性生物で生物学者たちも単細胞生物なのか多細胞生物なのか判別できなかった。
自衛隊の銃器が粘性生物に効かず、襲われた隊員がたまたま銃剣用のナイフを振り回したときに核と呼ばれる部位に的中し撃破したが、生物学者が実験体として回収する前に塵となり消滅した。
粘性生物の核を破壊すれば消滅させれることを自衛隊内で共有し、進行した結果、狂暴な動物が複数確認され、そちらも新種の生物だった。
粘性生物を最初に『スライム』と名称した一人の生物学者がこの狂暴化した動物を「魔獣型敵性生物」通称『魔獣系』と呼んだ。
自衛隊の装備では5層まで到達し、そこで現れたのは動く石像だった。
装備である火器が効かず、撤退を余儀なくされた。
自衛隊のダンジョン探索の結果、東京では『魔獣系』『無機兵器ゴーレム系』が多く存在し、大阪では『
しかし、人類の新たなる進化に繋がる発見があった。
ダンジョン内で敵性を倒した隊員が続々と身体の異常を報告した。
それは著しい身体能力の上昇と摩訶不思議な現象の発現だった。
敵性生物に名前を付けていったファンタジーゲームが好きな生物学者はこれを『レベルアップ』と呼び、摩訶不思議な現象を『スキル』と呼び、そしてこの空間を『ダンジョン』と名称した。
それだけでなく、ダンジョン内には現実に存在する金属、化石燃料が多く存在することを発見し、日本の経済に大きく影響を及ぼすことが考えられた。
しかし、危険もあるため、自衛隊の進行は中止となり、国はこれをどう取り扱うか会議を繰り返した。
ダンジョン出現から4日後。
突如、東京の鳥居が光りだした。
この現象は自衛隊が鳥居を潜ったときと現実に帰還してきたときの現象であった。
自衛隊は中から敵性生物が出現するのではないかと警戒態勢に入ったが、鳥居から出てきたのは、行方不明者の4人だった。
1人が意識不明の重体で、ほかの3人もボロボロの恰好だった。
しかし、意識不明の未成年の少年は手にずっと一振りの長剣を握ったままはなさなかった。
少年が目を覚ます2週間で日本は大きく変貌していた。
国が一般市民のダンジョン攻略を推薦し、ダンジョン攻略者には補助金を出し、多くのダンジョン攻略者が誕生した。
「ようやくやりたいことが見つかった」
少年は自分の手を歓喜に震わせた。
そして胸から一つのカードを取り出した。
ゲームのステータスのようなものが書かれてあった。
「数字は嘘をつかないし、この力も現実か」
10層のボスを倒したときに手に入った一振りの長剣を頭の中で想像し、手元に喚び出す。
「頑張りたい」
カードの下にある称号という欄には『異界の門に初めて触れた者』
称号『
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今回も読んでくださりありがとうございます。
どうも、作者です。
やっぱり人間、何か一つでもやりたいことが見つかるとめっちゃ頑張れるんです。
僕だってそうでした。
そう、あれは拙僧が高校弓道部の主将であったこと。
どっかの赤毛の偽善者贋作者に感化され、弓道やりてえ!!と急遽志望高校を変更したものです。
一応、県では成績を残せたので良かったですけど、あそこまで何か一つに熱中したことはなかった。
今思い出しても一番輝いていた時期といえるかもしれない。
つい一昨年の話だけど。
無力で自堕落だった生活から一変。素晴らしい、そして充実した日々だった。
ああ、高校生に戻りたい、、、聖杯に頼めばいけるか?
それではおしゃべりもここまでにして、今回のお話もここまで。
主人公の成長する日々もお楽しみいただければこちらも幸いです。
それではまた次回でお会いしましょう。
作者の咲春藤華でした。
ばいばい。
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