第2話 ダンジョン攻略の先駆者(2)
「身体強化、筋力増進、脚力増進、闘気」
スキルを発動させ、とりあえず正面からジグザクに突進、剣先をゴリラに向け、腕を折りたたみ、力を込める。相手の強度も知りたい。
自分が最大加速になったときのゴリラの胸の中心めがけて闘気を纏わせ突きを放つ。
「くっ……!!」
軽く左の籠手で防がれる。
それだけならいい。
おそらく、金属の籠手に「反射」か、それに似た相手の攻撃を反射させる効果が付与されている。
手がジンジンするんじゃが。
ゴリラが左の籠手で防ぎ、右腕を振りかぶる。攻撃モーションか。
殴りのようだが、まだ剣を持つ手は伸ばしきっているため。防御ではなく回避に移る。地面を後方に蹴り、殴りを回避する。
地面に足がついた瞬間、地面が揺れる感覚がし、膝の力が一瞬だけ抜けてしまった。
ゴリラはそれを見逃さず、瞬時に俺に向かって飛び込み、右腕を振りかぶっている。
今度は上にジャンプし、ゴリラの上を通過する。
これはあかん。ヘビと目が合ってしもうた。
ヘビがとぐろを巻き、首を恐ろしい速さで伸ばしてくる。
まだ空中にいるため、空中でも使えるスキルで迎え打つ。
「三段突き!!」
空気を足場とし、蹴りヘビの噛みつきを避け、ゴリラの後ろに回る。
これで背後が取れた。
腕にためた突きをゴリラとヘビの付け根、尾てい骨に叩き込む。
切りのほうがいいかもしれないが、俺の持つスキルに足場がない状態で使用できる横払いのスキルがないためである。
だが、突きでも3発喰らわせたらおさらばしちゃう。
ヘビが切り離され、塵と化す。
これで背後取り放題だ。
ゴリラも今の攻撃で背中がのけぞっている。
首が上に向いているため、前に回り、首を横一文字に切る。
ザシュッ……
はい、手ごたえ薄い。薄皮1枚。切り込み浅い。
硬ぇ。毛が硬いうえに、皮膚も厚い。
ためてためて解放しないとキツいか。
バックステップでゴリラから距離を取り、剣を腰の鞘に戻す。
そもそも、生き物、魔獣型なので喉は弱点の一つだと考える。
しかし、弱点だからこそ皮膚が厚く、毛が硬いのかもしれない。
胸、腹は見た感じ毛は薄いが筋肉がすごい。凶器な胸筋。
筋肉が薄そうな部位は横腹、わきの下、膝裏、あとどこだろうか。
ゴリラが飛び込みパンチを仕掛けてくる。
右のわき下がさらされている。
自分も前に前傾姿勢で飛び込み拳を躱す。
すり抜けざまに、攻撃を仕掛ける。
「闘気解放、筋力増加、鋭気上昇! スラッシュ!」
鞘の中で闘気を解放し、剣を振りぬくスピードを上げる。
鞘も大きなダメージを負うため、鞘自体も闘気でカバーずる。
Gu Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!
右脇を切り、右腕を壊す。
血管が多く集まるため出血量がすごい。すぐに塵になるけど。
ゴリラの後ろに回れたため。がら空きの頭に向けて柄頭で思いっきり叩く。
脳震盪を起こし、ゴリラがよろける。
よろけながらも、後ろにいる俺に向かって、左の裏拳が飛んでくる。
ゴリラの背中を蹴り、後ろに退避。
GUuuuuu......
ゴリラの両角が赤く光り始める。
……これ第二フェーズじゃない??
ゴリラの鬣、籠手も赤く光り始める。
uuuu......
AAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!
その瞬間、ゴリラの体から炎が燃え盛った。
ゴリラは使い物にならなくなった右腕をちぎり、ちぎり?? まぢで?? 肩から炎で止血する。
攻撃手段が左腕のみになったが、こちらを見たゴリラは笑っているように見えた。
瀕死に見えても油断はできない。
こちらは剣を構える。
ゴリラが今度は左腕で飛び込んでくる。
赤く燃える左腕、剣では迎え打てない。
右前に避ける。
ゴリラの拳は地面に激突し、炎をまき散らす。
「ッ!!!」
ない右腕側は安全だと油断した。
ゴリラの尾から炎でできたヘビがこちらに鎌首をもたげていた。
瞬間的に首を横に曲げる。
横に首を伸ばしたヘビの頭があった。
直撃は避けたが、顔の右横と肩が熱で焼かれる。
「nうぅぅっ!!」
視界が悪い。
痛いより肌がひりつく感覚の方が邪魔になる。
「くそっ! 油断した!!」
利き目が見えなくなったことはだいぶ痛い。
右肩も焼かれたが、まだ剣は振れる。
ピンチでも焦らず、深呼吸。
「スゥゥ、ハァァァァァァ……」
よし、やるか。
振り向くゴリラは笑っている。
炎は一応斬れるがすぐに再生するだろう。
あっちも目をつぶすか。
剣を鞘に納める。
「フゥゥゥゥゥゥゥゥ……
ハッ!! 八艘飛び!!」
自分の出せる最高速度を出す。
ゴリラは左手を前に構えようとするが俺はすでにゴリラの目の前で剣はゴリラの横に振りきっている。
GuAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!
「へっ、目には目を、やられたらやり返す。倍返しだ」
目を抑え、啼き叫ぶゴリラを傍目に、再度、剣を鞘に納める。
「痛いのは今だけだ。すぐ楽にしてやる」
「闘気解放、筋力増加、身体強化、脚力上昇、鋭気上昇、八艘飛び……」
シュッ!!
一瞬でゴリラの目の前にジャンプする。
ゴリラは見えてないため、防ぐ素振りすらしない。
『バースト!! スラッシュ!!』
シャキン!!
ゴリラの分厚い皮膚も硬い毛も、骨と骨の間を綺麗に通る。
止まることもなく、斬る。
一瞬の間をおいて、
ゴトン……
ゴリラの首が落ちる。
ダンジョン15層クリア。
日本の数ある一つ、東京に突如現れたダンジョン。到達深度がまた一層更新された。
「疲れた……いてぇ、ポーションポーション、っと」
ドサッとあおむけに倒れた一人の男。
日本のダンジョン到達深度№1、
通称『
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここまで読んでくださりありがとうございます。
どうも、作者です。
思ったより筆が進み、1話1500字程度で考えていたら、3倍の4500字になってしまったため、変な区切り方になってしまいました。
ご了承をば。
さて、主人公の名前、つけた後に恥ずかしくなってくる。なぜか。
そりゃ自分の作品のキャラに自分の名前つけるやつだと自覚したからだよ。はっず、、、
ということで、新しく主人公の名前を考えてくれたら嬉しいです。
採用する可能性大です。
それと、僕の投稿している小説はネタ帳のようなアイデア出たら書いてみる、的な行き当たりばったりな作品なので定期投稿はできないです(キッパリ)。
ご了承をば。
では、次の投稿までお待ちください。
再度、ありがとうございました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます