第16話 討伐後
夜も明け日が昇り視界が開けてくると徐々に疲れが出てきた。
ついにはそのまま倒れるように三人とも寝てしまった。
ずるずると引きずられるような奇怪な音に目を覚ますとそこにはアルマがいた。
「アルマどこに行ってたんだよ」
シスターがつかみかかる。
「あれだよあれ」
何があれだよ。カッコつけてんのか?
アルマが指をさしている方向を見るとそこにはゴブリン、いや私たちよりも大きい
生き物がそこにはいた。しかも2体。
「あいつら相手にしてたら遅くなっちゃってさ。すまん」
「オークを倒したんですの?」
「あれってオークっていうのか初めて知った」
微妙に返答がずれているような気がするがまとめるとアルマはオークというモンスターを2体討伐してたようだ。
「ゴブリンとオークが手を組んで人間を襲うというのは聞いたことがありますの。わたくしたちが倒したゴブリンの仲間だったのでしょう。チラチラ後を気にしていましたし」
そうなのか。
ごめん、筋肉ばかは言いすぎたかも。私たちのために頑張ってくれてたんだね。
これからは筋肉って呼ぶね。
「そういえばローズって魔術使えたの?教えてくれればよかったのに」
「まだ上手にできませんし少ししか使えませんの」
「まぁ助かったしなんでもいいんじゃね?」
「まぁそっか」
顔を合わせて笑い合う私たちに
アルマはなんの話かわからないようで疑問符を頭に浮かべていたが
それを見てまた笑った。
初めて命の奪い合いの戦いをしたせいかかなりハイってやつになってしまっていたが
その気分はすぐに落とされてしまった。
「これって本当にやるの〜」
「学費を稼ぐためですの。早く手伝ってくだしまし」
ゴブリンの耳を摘んだローズが急かす。
「は〜」
ため息をつきながら持ってきた小刀でゴブリンの耳を削ぎ落とす。
害獣駆除に報奨金が出るように特定のモンスターを殺すとお金が冒険者組合の方から支給されるらしい。シスターがお金はいらないそうなのでゴブリンの耳を落とすのは
私とローズの役割となった。
ちなみにアルマはオークの耳と睾丸を切り落としている。
オークの睾丸は滋養強壮にとても良いらしく高値で売れるらしい。
お金がもらえたとしても私はあまりやりたくない。
例えるならゴキブリの死体の後処理のようなものだからだ。
そんな私と比べてローズは相変わらずテキパキとしている。まだハイになっているのか。それとも覚悟を前からしていたのか。
換金される時を想像しているのか笑みをこぼしながら耳を削ぎ落とす超絶美少女からはどちらか読み取れなかった。
生臭い死体と焼けこげたしたいから耳を取り終わると私たちはまた
エルフの森にあるという神殿に向かって歩き始めた。
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