第5話 全員集合
ひとしきりローズとの話を終えて周りを見渡すと
うわさの奇跡の世代がちらほらと集まってきていた。
結局うわさはうわさである。
なんだかんだ自分と同世代の人たちがいると思っていた。
身なりは多少綺麗にした程度。
神からの恩恵をもらっているとは到底思えないような
大人の決めた大人の基準に従ってるような普通の人達を。
しかしその思いはすぐに裏切られた。
全員個性の塊とまでは言えないが
少なくとも一般人、今日から大人へ子供とは一線を画していた。
同伴している保護者とも纏っている雰囲気が別のように感じる。
パッと見の印象で語るとするなら
一人目は木の棒を携えている男。
ボロボロの服を着ている。貧民街、スラムの出身なのだろうか?
貧困さゆえの服装にも見えるがそれ以上に何か他の要因による汚さのように感じる。
二人目は隣に座るそんな一人目を明らかに煙たがっているお坊っちゃま。
一人目と横に並ぶことで一層引き立つ綺麗な服装はどこか貴族に近しいものを感じる。同伴の人も恰幅がよくお金持ちそうだ。
三人目は自信満々に座っておりどこか民族衣装のようなものを着ている女。
宝石ではないいろとりどりの石のネックレスやブレスレットをつけている。
露出度が高いがあまり魅力的な格好ではない。
四人目の男には保護者の代わりか小鳥や犬などの動物が群がっている。
比較的静かな教会の中でとても騒がしい。
ペット同伴は教会では問題ないのだろうか?
五人目は見つけづらいが柱の後ろでビクビクと隠れている女。
隠れていて顔が見えないのにも関わらずなぜ女だとわかるのか、
それはローブ的な服装が女性のスタイルをかなり強調しているからだった。
特に胸。
尻はわかるがなぜゆえに胸が出る?
六人目は最後尾で足を組んでいるシスター。
露出の少ない厳粛なシスター服を着てはいるが足を机に乗せた座り方から
ヤンキーのオーラがバリバリに出ている。
やべ 睨まれた。
顔を逸らして前を向くと七人目の男が壇上の水瓶の前にいる。
今までで一番まともな見た目をしているがなぜ壇上にいるのだろう。
辺りを見渡してみたがアシュラとかいう人はまだいないようだった。
かなり危険な人物のようなのでいない方が気が楽ではあるが。
と思っているとけたたましい音を縦ながら教会のドアが開いた。
驚いて後を振り向いてみると
そこにはおよそ人間とは思えない
異形の男が立っていた。
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