第2章 果て無き航海と虎と龍



しばらく立ったある日。総務から連絡があった。どうやら三人程 帰還して来たらしい。訓練場へ向かう。すると三人の女性がいた。


総監「君達が帰還して来た三人?」

?「ええ。私はコロンブス。貴方がここの総監?よろしくね。」

?「ヴァスコ・ダ・ガマ。よろしく。」

?「マゼランと申します。お見知り置きを。」


これまた癖が強そうな人が来た。取り敢えず部屋まで案内する事にする。────────


総監「ここが君達の部屋だよ。」

三人「ありがとう。」


三人はそれぞれの部屋に入った。すると総務から連絡だ。


『ご苦労。これからは帰還者は気付き次第話し掛けるようにしてくれ。これから帰還者が増える。全員に話し掛けるのは大変だろう。』


なるほど。確かにそうだ。


『ですね。有り難う御座います。』

『うむ。』


役目を果たしたため 取り敢えず施設内をブラブラする事にした。するとマゼランが奥に見える。


総監「あれ。えっと...マゼラン。どうしたの?」

マゼラン「あら。総監様。特には何をしている訳では御座いません。」

総監「そうなんだ。暇なの?」

マゼラン「はい。あ。宜しければ この施設の案内をお願いしたいのですが..宜しいですか?2年ぶりですので だいぶ施設が変わっていましてね...。」

総監「良いよ。」

マゼラン「ありがとうございます。」


マゼランに施設を案内する事になった。案内しながら彼女の話を聞いていると 色々な事が分かった。彼女達は昔 この施設にいた事。そして帰還前は G.Pと海戦を繰り広げていたと言う事。


マゼラン「奴等は海にもいました。どうやら私が認識している以上に G.Pが生息している範囲は広い様です。」

総監「海にも...。ジャンヌと一緒に戦った時は 鳥型のG.Pだったから..空にもいるのかな...?」

マゼラン「恐らくは そうだと思います。この地域にも海はありますし...私達が戦う機会はあるんでしょうけど...船が...ね。」

総監「んー...。まあ 一応考えてはみるよ。総務に報告してみる。」

マゼラン「お願い致します。」


そして マゼランに施設の案内をし終えると総務に確認に行った。すると どうやらアタリだった様だ。やはり海にもG.Pはいる。しかし船は無いので船を3隻発注する事になった。監督はコロンブス, ヴァスコ・ダ・ガマ, マゼランの3人。この3人を中心に 明日から船を造り始めることになった。


翌日。施設の外の沿岸に人が大量に集まっていた。


コロンブス「違う違う!帆はもうちょっと角度付けて!」

ヴァスコ・ダ・ガマ「ん~..何で分からないのかな。私の船の碇はもっと大きかった。」

マゼラン「此所が違います。先端は鯨の頭型にしてください。」


総監((船造る人達大変そうだな...。まぁ自分の船だし拘りとかあるだろうし..。))


コロンブスの怒号とヴァスコの煽りとマゼランの冷静な声が響いている。


政宗「朝から何かと思えば...。」

総監「政宗さん?」

政宗「げっ..コロンブスも帰還したか...。悪い。私を隠してくれ。」

ニュートン「おや政m」

政宗「黙れ。ニュートン。」


政宗さんはニュートンの背中に隠れたが コロンブスは政宗さんに反応していた。


コロンブス「あっ!政宗さぁん!お仕事お疲れ様です!」

政宗「うぐっ...。」


コロンブスは政宗さんにすり寄る。


コロンブス「政宗さん。今暇ですか?良かったら私と船造りしてくれません?」

政宗「嫌d」

マゼラン「ちょっと待ちなさい。」


マゼランがコロンブスを引っ張る。


マゼラン「造船員が指示を待っていますよ?邪魔をせずさっさと仕事に戻りなさい。」


コロンブスはマゼランに引っ張られて行く。すると政宗さんは肩を落とした。


政宗「よくやった...マゼラン...。流石だ..。恩に着る...。」

総監「政宗さん。コロンブスが苦手なんですか?」

政宗「あぁ...彼女は何故か私に対して異常にデレデレしていてな。苦手なんだ...。まぁ嫌いじゃないんだがな..。」


その数日後。無事に船は完成した。そして総務からの指令で 海に潜むG.Pを討伐せよと言う指令が来た。マゼラン,コロンブス,ヴァスコ・ダ・ガマの三人で行くらしい。


コロンブス「総監は私の船だってさ。てかアンタ船大丈夫なの?」

総監「多分。船酔いには多分強い。多分。」

ヴァスコ「じゃあ大丈夫だね。行こう。」


マゼランが碇を上げると 船が動く。


─────2時間後。マズイ。かなりマズイ。とんでもなく気持ち悪い。船酔いだ。船がグルグル回ってる様に見える。


コロンブス「総監!しっかりしてよ!アンタが酔ったら指令が無くなるじゃない!」

マゼラン「まぁ総監は船には慣れていない。船酔いも仕方ないでしょう。」

ヴァスコ「このまま頑張って。気合いで。」


すると一段と船が揺れた。


総監「っぶ..!」


マゼラン「コロンブス。マゼラン。構えて下さい。」

コロンブス「何なのよ。何が来たの?」

マゼラン「恐らくG.Pです。」


すると前方から巨大な何かが来る。そしてそれは海中から飛び出した。


ヴァスコ「デッカ...」


巨大な鯨の様な姿をしたG.Pだ。そしてG.Pは口を大きく開けると口の下を五対の巨大な刃が出ている。


ヴァスコ「危ない。」


ヴァスコが船を急旋回させ 退避する。するとG.Pの口が赤く光り 口から光線が発射される。それをヴァスコの操縦テクで回避した。だが、G.Pは口を開けたまま追いかけて来る。


ヴァスコ「逃げるしかないな。マゼランとコロンブスは大砲で援護して。総監は吐かないように耐えて。」

コロンブス「了解!」


二人は砲撃するが もし相手が海中に潜ったら砲弾は届かない。G.Pは更に追撃してくる。


ヴァスコ「やばいな...どんどん近づいている。」

マゼラン「!」


するとG.Pは潜った。 


ヴァスコ「ねぇ。下からやられたら終わりだけど?」


そこでコロンブスは呟いた。


コロンブス「...ヴァスコ。爆弾あったっけ。」

ヴァスコ「うん。」

コロンブス「私が爆弾に火付けるから 皆は海に飛び込んで。」

マゼラン「そんなことしたら...。」

コロンブス「大丈夫。もし直撃すれば アイツを一発で倒す自信あるから。」

ヴァスコ「わかった。頼んだよ。」


ヴァスコとマゼランに担がれ 海に飛び込む。


コロンブス「コイツでっ...!」


コロンブスは爆弾に火を付け 階段を駆け上がる。その時。G.Pが船を下から切り裂いた。そして同時に船が爆発する。


ヴァスコ「コロンブス!」


G.Pは頭部を破壊され 海に落ちていく。そして爆発に巻き込まれ 船体はバラバラに砕け散った。だがしばらく静寂が続く。


コロンブス「ぷはっ...任務成功!」

ヴァスコ「よくやったよ。コロンブス。」


その後 マゼランに連絡して貰い 無事施設から派遣された船で施設に帰還。コロンブスはそこでG.Pの討伐に成功を報告。そのまま休暇を貰い 船酔いと自室で格闘した。

─────2ヶ月くらい経った頃。総務が部屋に来た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る