本編2 神の道

「この道は神の道っていうのよ。海からこの道を通って御穂神社にやってくるの。お父さんがそう言ってたわ」

「へえ。そうなんだ」


 道は木の板張りで、両脇には松の大木が並んでいる神秘的な雰囲気。

「ナナちゃんは今、どこに住んでいるの?」

「この先に新しいお家があるの。すっごく広くてきれいなお家よ。お母さんが毎日おいしいものを作ってくれる。メイちゃんにも食べさせてあげるわ」

「へえ、楽しみ。ナナちゃんのお母さんて、料理が上手だったもんね」


 あたしは道を渡りきって、土産物屋さんがある広場に出てきた。

「ナナちゃん、お家はどこなの?」

「もう少し先。広場の奥に坂道があるでしょ。そこを進んで」

 あたしは言われるまま広場を横切って、緩い坂道を進んでいった。


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