隠されたキオク その2

 猫を拾って帰ったのは夜中だった。

親には翌朝ことの経緯を説明して、この猫の生活権を勝ち取らねば!

と誓って猫と一緒に寝た。


翌朝、やはり親からは猫を飼うことに大反対されたが、

私の部屋から出さないことを約束して許可して貰った。


これで猫がここで生活する権利も得たぞーー!

と意気揚々だったけど、ふと気づいたことがあった。


白猫で青い目の子は耳が聞こえない。

片目だけ青い目ならそっち側の耳が聞こえないことがあると

聞いたことがあるからだ。


確かにどんくさい猫だったし、もしかしたら耳が聞こえないのが原因?

両目ブルーの目なので両耳聞こえない可能性もある…。

と心配になって、見えない場所で手を叩いて音をだしてみた。

両耳反応している。良かった。聞こえていた。

ってことは、どんくさいのは生まれつきか?!

それもちょっとねぇ…猫さんとしてはどうなんだろうと思ったけど

ゆる~く過ごすパートナーとしては最高かもしれない。


その猫はまだ小さいけど、たぶん男の子なので「さを」と名付けた。




※仔猫の場合性別を判断するとこが難しいことがあります。


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