悲しい鬼の家族

WAKA

悲しい鬼の家族

昔々あるところに貧乏な鬼の家族がいました。

鬼の家族達はいつもお腹を空かせています。

鬼の家族のお父さんは子供達にご飯を食べさせるために今日も人間達の島に行ってしたくもない盗みや脅しをします。お父さん鬼は無駄な殺生はしたくありませんお父さん鬼にも家族がいて家族の誰かを失う辛さがわかるからです。だからこういうのです。「ガオー鬼だぞーはやくご飯を置いていかないとお前らを食べてしまうぞ」「キャー鬼よ」「またきたな鬼どもめ」人間達はお父さん鬼に石や物を投げてきます。お父さん鬼は俺だってこんなことやりたくない、なのに何故こんな思いをしなければいけないのか、鬼に生まれてしまった事を憎みます。そうしてなんとか手に入れたご飯は少ししかなく「ほら今日のご飯だよ」お父さん鬼は、疲れた体なんて気にしてないように言いました。お父さん鬼は「今日も少ししかご飯を取れなくてごめんね」と申し訳なさそうに言いました。子供達は「全然大丈夫お父さんが頑張ってとってきたご飯とっても美味しいよ」と励ますように返しました。お父さん鬼は、少ないご飯で我慢している子供達を見るととても悲しくなり腹一杯食わしてやりたいなというかないもしない願いを思います。「あなたいつも辛いのにありがとうね」とお母さん鬼はお父さん鬼に言い静かに2人でハグをします。お父さん鬼は毎日俺達家族はどうなるのだろうと不安で眠れません。ある日の朝それは起こりました。お父さん鬼が朝早く起きて人間の島に行く準備をしていると一艘の船が来ていました。そこには人間一人と犬と猿とキジでした。お父さん鬼は急いで岸に向かいました。すると一人の人間がいつも我らを襲い物を奪っていく悪い鬼め殺してやるといきなり刀で斬りつけてきました。お父さん鬼はいきなり斬られてきたので避けきれず右足を斬られてしまいました。すると人間と動物達は鬼の家に行き鬼の家族をみんな殺してしまいました。「おとうさーん」と家の方から声がしましたが足を切られてしまっていたのでその悲鳴も無駄に何もできませんでした。人間達が帰った後お父さん鬼はなんとか家に帰り期待もしない家族達の無事を確認しに行きましたがそこには滅多刺しにされた誰かもわからない肉塊が転がっていただけでした。お父さん鬼は自分は家族が襲われている時に自分は何も出来なかった無力感と家族が自分以外死んでしまった孤独感に押しつぶされながらただ泣き叫ぶことしかできませんでした。

おしまい

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