1-4・学校に関係ないもの

「今日、夕樹が帰ってくる時間、お母さん帰ってくるの間に合わないかもしれないから、念のために鍵持っていってくれない?」

「えっ、鍵?僕が開けるの?」

「うん、もしお母さん間に合わなかったら。」

「でも、学校に関係ないものは持っていったらダメだよ。」

「そうだけど、持っていかないと家に入れなくて、困るから持っていって!」

「学校に関係あるの?鍵は」

「関係ないけど!いいから!!とにかく持っていって!!!」

バタバタと出かける準備をしながら、お母さんが怒り出した。

仕方がないので、僕は鍵をカバンにしまった。先生に見つかったらどうしよう。お母さんのせいだ。


いつもお母さんは、僕に、約束は守りなさい守りなさいっていってるのに、今日は約束を破りなさいといってる。



変なの。



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大人というのは時に理不尽である。


自分たちでできもしないことを、


平気で子どもに伝え、叱りつける。



作者




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