第4話

【ノエラ視点】


「なんでこんなに厳しいのよ!!!!!!!!!」


 お昼が回ったころに、昼食を食べながら私は叫んでしまうわ。 

 婚約者生活がこんなに厳しいだなんて、こんなの聞いていないわよ!!!!!!!!!!


「まず朝5時起床って、何!? 人間なんだから、10時以降に起きなきゃ気が触れちゃうわよ!!」


 朝5時に私はメイドに叩き起こされたわ。

 そこから30分で朝食や化粧をして、12時まで座学よ。

 控えめに言って、このスケジュールを考えた人は頭がおかしいわ!!

 人間の生活を、何一つ理解できていなわよ!!


「婚約者生活を送って、まだ2日なのに……なんでこんなに厳しいのよ!! シエル王子だって、婚約者になる前はあんなに優しかったのに……婚約者になった途端、急変して殴ってくるし!!!!!!!!」


 昨日、私がシエル王子に「しんどいから、スケジュールを変えて欲しい」と言ったらシエル王子は、急に癇癪を起こして私に殴りかかってきたわ。

 一目ぼれをした相手に、普通殴り掛かる?????

 しかも私は類まれなる美貌を持っているのに、なんで殴れるの?????? あの人、頭がおかしいんじゃないの?????


「もしかして……こんな生活がずっと続くの??????」


 それだったら、もうコリゴリよ!!!!!

 今すぐにでも婚約者の座を、お姉さまに返還するわ!!!!!

 ……でも、昨日もお姉さまが仰っていたけれど、そんなことをすればシエル王子が私のことを許さないでしょうね。

 ただでさえ暴力を振るってくるシエル王子が、さらに暴力的になったら……今度は殺されちゃうかもしれないわ。


「どうすればいいのよ!!!!!!!」


 返還もダメ。

 かといって、婚約者生活はツラすぎる。

 シエル王子の暴力は耐えられない。

 だったら、一体……どうすればいいのよ!!!!!!!


「どれもこれも全部、全部……お姉さまのせいよ!!!!!」


 お姉さまが語ってくれれば。

 こんなにしんどいって、言ってくれればこんなことにはならなかったのに!!

 そうよ!! 全部お姉さまが悪いのよ!!!!!


 シエル王子にお姉さまがどれだけ悪い女かってことを言ってやるわ!!!!!

 婚約者生活がなくなることはないけれど、私をこんな目に合わせたお姉さまに復讐くらいはできるわ!!

 シエル王子にお姉さまのことを話せば、きっと処刑をしてくださるに違いないわ!!


「そうと決まれば、今すぐ向かうわ!!!!」


 昼食を半分以上残して、私はシエル王子の元へと向かったわ!!!!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る