第02話・1回目の書き込み(前半)

528弥生


養護施設で仲が良かった子は

ホストクラブにはまって

多額の借金をかかえて

いつのまにかいなくなってたって

養護施設の職員さんから聞いた


もう話す相手がいなくて

寂しくて

こうしてここに書き込みました


529這い寄る混沌


人は誰しも寂しいものさ


530這い寄る混沌


あんたはホストに嵌まらないようにするんだよ


531這い寄る混沌


寂しいならブログでも書けばいいの・・・・

反応ないと寂しいか


532這い寄る混沌


ブログは反応がないと続けられない

動画もだけどさ

底辺動画配信者の呟き


533這い寄る混沌


インスタもいいねがないと

虚しくなるもんな


534這い寄る混沌


あのさ弥生さん

過去のこと聞いてもいいかな?


535弥生


覚えている範囲なら答えます

過去について話す機会がないから

聞かれて書き込めるのはうれしいので


536這い寄る混沌


うーん

嬉しくなるかどうかは分からないんだけど

弥生さんは

シングルマザーの母親と二人きりで暮らしていて

ある日とつぜん警察が来て施設に入ったんだよね?


537弥生


そうです


538這い寄る混沌


とくにおかしいことなくない?


539 534


弥生さんの書き込みを読むと

弥生さんの母親って

二三日家を空けるのデフォだったように感じるんだけど

それであってる?


540這い寄る混沌


どう読んでも

二三日帰ってこないのが当たり前だな


541這い寄る混沌


小さい子どもを放置して

3日も家を空けられる神経が分からない


542這い寄る混沌


子どもを置いて失踪するような母親だからな


543 534


みんなが書いているように

弥生さんの母親って

わりと弥生さんを放置してたよね?

弥生さんもそのことには慣れてたよね


544這い寄る混沌


慣れてたらなにか変わるのか?


545弥生


昔の記憶なので

間違いないとは言い切れませんが

慣れていたと記憶しています


あと二三日帰ってこないのは

いつものことでした

長いと五日くらいだったと

記憶しています


546這い寄る混沌


それで

慣れてたらなんだ?


547 534


>パンが入った袋と紙パックのジュースを置いて

>母は部屋を出ていった

>いつものように数日は帰ってこないとおもいながら

>過ごしていたら

>いきなり警察がやってきて

>気付いたら児童養護施設にいました

>あとで聞いたら

>母は失踪したそうです


弥生さんにとって

母親が帰ってこないのは

「いつもどおり」だったんだよね?


>>母は失踪したそうです


この辺りから

帰ってこなくて困り果ててはいなかった

いつもどおり

なんなら家を空けた翌日に警察が北みたいな感じをうけたんだ


548弥生


すみません

意味が解らないのですが


549這い寄る混沌


いつも通りだとなにかおかしいの?


550這い寄る混沌


534は"なぜ弥生さんのところに警察がきたのか?"を疑問視してるんじゃないか


551這い寄る混沌


幼いこどもが一人きりだったら

警察が来てもおかしくないだろ


552這い寄る混沌


なぜ警察が弥生さんの部屋を訪れたのかが

気になってるんじゃないか


553這い寄る混沌


気になる?

なんかおかしいの?


554這い寄る混沌


分からないからおしえて


555這い寄る混沌


534は警察が来るのが早すぎだっていってるんじゃないか


556這い寄る混沌


はやすぎる?


557 534


555がいうとおり

警察が訪れるまでが

早すぎるんだ

弥生さんは危機的状況にはなってなかった

それなのに警察がやってきたのが

腑に落ちなくて


558這い寄る混沌


隣の人が連絡したんじゃないの?

当時アパートに住んでたんだよね


559這い寄る混沌


隣の人が通報するようなひとなら

もっと早くに通報されてるんじゃない?


560這い寄る混沌


何回も警察が訪問してた?


561這い寄る混沌


言葉を選ばずにいうけど

児童虐待で警察が率先して動くなんて聞いたことないぞ


562這い寄る混沌


危機的状況じゃないのに

弥生さんのところに警察が来たのか


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る