第1章 昨日より

第3話

『許すということ、信じるということ、そして…愛するということ。それらはきっと同じものに違いない。何故なら、ここまではできるが、これ以上はできないということがあるなら、それはきっと、はじめから何もしていないのと同じだから』


 

 ***



 ——広大な宇宙空間。地球から遠く離れたここ辺境では、星の数もまばらになり、航行する船もごくまれである。


 今、この星域をゆっくりと進んでいく一隻の船があった。

 おそらく、規格審査をぎりぎりのところでようやく通ったと思われるその小さな船は、光よりも闇が多く支配するこの空間で、いかにも頼りなさげにみえた。船体に描かれたマークから調査局に所属する船であることがかろうじて読みとれる。


 惑星間独立戦争が終結してからすでに3年—。


 船名と思われる「NEW HOPE」という文字に、この船をそう名付けた者の想いがこめられているようであった…。

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