第13話 受験という言葉は中高生によく効く。
しつこい検査があった。
そうだよね。性別が変わったのだもの。
そういう訳で僕は病院に連れられたのち、
詳しい事情調査と検査を受けた。
僕は「性転換した過程以外」を
正直に話した。
逆に言えば、性転換した過程のみは
ブラフを張らせて貰った。
ストーリーはヴァルハラ監修だ。
『いえい。』
ノリ良いね、ヴァルハラ。
『私はマスターの望んだ結果を
算出し、回答するので。』
よし。前回の件は眼を瞑ることにする。
そんな訳で、話に破綻も無く。
ダンジョンのせいという事で幕を閉じる。
経過観察として一週間の衣食住の保証
された生活の後、開放される。
さようなら、堕落した生活。
こんにちは、絶望した生活。久しいね。
そんな訳で性別を変更できたので、
僕は絶賛学校探し中だ。
あわよくば、例の子たちがいる……。
へいヴァルハラ。「私」が助けた三人組の
制服と照合する制服を記憶から検索して。
僕はすごく嫌な予感がするんだ。
『検索します……ヒット。』
その後に、碧井正義の制服との照合率を
算出していただけないかい?
『照合開始。照合率は50%前後。
制服のタイプを変えれば一致します。』
ですよねぇ〜。彼が通う学園の生徒
だよねー。やっちゃったなぁ。
前言撤回しよう、いやするか?
僕は彼が通う学園の内部や人物、
そして各学園との関係図を頭に入れている。
つまりヴァルハラさんから引き出し可能。
そしてヴァルハラさんを使えば、
記憶からカンニングするだけで
筆記試験は突破できる。
そして実技試験。これはヴァルハラパワー
でゴリ押せばいける。
そしてその学園は名門。
衣食住の維持はお堅い。
つまりだ。僕は重要となる人物を避け、
上手いことヴァルハラを使用して
学園に入り、将来的な地盤作りをする!
そうなるとどうなるか、安定した生活が
出来る。生活が出来ればやりたい事に
手を回せる。魔法を使った職業……。
冒険者、教師、いっそ主人公の仲間になる。
いや違う。シナリオブレイカーになるな。
ならば学園内にいる間に将来の職を
決めておこう。ヴァルハラが一緒な職業が
良いな〜。宝の持ち腐れは嫌だしね。
そんなこんなしてる内に学園へ到着する。
今日は一ヶ月前の模擬試験の日らしい。
という事を運んでくれた男性から聞いた。
一応パンフレット貰っておいて良かった。
男性に頼んだら持ってきてくれたんだよね。
申し訳ないことしたなぁ。
よし、模擬試験の内容を
今のうちに頭に叩き込んでおこう。
――――――――――――――――――――
一応、試験が終わった。
ちなみに僕が受験するのは「自由受験」の
形式で、
もしもの時のために、一応素の状態で
やってはみた。全然駄目だった。
しかし、一部わかるものはあった。
国語と数学である。
国語は翻訳パワーでゴリ押し。
大方、地球の都立入試と似ていた。
数学はまんま地球と同じだった。
僕が見たことある数式が出てきて安心した。
それ以外は分からない。
5教科なのはまだ許せる。前世がそうだし。
国語、数学、魔法用語、魔法学、社会。
3つの教科の知識はこっちの世界でしか
学べないじゃないですか。あっ国語もか。
そういう訳でレッツ勉強タイムである。
大体だが、入試の形式は分かった。
国語は地球の都立入試とだいたい同じ。
違う事と言えば、出てくる小説や
説明文の内容が地球と異なる。
最後には例に漏れず古文が出てきた。
翻訳カンストがここでも役に立った。
しかし、古文を現代仮名遣いに直すという
問題が地球の問題にあっただろう。
あれにに似た系統の問題があっただろう。
あれは無理だった。
数学は言う事無し。ほぼほぼ満点だった。
魔法用語は問題児一号。
魔法の専門的な用語が出てきた。
魔法陣の各部位の名称や魔法自体の名称。
魔法の発動詠唱と詠唱の間違い探しなど。
魔法の効率化についての小論文は
テストを破って全力投球したくなった。
形式は理科に似ていた。
魔法学は問題児二号。
魔法の原理や発動の仕組みについての
知識力を要求させてくる。
ヴァルハラ曰く、
『マスター。私のアシストありなら
全問正解が可能となっています。』
なので非常時にはヴァルハラを
使うことにしようと思う。
ちなみに形式は同じく理科に似ていた。
社会は問題児の中でも良心枠。
地理はなんと自国の領土のみ。
歴史は自国の歴史の中世時代まで。
公民はなんとない。
形式は都立入試とだいたい同じだった。
となると優先順位はどうなるか。
一番に魔法用語。二番に社会。
三番に魔法学という編成で勉強する。
三年の学園の為とはいえ、一ヶ月の食費や宿代をダンジョンで稼ぎつつ、勉強を
するという、ハードスケジュールを
こなす事になる。ならばやる事は一つ。
一日。一日で上級冒険者証を貰って
荒稼ぎをして一瞬で環境を整える。
今だからこそ出来る事ではある。
チートをしながら地道に勉強をする。
頭おかしくなるなぁ。
そうと決まれば特攻だね。
まずやるべき事として、
一番の余念の収納問題を消すために
収納拡張バッグを買おう。
ちなみに包丁は普通のバッグの中にある。
バッグは支給してもらった。
ちなみに本来は初心者講習で貰うらしい。
原作にそういう描写が無いから
知らなかった。あるんだねバッグ。
バッグは白色の合成革に近い生地に、
持ち手は灰色の織物の生地。端っこに
白色の点線が織られている。
持ち手と本体のつなぎ部分には糸やボタン
など、接続する部位がない。
魔法でつくったのかと少し疑問に思う。
製造方法はともかく、シンプルな
デザインである。気に入りました。
こういった原作外の物を見ると少し
興奮してくるね。自分はこの世界に
居るんだって言う実感が持てて良い。
こういう転生って何が良いかって言うと、
原作では描かれなかった設定や、
見たことのないモブキャラ達、
学園内やその周囲の都市の景色、
何よりそれらを眼で見て、肌で触れて、
耳で聴いて、鼻で空気を吸える。
最後はぶっ飛んでいるけど、とにかく、
マンガやラノベにあるVRMMORPGを
一人してる感覚。
自分達が届かなかった世界に一人届いた。
今更ながら転生に初めて感謝しよう。
なんか早口オタクになったね。
好きな世界を語って何が悪い。
悪くありません。迷惑ではないもの。
気を取り直して、いざダンジョンだ。
――――――――――――――――――――
次回は2話同時に投稿します。
区切りが悪いの本当に良くない。
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