第3話 シロ視点
この孤児院では子供たちに勉強を教えている、孤児院を出ているメンバーが教壇に立つこともあるが基本的にシロが担当している。
「今日は教科書の56ページ開いて」
『はーい』
子供たちは元気に声をあげる、微笑ましい姿に、笑みを浮かべる。
今日はなんの気まぐれか、先生が来てるから気を引き締めないと。
「先生、俺の隣に来て!」
「先生は私の隣に来るの!」
わーわーぎゃーぎゃーと元気に騒ぐ子供たち。
最早授業のできる環境ではない。
皆が皆、自身の慕う先生の元へと殺到する。
多くの子供たちに抱き着かれると、それは中々の圧力であるはずだが、院長は汗ひとつかかずに涼しい顔でそれを受け止めている。
「静かにしなさい、授業を始めるわ」
シロは心地のいい声で授業を始めた。
「先生、ここの答えは?…残念ハズレよ」
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「今日はここまでにするわ、しっかりと復習するように」
子供たちはよほど休み時間が待ちどうしかったのかみんなすぐにいなくなった。その姿を微笑ましく思いながら、シロは先生の元に向かった。
「先生、これくらいわからないとダメよ」
先生は困ったように笑った。
この反応を見てわざと先生は子供たちが馴染みやすいようにわざと間違えたのだとわかった。
先生は私の髪を撫でてきた
「乙女の髪は勝手に触っちゃダメよ」
先生は手をどけようとしたが、その手を持って自分の頭に乗っけた。先生に撫でてもらってる時間は最高だった。
「今度、先生に勉強教えてあげるわ」
「今日みたいになりたくないでしょう」
先生はにこりと笑った。
《シロの自室》
孤児院の子供たちは大部屋だが、シロとクロにはそれぞれ自分の部屋が与えられている。
シロは部屋の扉を閉めた途端に地面に座り込んだ。
顔が真っ赤で、呼吸が荒くニヤニヤしながら先生の撫でた頭を触っている。
「先生、大好き」
「なんであんなにかっこいいの」
シロのさっきまでの凛とした顔はドロドロにとけて、今の彼女はただひたすらに淫らで蠱惑的だった。
シロは先生が大好きである。シロは子供が好きだから世話をしているわけでわない。先生にお願いされたからしているのだ。シロは先生に全てを捧げている。
シロにとって大切なのは先生だけである。
落ち着いたあと、シロは先生に勉強を教えてあげるために、先生の部屋に向かった。
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