第3話 未上場

(誰?これ)

嫁と不仲になって随分経ったある日ガラケーに見知らぬ着信と留守電にメッセージが残されていた。

再生すると少し距離を置いたところから女性の声。電話をかけている認識はどうやらなさそうだ。

(間違い電話?まあいっか)

そう思いながら僕は携帯の電話帳に新規登録した。この頃の僕は電話帳登録1000件を目指す、ちょっと意味不明な楽しみがあったのもあるが、確実に女性ということも手伝ってそうしたかったんだと思う。

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