第77話 痛み。その先は──


 グォオオオオオンッ──!!



 メニァレィビスの咆哮が空に響いた。



 それは木々を薙ぎ倒して、強引に森を突っ切っると、馬車道を横から侵入してくる。



「来た!!」



 アイネはダイナマイトの入った木箱を、そっと荷台から落とす。



 クィエによって氷結されている木箱は、地面をスルスルと滑って、馬車から遠ざかっていく。



 約20メートル程度ロープを伸ばしたところで、アイネは木箱を停止させた。

 


「これくらい伸ばせばいいかな?」



「敵の腹の中で爆破させれば、爆風はマシになるとオエジェットから聞いた」



「どうやってお腹に入れるの……?」



「それは私がやる。任せておけ」



「うん。キャビーがそう言うなら、大丈夫だね」

 


 メニァレィビスが迫って来る。



 それはべっとりとした黒い胴体に、龍のような形態を取っている。内側から溢れ出すように胴体を伸ばして、



 やがて、頭部も溢れ出てきた。



「うわっ、あ、頭が出たよ!?」



 6つの巨大な眼が細長い顔を囲うように配置されている。それぞれに小さな黒眼が3つあり、その全てが仇の如くキャビーとアイネを睨み付けている。



 木箱を破壊されては元も子もない為、裏世界に待機している大狼に隠させた。



「キャビー。アタシをお願いしていい」



「ああ」



 キャビーは、ロープを握り締めたアイネの背後に移動し、お腹に手を回した。一緒にロープを握り、彼女を支える。



「クィエも手伝う」



 兄と姉の姿を見て、



 クィエはキャビーの背中に突撃し、へばり付いた。一見して意味は無さそうだが、アイネにとっては心強かった。



「有難う、クィエちゃん」



 それでもアイネの手が震えているのは、どちらかと言えば、武者震いの類だが、



 その震えには僅かに恐怖も含まれている。仲間の命を背負う使命感とは真逆にある、失敗を恐れる恐怖だ。



 キャビーは、そんな彼女の腕に触れた。



「アイネ。震えている……平気か?」



「う、うん。ただ、上手く出来なかったらって思うと……」



 メニァレィビスが唸りを上げて、馬車を追う。それは残り十数秒で、馬車を破壊してしまうだろう。



 そんな危機迫る中で、まるで別世界のように隔離された空間があった。



 流れる時間も、音も、2人だけのものだ。



 静寂に包まれたそこには、2人の声だけがある。



 それはきっと、冒険で得た強い絆によって形成されているのだ。



「アイネ。失敗は考えなくていい。私とクィエがついている。後のことは全て私に任せて、お前はただ火を付けることだけを考えまていればいい」



「ギャビー……うん。有難う」



 その言葉がどれ程までに心強いか、旅を共にしたアイネだからこそ分かる。



 身体も心も全て彼に託して、アイネはロープを握る。



「私の合図を待て」



「うん」



 メニァレィビスは、遂に裏世界に隠した木箱の上を越え、迫り来る。



 人間を強く睨み付け、言葉を発した。



「我々ハ霊樹二創造サレシ者。我々ガ霊樹ノ意思ト知レ──オ前達ハ決シテ、コノ森カラハ逃ラレナイ」



「アイネ、来るぞ。クィエは防御の用意をしておけ──」



「うん」

「分かったぁ」



 メニァレィビスは速度を上げ、蛇行しながら接近する。頭を起こし、大口を開けて飛び掛かろうとしている。



 キャビーは即座に裏世界から木箱を出した。



 裏世界から放出された木箱は、同じく裏世界に仕込んで置いた大百足によって、押し上げられた。



 木箱はそのまま、メニァレィビスのべっとりと流動する体内に大百足ごと飲み込まれていった。



「アイネ、今だっ!!」



「お父さんの……仇だぁっ!!」



 アイネは火を送り込む。



 彼女の魔法はロープを伝い、また導火線を伝って、直接発火剤に火を付けた。



 その瞬間、全てのダイナマイトが同時に爆ぜる。



 寸前まで迫っていたメニァレィビスは、体内で発生した強い衝撃に気付き、6つの眼が大きく見開かれた。



 刹那、逃げ場を失った爆風がメニァレィビスの体内で広がっていく。



 胴体が大きく膨らみ、爆風は頭部にまで到達する。開かれた口から爆風が漏れ出て、アイネ達を吹き飛ばすと同時に、それの頭部を破壊した。



 アイネ達は荷台の奥に転がって、壁に激突した。



「あ痛たた。み、皆んな大丈夫……?」



「私は平気だ」



「クィエも平気ぃ」



「よ、良かった──あ、あいつは!?」



 アイネは立ち上がると、荷台の入り口に駆け寄ってメニァレィビスを見る。



 ダイナマイトによる爆発は、それの身体の殆どを破壊し、黒い粘ついた残骸が辺りに散らばっている。



 それの頭部も半壊し、もう動いては居なかった。



「や、やったの……!?」



 アイネが聞いた途端、飛び付いて来た者がいる。



「アイネお嬢様!!」



「うわぁっ、メリー!?」



 メリーは自身の胸元にアイネを抱き寄せて、振り回す。



「良く頑張りましたね!! アイネお嬢様!!」



「ちょっと、メリー!? お、落ち着いて」



「なかなか上手く行ったようだね。やはり君達は優秀だ」



「終わったのかにゃ? はぁ、やっと家に帰れるにゃ」



 各々が各々なりに、労いの言葉をアイネに掛ける。



 アイネは気恥ずかしくなって笑った。



「アタシだけじゃなくて、キャビーとクィエちゃんが居たからだよぉ」



「じゃあ後で抱き締めてあげないとですね!!」



「メリー。キャビーにはやっちゃ駄目よ。彼、エッチだから」



「私は気にしませんよ?」



「アタシが気にするの!! 絶対ダメだからね!!」



「は、はぃ……」



 一通り祝杯を上げた後、アイネはキャビーの元に向かう。彼は荷台の入り口に脚を下ろし、ぶらついかせていた。



「キャビー」



 名前を呼ぶと、彼は眼尻でアイネを捉えてから、彼女の為の場所を空けた。



「見張ってるの……?」



「うん、まぁ」



「倒せてないかなぁ?」



「多分な。だが、取り返しの付かないダメージは与えた。もう追っては来ない筈だ」



「そ、そっかぁ。あれでも未だ倒せてないんだ……」



「大丈夫。仮に追って来たとしても、クィエが居れば問題なく倒せる」



「う、うん。それはそうなんだろうけど……」



 メニァレィビスにこれ以上ないダメージを与え、退けたというのに、アイネは何処か納得がいっていない様子だった。



「アイネ……? どうかしたのか?」



「え……? あ、うん。ただ……叫んだ割に、結局お父さんの仇は取れなかったんだなって。えへへ」



 そう言って、アイネは笑顔を作った。それが本心からの笑顔でないことは、キャビーでも分かる。



 ズキリと、胸が痛んだ。また喉に何かがつっかえてくる。



 彼女が悲しむから、この現象が起きるのだろうか。



 分からない。



「…………」



 ──どうすれば取り除ける?



 ──どうすれば、彼女を元気付けられる?



 アイネは、任務が終わればどうでも良くなる筈の人間だった。ただの奴隷として扱うつもりだった。



 それなのに、彼女と言葉を交わす度、彼女に触れる度、彼女を知る度、彼女を理解する。



 彼女の心が、まるで自分の中にも棲み着いているみたいだ。



 彼女が笑えば、嬉しいし。彼女が泣けば、悲しい。



 彼女が今負っている痛みが、この胸の痛みだとしたら、やはり本当の仇を教えてやればいいのだろうか。



 それで痛みが無くなるのだろうか。



 いいや、



 喜ぶどころか、失望され絶望され、より悲しむだけだ。隣に座る人間が実は怪物だと知れば、もう何も信じられない。



 彼女を元気付けられる方法なんて、もう有りはしない。


 

 だって、メニァレィビスの肉体と同じ、取り返しの付かないことをやってしまったから。



 ああなってしまえば、もう戻せない。



「キャビー……? あ、ごめんね。折角お祝いムードだったのに」



「ううん。別にいい」



「あはは。もしね、ここにお父さんが居れば、きっと許してくれたよね。こんなダメな娘でも……」



 人間って、こんなにしんどい生き物だったんだ。



 ──もう無理だよ。こんなの。



 こんな思いをするのなら、もう何もかも全て、捨ててしまった方がいい。



 今ここで全員を殺せば、全て無かったことに出来るだろうか。





 メニァレィビスはあれから追って来なかった。



 馬車は順調に帰路を辿り、空は夕暮れとなる。



 キャビーは相変わらず、荷台の入り口で外を眺めている。その隣に座るのはクィエだ。



「もう直ぐ母上に会えるな。嬉しいか?」



「うん、早く会いたぁい!! お母様、好きぃ」



「そうか……」



「あ、お兄様も好きぃ」



「……ん?」



 まるで取って付けたように言うクィエに、聞いてみた。



「お前は結局、私と母上のどちらが好きなんだ。どちらを選ぶ?」



 しかし、クィエは黙りだった。



 彼女に眼を向ければ、慌てて眼を逸らされた。彼女は瞼を閉じ、頭を寄せて来る。



 答えられない。



 それはつまり、母親の方が兄よりも好きだと言うことを案に示している。



「本当にお前は……あれだけ洗脳したというに。やはり母上には勝てないな」



「お兄様は、お母様に会うの楽しみ?」



「うーん」



 楽しみかと言われれば、確かに楽しみだ。



 もうとっくに認めている。



 キャビーという魂は、肉体は、母親を求めている。



 だが、たった3日間離れただけてはあるが、彼女の居ない環境に慣れている自分も居る。



「間もなく幻影魔法に突入します!!」



 御者を務めるレイスの声がした。



「やっと村にゃ」

「アイネお嬢様、着きましたよ」

「うん!!」



 オエジェットが荷台の入り口にあるカーテンを閉じる。



「幻影魔法に掛からないよう、入り口は締めさせて貰うよ。見張り、ご苦労だったね」



 キャビーは睨み付けて、荷台の奥に進んでいく。



「お兄様ぁ……?」



 クィエが手を引き、話し掛けてくる。



「お兄様、何か怖いよ……」



 キャビーは彼女の手を、前方へ強く振り払った。その勢いで、クィエはアイネ達の方に倒れ込む。



「ちょっと、キャビー!? ど、どうしちゃったの!?」



「お兄様ぁ……」



 怪訝そうに見つめる彼女達を、キャビーは順に睨み付けていく。



「キャビー……?」



「アイネ。お前とメリーは確かに村に届けたからな」



「え? あ、うん。有難う……えっ、急に何……?」



「クィエ。母上のことはお前に任せる」



「お兄様?」



「私はもう……お前達は必要ない」



「キャビー!? ア、アンタ、何考えて──」



 ギャビーは跪くと、荷台の床に触れた。床が黒く滲み、消失する。



「──!? キャビー!!」



 彼はぽっかりと空いた荷台の床を通り抜け、消えてしまった。



 アイネは荷台の入り口に急ぐ。カーテンを開け、地面に着地した彼と眼が合った。



「キャビー!! アタシはアンタが──」



 その直後、馬車が幻影魔法の中に入ったことで、互いの視界は遮られた。



 キャビーは馬車を見送った後、ゆっくりと立ち上がり、その場を後にする。



 日は暮れてしまい夜となった森を、彼はひたすら東へ向かって歩くのだった。



 


 馬車がカタリナ村に到着した。



 本来であれば1週間以上掛かる遠征作戦だが、突然の帰還に、村に残った兵士が慌てて門を開けた。



 その音に気付いて、いや娘の気配とでも言うのだろうか。



 ファイは家を飛び出していた。



 門の前に立ち、徐々に開いていくそれの向こうに眼を凝らす。



 すると門が開き切る前に、少女が一目散に走ってきた。



 少女もきっと分かっていたのだ。母親の気配を。



「お母様ぁぁああぁっ!!」



 少女──クィエは母親を見つけると、彼女に対する想いが涙となって溢れ出していた。



 一刻も早く母親に触れたい。クィエは両手を伸ばし、短い脚を動かす。



「クィエちゃん!!」



 対してファイは両膝を突き、同じく両手を広げて我が子を待った。



 クィエがファイに飛び付いた。



 ファイはそれを受け止め、力いっぱい抱き締める。



 母親の声、形、温もり、匂い──その全てがクィエの五感に訴え掛ける。



「お母様ぁぁ、会いたかったぁぁ。あああぁあっ──!!」



「私も会いたかったよぉ。クィエちゃん。もう居なくなっちゃやだよぉ」



 我が子の声、形、温もり、匂い──五感全てが彼女の存在を証明し、彼女の存在が現実味を帯びてくる。



 やっと会えた。もう離さない。



 ファイの瞳にも、涙があった。



「おかえり、クィエちゃん。良く頑張ったね。お母さん、ずっとずっと貴方のことを見てたよ」



「ああぁああんっ──!! お母様、好きぃ。大好きぃ」



「あははっ、お母さんもクィエちゃん好きぃ」



 頭をぐりぐりと押し付ける、久々のクィエドリルに、ファイの情緒が狂いそうになる。



「ああんっ、クィエちゃん。可愛い可愛い可愛いっ!!」



 すると、



「ファイさん……」



 誰かがファイの名を呼ぶ。それがアイネだと分かると、ファイは眼を見開いた。



 片腕を広げ、アイネを呼ぶ。



「アイネちゃん。おいで──」



「うん……」



 何処か元気のない彼女を、クィエと一緒に抱き締めた。



「アイネちゃんも、おかえり。会いたかったよ」



「ありがとう、ファイさん。アタシも会いたかった」



 アイネは静かに涙を流している。



 しかし、それは再会の嬉しさによるものではない。それよりも強大な悲しみによるものだ。



 ファイも感じ取っていた。

 そう。もう1人の気配が無いことを。



「良く無事で帰ってきたね。アイネちゃん」



「うん……うん──っ。ごめんなさい。ごめんなさい、ファイさん」



「アイネちゃん……?」



 突然、アイネの涙に勢いが増した。嗚咽が混ざり、これ以上はとても喋れる様子ではなかった。



 困ったファイは、顔を上げる。



 すると、眼が合ったのは、1人の見覚えのある女性だった。



 暗くて良く分からないが、肌の色が普通の人間とは違う気がした。頭の上に耳もなく、もしかしたら別人なのかと疑ってしまうが、



「メリー……ちゃん?」



 尋ねると、静かに「はい」と返ってきた。



「貴方、メリーちゃんなのね!? 良く……えっと、あれ? 無事なのよね!?」



「ど、どうでしょうか……」



 苦笑いをしたメリーに、ファイは抱き締められない文、慈愛の如き笑顔で迎える。



「おかえり、メリーちゃん」



「た、ただいま。です……」



「ふふふっ──」



 直後、ファイは眼を泳がせた。



 彼女が、彼女の眼が、息子を探し始めたのだ。



 ここに居る筈もない彼を、ファイが探していく度、笑顔が消えていく。



 アイネは、徐々に曇っていくファイを見上げ、話し始めた。



「うぐぅっ……ファイさん。あ、あのね……あのねぇ!! キャビーがぁっ──」



 何処を探しても居ない、気配も無い、そんな息子の名前が遂に出て来た。



 ファイはハッとして、アイネを見つめ返す。



 そして告げられた言葉に、



「キャビーが居なくなっちゃったの!!」



 ファイの力が抜け落ち、腕が地面に垂れた。



「お母様ぁ。お兄様がぁ……」



「ごめんなさい、ファイさん!! アタシ、アタシぃっ──」



 すると、ファイは取り憑かれたように言う。



「大変、探しに行かなきゃ……」



 ファイは立ち上がり、クィエとアイネをその場に残して、門に脚を踏み出していた。



「お母様ぁ……」

「ファイさん」



 門の前には、オエジェットが待機していた。彼は残念そうに、ファイを迎える。



「ファイさん……」



「オエジェットさん……おかえりなさい」



「有難う御座います。ですが……」



「キャビー……えっと、これで全員ですか? あれ、他の兵士さん達は……?」



 オエジェットは俯いた。その行動には、頭を下げて謝罪する意図も含まれていた。



「レイスとミャーファイナルを除き、全員殉職しました。全て、私のミスです。彼らは、私達を救う為に必死に戦ってくれました……」



「そんな……っ。待って、じゃあトッドさんは!? 彼は兵士じゃない筈よね……!?」



 しかし、オエジェットは首を振る。



「え……!? そ、そんなのって……じゃあ、アイネちゃんは……」



 ファイは振り返り、アイネを見る。実の父を失ったにも関わらず、キャビーの身を案じてくれていた。



 そんな彼女の不必要な気高さに、ファイは眉を顰める。



 ファイは奥歯を噛み締め、もう一度オエジェットに向き直る。



「オエジェットさん……キャビーちゃんは、今何処に居ますか?」



「それが……幻影魔法に入る直前に馬車から出て行ってしまいまして……」



「そんな……さ、探さないと。私が行ってあげないと」



 ファイが脚を踏み出したところで、オエジェットに腕を掴まれた。



「ファイさん、待って下さい。夜は危険です」



「そんなの関係ない。キャビーちゃんが、私を待ってるの。行ってあげなきゃ……」



「彼は1人でも生きていけます。何故出て行ったのかは分かりませんが、きっと考えがあるのでしょう。捜索は早朝、私達が責任を持って行いますから」



 しかし、ファイは何度も何度も首を振った。



「あの子のことを分かっていない。キャビーちゃんは、1人で生きていけない。あの子には未だ、私が必要なの」



「それはどういう……」



 キャビーという子供に対する印象が、まるで違っていた。トッドからすれば、もう既に精神が成熟した大人に見えていた。



 だが、ファイは違うらしい。



 我が子に対する狂信的な想い。彼女のそんな危うい兆候は以前にもあった。



 だから、これは彼女の妄想だろう。


  

 なんて一蹴するには、あまりに強い眼光だった。自分を信じてやまない、強い決意が彼女の瞳に宿っている。



「私だけでもいい。外に出して」



 オエジェットは考える。



 不思議な子供と、その親子──



 以前トッドがファイに暴行した時、真っ先に駆け付けたのは子供達だったという。



 単色のコアを持っているからには、他人と見ている世界が違う。



 しかし、それだけには留まらない何かがあるのかも知れない。



 それは、親子の絆とでも言うしかないのだろうか。



「キャビネット君の居場所は分からない。それでも探し出せるのですか……?」



「はい」



 ファイは迷いなく頷いた。



 俄には信じ難いが、何故かそれに賭けてみたくもなった。



 キャビーの喪失は、トッドからしても本意ではない。



「分かりました。私とレイス、シズマ、リーヴを連れて、少数精鋭で捜索します。時間は1時間、夜行性の生物が動き出すまでがタイムリミットです。いいですね?」



「はい、有難う御座います」



「直ぐに出ますが、大丈夫ですね」



「ええ」



 ファイはクィエとアイネ、そしてメリーを一瞥した後、馬車に乗り込んだ。



 兵士4人とファイは、キャビーを捜索する為、もう一度カタリナ村の外に出るのだった。



『作者メモ』



 遂に帰還しましたね。


 ダイナマイトの件ですが、あんな感じで違和感ないですか? ダイナマイトの火薬って、ただ火を付けても爆発しないらしいですね。起爆剤?みたいな小さな爆発が起きると、火薬も爆発するみたいです。


 なので、あのような形でダイナマイトを爆破させました。というか、アイネの火魔法が、触れた物の先端で火が灯る、っていう設定覚えていましたかね……。



 そして、約30万字振りに、ファイさんが登場しました。遅すぎますね。



 第1章もそろそろ終わりです。ここまで読んで頂き、本当に有難う御座います。


 というか、お疲れ様です。


 毎回言ってますが、あと少しお付き合い下さい。

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