第64話 キンキ

 レイラット連合国の最高戦力──四神闘気のキンキ・フェリックス。



 キャビーは、白い炎を纏うキンキと向かい合った。



「そうそう、お前だよ。俺はお前をぶち殺したかったんだ」



 彼女は準備運動を続けながら、キャビーを指さした。得意気な笑みは、彼を挑発している。



「キンキ様」



 キンキの炎に当たらないよう、ハオは離れた位置で土人形を盾代わりにしていた。



「なんだ、ハオ。今は話し掛けんじゃねぇ」



「申し訳御座いません。ですが……」



「大丈夫だ。最初から全力だしゃ、早く片付く。俺は炎だ! 身体が暖ったまるのも、常人のそれよりも早いんだよ」



 キンキの戦闘意欲は炎のように冷める気配はない。ハオは諦めて、身を引いた。



「お互い邪魔は居なくなったよなぁ!? さぁ、ぶち殺してやる」



「良く喋る人間だな」



 キンキはニヤリと笑うと、両手を前方に突き出した。



「先ずは小手調べだ」



 彼女の両手に炎が集まり、白い火球をキャビーに向けて放った。



 獣人の中でもトップクラスの戦闘力を誇る彼女は、ただの火球であっても威力は桁違いだった。



 やや質量があるのか、その火球は重力に従ってキャビーの脚元に着弾する。



 キャビーはそれを横に転がって避けた。



 同時に──着弾した火球による炎が地面に広がり、キャビーを襲う。彼は魔力を前面に展開して防いだ。



 勢いよく、炎が彼を包み込む。



 魔力を展開していても、強烈な熱に軽い火傷を負ってしまった。

 


 凄まじい威力だ。



「おらぁっ!!」



 広がった炎を掻き分けて、キンキが接近していた。



 キャビーは奪った刀を取り出し、向かい討つ。



 彼女の放った拳を受け止める。だが、拮抗することなく、キャビーは後方へ吹き飛ばされた。



 刀でガードしたにも関わらず、腕の骨に痛みを覚える。身体の芯にまで、衝撃が伝わってくる。



「凄い力だ」



 これが、獣人界の最強らしい。



 キャビーは素直にキンキを称賛した。



「もう終めぇじゃねぇよなぁ!?」



 腕をグリグリと動かし、キンキが歩み寄って来る。



 すると、キャビーは逃亡を計った。



「なっ──!? 逃すかっ!!」



 拠点から少し離れた位置まで移動し、キャビーは立ち止まる。追って来たキンキは、周囲の緑を燃やし尽くしながら、キャビーに迫っていた。



 右拳を放つ。



 彼はそれをしゃがんで回避すると、刀を振るった。キンキの脇腹を捉えた。



 しかし、キャビーは直ちに刀を異空間に仕舞い込む。キンキの脇腹に命中する寸前で、刀が消失する。



 彼は、腕を使って防御態勢を取った。



 キンキの右脚による薙ぎ払いが、既に迫っていたのだ。彼女は拳を躱された時点で、次の行動に移っていた。



 キャビーは力負けし、また吹き飛ばされてしまう。



 何度か転がって、木に激突して止まった。



 ぐったりと、木にもたれ掛かる。



「なんだ、今の──」



 キンキの行動が少し変だった。



 まるで、



「相打ちを狙ったみたいだ」



 キャビーがあのまま刀を振るっていれば、彼女の腹を斬り裂けただろう。



 だが、同時に彼女の攻撃もキャビーに当たっていた。互いに致命傷だった。



 度胸があり、死を恐れない戦士というのも居るだろう。



 だが、キンキのそれは、そのような感じではなかった。



 刀を防御出来ると踏んでいたのか、未知の防御魔法があったのか──



 彼女の放った蹴りの威力は、今まで味わった中で最も強力な一撃だった。両腕が痺れ、骨が軋んでいる。



 加えて、彼女の炎に触れる度、火傷が増してしまう。キャビーの腕の皮膚は、赤く腫れていた。



「おいおい、この程度でよくウチの隠密部隊をやれたもんだなぁ!?」



 キンキは地面を焦がしながら、キャビーを挑発する。



 キャビーは立ち上がった。



 ファイから貰った強力な身体とはいえ、まだ未熟だ。トップクラスに強い大人との戦闘は、少し骨が折れる。



 嫌になる気持ちを抑え、キャビーは刀を構えた。



「そうこなくっちゃなぁっ!!」



 キンキは言うと、地面を蹴った。後方に爆風を巻き起こし、一瞬でキャビーに迫り来る。



 やはり、避けるのは難しい。



 キャビーは刀で拳をガードすると、今度は素直に後方へ吹き飛ばされた。威力の相殺も難しい為、レイスのように攻撃を受け流したのだ。



 また、炎に極力触れたくないという意図もあった。



 横に受け流すのではなく、後方に飛ばされることを選んだのは、その為だ。



 キャビーは攻撃の勢いに任せて、距離を取る。



「まだまだぁ!!」



 キンキは更に追撃を行ってくる。



 キャビーは、同じように受け流した。



 吹き飛ばされ、背中から地面に倒れそうになるものの、両手を地面に付けて一回転し、着地する。



「ちっ逃げてばっかじゃねぇか。だったら、

これならどうだっ!!」



 キンキは付近の熱を集めるように、両腕を前に持ってくると、キャビーに狙いを定めた。



 彼女の中心には真っ白な炎が集中する。

 火球を放った時とは、段違いのエネルギーが集まっていた。



「──っ!」



 キャビーは側方に走り、狙いを逸らさせた。



 だがキンキはそれに対応し、向きを変える。素早く走る彼を、しっかり眼で追っていた。



「食いやがれぇっ!!」



 集められたエネルギーが放出され、それは炎の光線となって放たれる。



 木をへし折り、空気を焦がし、疾走するキャビーをピッタリと捉えていた。



 これも、避けられない。



 そう判断するや否や、彼の前方の空間にヒビが入る。



 吹き荒れた黒い煙が形を成し、スキゥーエルが顕現された。



 黒い巨体は大きな翼を全面に押し出し、炎の光線を遮った。着弾と同時に、白い炎の閃光が広がる。



 光線は分散され、それが周囲の環境に撒き散らされた。草木は燃え、爆発し、地面が掘り起こされる。



 幸い、枝葉の少ない森な為、火事になる心配はなかった。



 やがて、光線は消滅する。

 


 スキゥーエルの翼は完全に破れて、使い物にならなくなっていた。しかし、ダメージはそれだけだ。元から炎を扱うスキゥーエルの身体には、ある程度の耐性があったのだ。



 それを上回る火力だったことには、違いないが。



「はぁはぁ……くそっ──」



 キンキの汗は、かいたそばから蒸発していく。



 炎は白から黄に変わっており、纏った炎が一段階低下したことが分かる。



 キャビーそれを確認すると、転じてキンキに向かっていく。



「──やっときやがったか」



 彼女も、彼の動きに合わせて拳を振るった。



 キャビーの縦振りを、キンキは拳を使って対抗する。それらが互いに衝突した瞬間、拳は身に付けていたナックルごと、縦に切断された。



 キャビーは刀を振り下ろした後、切り返し、更に追撃を行う。



 キンキの腹を引き裂いた。



 彼女は特にガードをする様子が無かった。勿論、何らかの防御魔法を掛けている訳でもなく、ただ魔力を纏っていたに過ぎない。



 切断力の高い刀と、キャビーの魔力であれば、容易に突破可能だ。



 本来なら、この時点で勝利が決まるが。



「──っ!?」



 キンキの側方を通り過ぎていたキャビーは、振り返った。



 刀を異空間に戻し、防御態勢を取る。



 2度も身体を斬り裂いたにも関わらず、彼女は怯むことなく、もう一度殴り掛かってきていたのだ。



 相打ちを狙った、キンキの作戦だ。



 事前にそれを予期していた為、防御はギリギリ間に合った。キャビーは腕に魔力を集中させ、彼女の拳を受け止める。



 切断した筈の拳だったが、既に再生していた。次いでに、彼女の腹も治っている。



 上から下へ、叩き付けるような拳だった。



 キャビーを後方に逃さない為の策だろう。



「くっ──」



 キンキの作戦通り、キャビーは逃げられず、彼女の拳を真正面から受け止めるしかなかった。



 横に受け流そうにも、態勢的に難しい。



 纏っている炎の火力が下がったとはいえ、その熱さは魔力を貫通し、ゆっくりと火傷を広げた。



 このままでは不味いが、



 刹那、キンキに黒い巨体が迫る。



 スキゥーエルによる突進が、側面から彼女を突き飛ばしたのだ。



 そうして、鍔迫り合いから脱したキャビーは、彼女から距離を保つ。



「自己回復に特化した治癒魔法か」



 キャビーは言う。



 手を地面に付けて勢いを殺したキンキは、キャビーを睨み付けた。



「そうだ。よく分かったな」



 彼女は他者を回復することが出来ないのだろう。



 何故なら、兵士との戦いで重症を負った獣人が、拠点に残っていたからだ。



 その獣人は、クィエの氷によって容赦無く貫かれ、既に死亡してしまっている。



 キンキは、他者を回復出来ない分、自身への回復力は他の追随を許さない。



 切断した直撃から回復してしまう。



「そういうお前は、顕現魔法使いだな。さぞ良い気分だろうな。珍しい魔法を偶然手に入れて──」



 これも挑発だ。キャビーは乗らない。



「他にどんな生物を出せるんだぁ!? 確か百足も居たよなぁ!?」



「煩い人間だなぁ。早く掛かってこい」



「逃げてばっかの奴が今更何を言ってんだ」



 キャビーは手を横に振る。

 すると、スキゥーエルが火炎を放射した。



 対抗するように、黄色の熱線が放たれる。



 スキゥーエルの火炎よりも纏まった熱線は、火炎を突っ切ってそれに命中する。



 スキゥーエルは苦しそうに声を上げた。



「俺に火が効く訳ねぇだろ」



 キャビーはもう一度、手を横に振る。

 スキゥーエルとは反対側に、大蜘蛛が顕現された。



 大蜘蛛はそれぞれ散開し、木に登り始めた。



「蜘蛛か。毒があったら、面倒だな……」



 キャビーは刀を構え、キンキに向かって走り出した。



「だが、面白れぇ」



 キャビーは加速し、彼女に肉薄した。



 キンキが右拳を叩き付けるように繰り出す。隙だらけなのは、相打ちを誘っているのだろう。



 キャビーは地面を蹴り、更に加速した。拳よりも速く、キンキに肉薄する。



 刀を振り上げ、彼女を斬った。

 

 

 身体を真っ二つにする勢いで斬ったが、既に治癒魔法が発動していたようだ。斬ったそばから回復されてしまう。


 

 キンキは、斬り上げによる硬直を狙っていた。左脚を出し、キャビーを蹴り上げようとする。



 それが命中する直前、彼の身体は浮き上がった。予備動作無く、キャビーは後方に下がっていった。



「何っ──!?」



 攻撃を躱され、キンキは驚愕する。



 キャビーの身体には、大蜘蛛の糸が巻き付いていた。木に張り付いた大蜘蛛が、キャビーを引っ張っていたのだ。



 そして、彼をそのまま木の上まで引き上げる。



 キャビーはナイフを木に刺して、キンキを見下ろした。



「ちっ。何の真似だ。おら、降りて来い!!」



「嫌だ」



「嫌だってなんだよ。クソガキが、びびってんのかぁ」



 相打ちを狙うキンキに勝つ為には、一撃で彼女を仕留める他ないだろう。



 キャビーは思考し、木から飛び出した。


  

 彼は次の木に移り、更に次の木へ──



 脚に魔力を込めて、加速していく。



「なんだ速ぇなぁ、おい」



 キンキは、周囲をぐるぐると飛び回る小柄な少年を探す。



 振り返れば、そこに彼は居ない。既に次の木に移っていた。



「追いきれねぇか。しかし──」


 

 キンキが右に顔を向けた瞬間、キャビーは彼女の後方から飛び出していた。



 刀を構え、肉薄する。



 しかし、キンキも伊達ではない。



 ただ彼を追っていた訳ではなく、木の位置を把握し、動きを予測していたようだ。



 キンキは振り向き、キャビーが攻撃するよりも速く、拳を出していた。



「──っ」



 キャビーは刀を平行に構え、急いで防御態勢を取った。攻撃していては、また相打ちを狙われてしまう。



 それに、空中から攻撃に転じている為、彼女の拳を避けられなかった。



「死ねやぁっ!!」



 キンキの拳が迫る。



 上手く刀で防御することには成功したが、受け流せず、衝撃は全身に広がる。



 力負けし、刀越しに彼女の拳がキャビーに命中した。



 彼は勢いよく突き飛ばさてしまった。



 その最中に顕現化させた獣が、風船のように膨らみ彼を受け止める。



 キャビーは刀を地面に刺して、跪いた。



 骨は折れていないようだが、レイスから受けた傷から出血が認められた。



 痛い。

 涙が出そうだった。



「やっと、それなりのが命中したかぁ!? 気分良くなってきたぁ!!」



 キンキは楽しそうに言う。



 キャビーは動けない。

 そこへ、スキゥーエルが加勢する。



 それによる突進は、しかし彼女に受け止められてしまった。



 彼女をやや後退させるに留まり、返しの拳による打撃で、スキゥーエルは飛ばされてしまう。



「はっ、訳もねぇなぁ」



 余裕そうに言う彼女だが、脚に何かが突き刺さっていることに気付いた。



「あぁ? ──痛って」



 三角柱の形をした、黒い物体が突き刺さっていた。何かの牙かと思ったが、それは昆虫のような4本の脚が生えた生物だった。



 キンキの纏う炎で、燃えてしまっているが、それの放出する毒素は彼女の脚に注入された。

 

 

 キンキは太腿に激痛を覚える。



「なんだこれ。くっ、痛ってぇなぁ」



 キンキはそれが燃え尽きる前に握り潰し、取り払った。



「おい!! これ、お前の魔法だろ!! こんな玩具でいい気になってんのかぁ!?」



 言ったものの、キャビーはもうそこに居ない。



「くそ、何処行きやがった。また逃げたのか? 面倒な戦い方しやがる」



「なんだ……?」



 キンキは思わず跪いてしまった。

 太腿に強烈な違和感があったのだ。



 皮膚が内側から溶けていた。



 直ぐに治癒魔法を発動するが、治したそばから溶け始める。治癒魔法でも、毒は治せない。



「んだ、これ。酸かぁ? いや、違うな──くそっ」



 キンキは辺りに眼を配るが、やはりキャビーは何処にも居ない。



 治癒に集中しようとするが、不意に影が映った。真後ろからだ。キャビーは大浪に任せて、裏世界に逃げていた。



 キンキは振り返り、即座に腕を払って迎撃する。



 互いにダメージを負ったばかりな為、大した力は出せていない。彼女の腕と刀が拮抗した。



「卑怯な手ばっかり使いやがって」



「お前、探知魔法も使えないみたいだな」



 クィエの氷による攻撃から、ここまでの間を鑑みて、キャビーはそう判断する。



 キンキはずっと、目視で対象を捉えていた。その為、毒を与えるのは容易だと踏んだのだ。



「うるせぇなぁ。悪いかよ」



 キンキが腕を払うと、キャビーは退いた。

 彼はもう一度、大蜘蛛の糸によって木の上に登る。



「またかぁ? つまんねーガキだな」



 脚の溶解と治癒が同時に行われている。溶解の速度が速く、ギリギリ治癒が間に合っていない。



 キンキは決心する。このままでは、魔力消費が激し過ぎる。



 キンキは溶けた脚を、腰に差したナイフで抉り取った。火で炙ろうとも思ったが、溶解しているのは、太腿の内側なのだ。

 


「くっ──!! 痛ってぇぇなぁあ、おい!!」



 激痛だった。だが、目論みは成功し、溶解が止まる。治癒魔法を使い、脚を戻した。



 彼女の身に纏う炎が、黄から赤に変化した。もう一段階、炎が低下したようだ。



 それを見たキャビーは木を蹴り、キンキに向かった。彼女も顔を上げると、キャビーを迎撃する。



 互いの武器が交差する。



 キンキはこれ以上ダメージを負わないよう、刀を受け流していた。



 相打ちの戦法は通じない、と悟ったようだ。



「鬱陶しいガキがぁ!!」



 何度か撃ち合った後、キャビーは糸を使って離脱する。それの繰り返しだ。



 長時間戦闘しているが、キンキの拳は衰えてを知らない。また、長い刀を用いるキャビーと、小回りが利く拳では、キンキの方に軍配が上がる。



 基本的に撃ち合えば負けてしまう為、キャビーは逃げを選択している。



 炎による火傷を殆ど気にすることが無くなったのは、救いだった。



「ふざけやがって……っ! もう木の位置は全部分かってんだよ!!」



 キャビーはまた何度か木を蹴って、撹乱させる。



 キンキは痺れを切らした。

 キャビーの居る木に殴り掛かる。



 彼は木から飛び出すと、次の木へ移る。 



「こっちかぁっ!!」



 木が破壊され、

 彼は更に次の木へ──



「洒落せぇっ! 全部ぶっ壊してやるよ──」 



 更に次の木へ──



「次はこっちだろ。分かってるっつたろうがぁ」



 そう言って、キンキが振り向いた瞬間だった。



 キャビーは、既に彼女に襲い掛かっていた。



「──なっ!?」



 予想よりも速い彼の攻撃に、キンキは僅かに身体を逸らす。



 刀は首から逸れ、肩から溝落ちに掛けて、切断した。



「──っ!!」



 彼女から大量の血が溢れ出る。

 今までで一番、深い傷だ。



 断ち斬られた後、キンキは下を向いて息を荒げた。



「探知魔法が使えないのは、やはり不便だな。人間」



「あ……?」



 キャビーは上を示すと、そこには1本の糸が張っていた。キャビーはそれを利用して、より速くキンキに攻撃出来たのだ。



 キンキは舌打ちし、静かに呼吸をする。



「痛ぇ。流石に痛ぇ」



 キャビーはトドメを差しに、彼女の首を狙う。彼女は纏った炎を解き、左手首が今まで以上に白く輝いていた。



 深い傷は瞬時で再生し、キャビーの刀を受け止める。彼女はニヤリと笑った。



「勝てると思ったかぁ? 残念だったな。俺はまだまだやれるぜぇ」



「だが、魔力はほぼ使い切ったみたいだな」



「あぁ?」



「相当燃費の悪い魔法なのは、見ていて分かった。撃ち合っても勝てないから、ずっと逃げていたんだ」



 キャビーは刀を異空間に閉まった後、大蜘蛛の糸を掴んで後方へ退がった。



 両手を地面に付くと、空間にヒビが入っていく。それは1つや2つではない。



「折角だし、全部出そ」



 無数に出来たヒビから黒い煙が放出され、辺り一面に広がる。



 闇から生まれた暗黒の身体が、形成されていく。



 巨大な百足がうねり、大狼が吠える。蝶が舞い、蜘蛛が降り立つ。その他にも、次々と──



 持ちうる全ての顕現体が顕現化された。



「ここからは、私も全力だ」




『作者メモ』


 えー、一応キンキさんは戦った中で一番強い設定なんですが、なんか弱く見えます?


 ちゃんと、強そうに見えます?


 あ、オエジェットとはちょっとしか戦ってないので、カウントせず……



 それと戦い方なんですが、


 敵が迫る。しかし、躱わす。だがしかし、それを予想して、攻撃していた。


 みたいな、何でしょう……ワンパターンというか。「しかし」が多いような気がしていて……どうですかね?

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