第16話

ふ~ん。砂場の裏の工場の隣の倉庫ね。


ありがとう、行ってみるわ。


ところで、貴方、結構な年なの?動きが鈍るなんて…


『いや?まだ三年半だぜ?でも、太っちまったからな。狭い場所にゃ入れないのさ』


あっそ…ちょっと心配したじゃない。まぁ、いいけど。


倉庫、倉庫。あった、これね。


本当に、人間の食べ物だらけだわ。でも、それほどいい匂いがしないのね。


見つからない様に、慎重に探さなくちゃ。


だめ、居ないわ。見つからない。今日は、惨敗ね。


はぁ、ぐるっと回ってから寝床にでも帰ろう。疲れちゃったわ。


あ、しまった。登って帰れないんだった…


あぁ、私のおバカさん。どうやって帰ろう…


ん~~~~~~!仕方ない、堂々とあの大きく開いてるところから入ってやるわ。


「あ!猫ちゃん!やっぱり、居た。ねぇ、小さい猫ちゃん。お腹空いてない?ご飯あげるから、ここに住みつかない?」


番のメスに見つかってしまった。でも、このメス、優しい匂いがするのね。


ショボイチみたいな、居なくなった大きいメスみたいな。


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