第15話

さて、このまま見回ってみようかな。


こっちには何があるかしら?


えっと?なんで、怖いオスが居るの?縄張りなの?


『またお前か、チビ』


こっちのセリフよ?なんでここに居るのか答えなさいよね。


『俺の寝床だよ。前の所は、昼寝場所で、餌待ちに丁度いいんだ』


餌待ち?小さい奴、人間嫌いなのに人間からの食べ物を待ってるってこと?


『人間は、狡猾で嫌な奴だが、極たまにいい奴がいる、そいつらは俺たちが好きだ。何も言わなくても餌を持ってくる。毎日同じ場所に同じ時間にな』


ふ~ん。狩りはしないの?


『最近は、獲物が少ない。狩りの技術も、上手くない奴が大半だ。狩れないことは無いが、俺も動きが鈍ってんだ』


そう。私は、教えて貰ったからちゃんと狩れるわ。貴方が狩らないならいい狩場を教えてよ。


『いいぜ。前に赤い花を目印に教えた砂場の裏にある煩い工場ってやつの隣に、倉庫っていう食いもんを集めとく場所がある。そこなら、たまに居るぞ。ただ、人間の食いもんには手を出すなよ?前に、一度バカが手を出して、大事になってしばらく入れなくなったんだ』

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