第12話

どうせなら、行ったことのない反対側に、と。


ここは、なんだか、変な匂い…異常に煩いし、外れかしら?


でも、人間って、明るい時と暗い時じゃ居場所が変わるのよね?


もしかして、暗くなったら静かなんじゃない?待ってみる?


ここなら、速い箱の多い所からも近いし。


よくわからない硬そうな強そうなやつが、たくさん座って唸ってるけど…


とりあえずは、襲ってはこないみたいだし?


ちょっとの間、隠れて見ていようかしら?


「あれ?今、猫居なかった?」


「は?猫?見てないし」


「そっか。見間違いかな?こんな煩い工場に来るわけないか」


「まぁ、そうだろうね」


「はぁ、癒しが欲しい。むさ苦しいのばっかで、イケメンもイケ猫も居ない。辛い」


「お前なぁ…。はぁ…」


「もし、猫が居たら餌あげたら懐いてくれるかな?」


「注射とか、避妊とか、色々大変なんだろう?」


「私が頑張るわよ。あんたは、働いてなさいよ」


「はいはい、亭主元気で仕事します」


なに?あの、番?何か言い合ってるけど、大丈夫?


まぁ、関係ないけど。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る