第9話

「あ、私、おやつに煮干し持ってきたの。この子食べるかしら?」


「やだ、マサさん。タイミングが良すぎるわ。あげてみましょう」


いい匂い。くれるの?ありがとう、ショボイチ、ショボニ。


美味しいわ。カリカリより固いけど。コレ、嫌いじゃないわ。


「食べてる、食べてる」


「どこから来たのかしらね?見たことない子だわ」


「まだ小さいし、少し心配よね」


なに?そんなに見ても、あげないわよ?


コレ、もうないの?


「まだ、欲しいのかしら?はい、どうぞ」


「マサさん、どんだけ持ってきたの?食べ過ぎは、毒よ?」


「だって、私も好きなのよ。煮干し」


ウマウマ。はぁ、食べた食べた。


ありがとね。気が向いたら、また来てあげる。


「あ、行っちゃった…」


「きっと、また来るわよ」


次は、寝床探しね。もう、あそこにいても、大きいメスはきっと帰って来ない。


仕方ないわ。もっと、いい所を探さなくちゃ。


折角なら、心機一転ってやつよね!

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