第3話

「あら、ハチワレちゃんね」


何それ?人間のメス、訳が分からないわよ。


私は、私よ。


どうでもいいから、いい匂いの食べ物くれないかしら?


匂いのする袋は、開けるのがめんどくさいのよね。


黒い鳥の奴がうるさいし、あいつらたくさんいるし。


横から突かれるの、すんごく痛いし。


「食べるかな?上げていい?お母さん」


「クッキーなんて食べるかしら?あげていいんだっけ?」


「ダメかな?食べないかな?」


「あげてみたら?」


「うん!はい、どうぞ」


小さい人間のメス、いい匂いね。


食べてあげる。もっとたくさんでもいいのよ?


あ、ちょっとおいしい。前のカリカリに歯触りが似てるかも?サクサク


足りないんだけど?もうないの?


触らないで!!


「怒らせちゃった。ごめんね?バイバイ。ねこちゃん」


あっそ、行くのね。サクサクだけ、置いて行ってくれてもいいのに。


まだ、お腹空いてる。他にどこかに何かないかな。


…ここいい匂い。がっつりお腹の空く匂い。ねぇ、何か食べさせてよ。

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