誰でも好きになっちゃう病

無雲律人

プロローグ

 あれは私、無雲律人むうんりっとが二十代後半から三十代前半の頃、いわゆる私的に暗黒期にあたる時期の事だった。


 当時の私は精神科医による多剤大量処方の憂き目に遭っていて、認知能力・判断力・思考力、その他諸々全てにおいて脳の働きが制限されていた。


 そう、最初に言い訳をしておこう。これからお話するのは、私が巻き起こした黒歴史の数々であり、嵐のように過ぎては去って行った恋のエピソードについてだ。


 この黒歴史を、単体のエッセイにして出す日が来るとは思っていなかった。しかし、カクヨム誕生祭2024において黒歴史放出祭が開催されると聞いた時、真っ先に浮かんだ記憶がこれだった。


 読んでいて「恥ずかしい」と共感性羞恥により自分までいたたまれない気分になる方もいるかと思う。


 だがしかし、最後には笑って終われるオチを付けようと思っているので、安心して読んで頂きたい。それと、前もって言っておけば今の私は『幸せ』な生活をしている。だから、どうか最後まで読んで、笑って、「バカだなこいつ」とか思ってもらえたらこれ以上の幸せはない。


 では、次のページから私の黒歴史を放出する事にいたしましょうか。

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