勇者パーティーに呼ばれたら本人が居ない件について。

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勇者パーティーに呼ばれたら本人がいない件について。(2:1:1)


お友達をモデルに、声劇あるある(?)をベースに書いたコメディになります。

節度を守ってお使いいただければ、アドリブなどしていただいても構いません。

身内ネタを多分に含んでいますが、恐らく知らなくても大丈夫です。※特に技名

楽しく遊んでください。


ハヅキ:性別不問。職業勇者。元気いっぱい。数々の任務をこなし、名を挙げている冒険者。だが...?大体ボケ。


コンガ:男性。職業魔術師。落ち着いた性格。苦労人気質で、継戦能力に優れた魔法が得意。大体ツッコミ。


クック:男性。職業アサシン。飄々とした性格。手先が器用で、様々な道具を使いこなす。大体ボケ。


サイレンス:女性。職業ヒーラー。流されやすい性格。仕事があれば喜んで参加する。デバフ信者。大体ボケ。

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ハヅキ:

コンガ:

クック:

サイレンス:

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サイレンス:「ふう〜。とうとう今日かぁ〜。」


サイレンス(M):私はサイレンス。職業はヒーラー。ハヅキさんという歴戦の勇者にお誘いを受け、初のドラゴン討伐任務に向かう日。初めましての方とご一緒するの、緊張するなあ...。優しい方達だといいんだけど。


サイレンス(M):町酒場ツインキャッスルの五番テーブル。今日の集合場所だ。気合いをいれて、扉を開ける。行くぞ!


コンガ:「はあ....。(重い溜息)」


クック:「はあ.....。(重い溜息)」


サイレンス:(小声)「え。あの雰囲気お通夜のテーブル?嘘でしょ?」


コンガ:「一体、どういう事だよ...。」


クック:「(無言で頭を抱える)」


サイレンス(M):なんで〜?なんで始まる前からこんな雰囲気なの〜!?


サイレンス:(小声)「いやいや。もしかしたら他のお客さんが座っちゃってるだけかも。うん。とりあえず聞いてみよう...こほん。」


サイレンス:「え、ええっと...本日、ドラゴン討伐の任務だと伺っているのですが...こちらが集合場所で宜しかったでしょうか..?」


コンガ:「ああ。俺はそう聞いている。」


クック:「僕もだよ。」


サイレンス:「.....集合場所を間違えた...わけでは無さそうです。」


コンガ:「それなんだがなあ。」


クック:「うーん...。」


サイレンス:「えっと、みなさんハヅキさんからのお声がけで...?」


コンガ:「ああ。あれよあれよという間に任務を受けさせられ、集合場所と日時を指定されたんだがな。」


クック:「同じく。そんでいざ来てみたら、この置き手紙があるっつう訳だ。」


サイレンス:「置き手紙、ですか?」


コンガ:「まあ、読んでみろ。」


サイレンス:「はあ。どれどれ...?」


ハヅキ(M):みなさん!本日はお集まりいただきありがとうございます!

お呼びしたのは他でもありません。世紀の魔術師コンガさん、歴戦のアサシンクックさん。そして、堅実なヒーラーサイレンスさん。皆様の共闘が見たいがために!このような座組をくませていただきました!快く引き受けて下さって、本当にありがてえ...。感謝しかありません!

今回討伐するドラゴンは火吹きの王、大サラマンダー!街のみんなを困らせている暴れん坊です!

いやぁ〜。どんな戦いになるのか楽しみだなあ。俺は特等席から、みんなの冒険を応援しています!

アディオス!!!



サイレンス:「ちょ、ちょっちょっなんですかこれ〜!?ええ!?ハヅキさん来ないんですか!?」


コンガ:「読んでの通りだ。俺達もすっかり頭を抱えていてな。」


サイレンス:「うそ~。ハヅキさんが居るなら大丈夫と思って来たのに..!」


クック:「いきなり初対面の奴らのとこ放り込まれたらそうなるよなあ。」


サイレンス:「あっみなさんとご一緒するのが嫌とかではなく!単純に、緊張するので…。」


コンガ:「気にすんな。こういうのは大概、1人は顔見知りが居るもんだからなあ。」


クック:「あーしかし。よくよく考えると、思い当たる節がねえか?」


サイレンス:「思い当たる節ですか?」


コンガ:「...無くはねぇな。」


クック:「だよな。ちょっと、勧誘された時の様子聞かせてくれよ。」


コンガ:「ああ。俺はちょうど他の任務の帰りに...」


(回想)


ハヅキ:「おにーさん!」


コンガ:「うおっ。なんだあんた。」


ハヅキ:「さっきの戦闘、見てましたよ!いや〜、その落ち着いた声での詠唱!仲間を守る結界展開!!めちゃめちゃ良かったっす!」


コンガ:「はあ。そいつはどうも。」


ハヅキ:「うーん。この戦闘スタイルだったら...。護衛任務とかして欲しいなあ。でもなあ、もっと熱いシチュエーションも似合いそうだし。あ!あの人と組ませるのどうかなぁ...。」


コンガ:「??...おい。用事がないなら俺はこれで失礼するぞ。」


ハヅキ:「あー!待ってください!!今度、ドラゴンの討伐行きませんか!?」


コンガ:「ああ?」


ハヅキ:「最近出た高難易度の任務がありまして。絶対良い経験値になると思うんですよ。どうですか!?」


コンガ:「ドラゴン討伐か...。いずれ挑戦したいとは思っていた所だ。」


ハヅキ:「ですよねえ!興味持ってくれて良かったあ。じゃ、代わりに任務受けときますね!」


コンガ:「待て待て待て!」


ハヅキ:「はにゃ?」


コンガ:「いやはにゃ?じゃないわ!話進みすぎだろ!」


ハヅキ:「そうですか?いやー、優秀な冒険者は早めに予定を抑えとかないと。すぐ埋まっちゃうので。」


コンガ:「...それは有難い話だが。え?初対面だったよね?」


ハヅキ:「と、言うわけで!空いてる日!教えてくださーい!」


(回想終了)


コンガ:「..俺はこんな感じだったな。空いてる日を伝えたら、任務受領報告と集合日時が送られてきたってこった。」


サイレンス:「...なるほど。確かに一緒に行くとは言ってないような。」


クック:「僕も似たような感じだったなあ。元々は、知り合いの冒険者の紹介だったんだけど...。」


(回想)


クック:「ふー。今日は久々の休みだ。街に出て、ゲームでもするかな...」


ハヅキ:「今日!休みなんですか!?」


クック:「うわあ!どっから出てきた!?」


ハヅキ:「へへ。いやー。またクックさんと任務ご一緒したくて伺ってたんすよ。先日のナイフ裁き見事でしたね!しかも叙事詩まで書いてらっしゃるとは!」


クック:「ああ!あれ読んでくれたのか。それはありがたいな。」


ハヅキ:「あのダークな世界観、緊迫する戦闘シーン!マジでめちゃめちゃ良かったですよ!!早よ!続きを!!」


クック:「ははは。続きの構想はあるんでね...ま、気長にお待ちください。」


ハヅキ:「わかりました!机叩いて待ってます!」


クック:「いや普通に待っててくれん?」


ハヅキ:「てか今日この後空いてるんですか?良かったら任務行きません!?」


クック:「勢いが凄いな!まあ軽いやつなら...。」


ハヅキ:「ほんとですか!やったー!!」


クック:「笑顔が眩しい!」


ハヅキ:「じゃあ軽く3本くらい!ご一緒してくださーい!」


クック:「軽くの概念だいぶ違うな?!」


ハヅキ:「(聞いてない)そうだクックさん!是非今度、任務をご一緒して欲しい方が居まして...ドラゴン討伐とか興味ありません!? 」


クック:「ええ?ドラゴン討伐かあ。冒険者にとって1度は通りたい道ではあるが...。」


ハヅキ:「よっし決まり!行きましょう!!空いてる日全部教えてください!!」


(回想終了)


クック:「とまあこんな具合で。空いてる日にしょっちゅう任務に行ってたら、今や日に5本の任務でも動じない体になったよ。」


サイレンス:「ごくり。これぞ歴戦のアサシン..!」


コンガ:「そんでもって、一緒に行くとは言ってねえんだな。」


クック:「ああ。」


サイレンス:「そう言われると私の場合も...」


(回想)


ハヅキ:「サーイレンスさーん!」


サイレンス:「ハヅキさん!ご無沙汰してます〜!大型任務以来ですか!?」


ハヅキ:「そうですね!あの任務、色んな方が参加してくださってて楽しかったですねー!」


サイレンス:「うんうん。あの時のハヅキさんの戦闘、かっこよかったなあ〜!」


ハヅキ:「お互いバタバタしてるうちに、すっかり前のことになっちゃいましたね!」


サイレンス:「ほんとですねえ。またハヅキさんとも任務ご一緒したいです!」


ハヅキ:「ぜひぜひ!あ、そういえばサイレンスさんって、火傷の治療とかいけますか?小規模戦闘のご経験も、もしあれば!」


サイレンス:「治療魔法は一通りいけますよ!火傷専門ではないので不安ですが...小規模戦闘も対応できるかと。」


ハヅキ:「お!!ならうってつけですね!今度是非お願いしたい任務があるんです!めっちゃいいパーティーなんですよ〜!!!」


サイレンス:「わー!私でよければ勿論!是非!!いつですか!?」


(回想終了)


サイレンス:「そして舞い上がって参加し、今に至ります。」


クック:「なんて言うか、ドンマイって感じだな。」


サイレンス:「めっちゃいいパーティーとは言ってたけど、ハヅキさん来るとは言ってなかったなァ...」


コンガ:「...そういえば今更だが、ちゃんと挨拶してなかったな。俺はコンガ。魔術師をやっている。」


クック:「ああ。僕はクック。職業はアサシン。ドラゴン討伐は始めてだ。」


ハヅキ:「俺はハヅキ!職業は勇者!趣味は良い冒険者同士を引き合せること!」


サイレンス:「私はサイレンス。職業はヒーラーでs...」


コンガ:「いや待て待て待て待て!」


クック:「しれっと居たよなぁ!?今!全ての元凶が!!」


サイレンス:「え!?あれ?!?」


コンガ:「ハヅキさんよお。居るんなら出てきて下さいよ!」


クック:「そうだぞ!みんなお前の声がけで集まってきてんのに!つかこのパーティー前衛居ねえじゃねえか!火力職とヒーラーだけって!」


コンガ:「まあ、俺はシールドとか、結界系の魔法が得意だからな。準前衛みたいなことはできるが...。」


サイレンス:「おお頼もしい...!」


クック:「いやいや、そしたら火力が足んなくないか?僕一人だと流石に荷が重いぞ?」


サイレンス:「それなら私、攻撃支援は得意です!バフデバフが大好きで、そういう補助魔法ばっかり覚えてるので!!」


クック:「ええ..。たまに居るよな、こういう趣味のやつ。」


コンガ:「なんだ。意外とバランスのいいパーティーなのか?」


サイレンス:「確かに。みなさん経験豊富そうですし。」


クック:「いいや僕は騙されないね。勇者がいた方がバランスいいに決まってる!」


サイレンス:「それは!そう!!」


コンガ:「でも、肝心の本人が出てこねえからなあ。」


クック:「確かにさっき声はしたのに...。くそ、陰でニコニコしてる様が目に浮かぶぜ。」


サイレンス:「ええっと。この任務、一応期限がありましたよね?」


コンガ:「ああ。今日の日没までってことになってる。」


クック:「実害もあるモンスターだし、放っておく訳にもいかねえよなあ。」


コンガ:「不安もあるが、行くしかないか...。」


サイレンス:「まあ、ハヅキさんもこの3人ならと思って組んでくれた訳ですし...」


クック:「これ以上ここに居ても仕方ねえしな。」


コンガ:「よし、腹くくるか。出発するぞ!」


サイレンス:「お、おー!」


(間)


クック:「討伐対象は、この森をぬけた先か?」


サイレンス:「はい。ドラゴンの影響を受けて、付近の魔物の動きも活発になってるそうです。」


コンガ:「慎重に進むに越したことはないな。」


クック:「そうだな。さっきから視線を感じるぜ。」


サイレンス:「うーん。たしかに嫌な感じ…。」


ハヅキ:「あー、それ、俺の視線じゃないかなあ?」


サイレンス:「でで、出た!!!」


コンガ:「おい!やっぱいるんじゃねえか!」


クック:「待て!あんまりでかい声出すな。……明確な殺気を感じるぜ!これはハヅキじゃねえぞ!」


サイレンス:「っえ。」


(茂みが揺れる音)


コンガ:「構えろ、来るぞ!!!」


(獣の咆哮)_可能でしたら誰か読んでください。


クック:「っ!炎属性のビーストか。だが、こんなに凶暴化してるのは珍しいな。」


サイレンス:「このあたり、炎のマナが充満しています…それに当てられて、興奮しちゃってるのかも。」


コンガ:「とにかく、大人しくさせないと先には進めねえな。クック!俺が牽制する!」


クック:「任せた!俺は隙を見て背後に回る!」


コンガ:「速射魔法・クイックバースト!こっち向きな!」


サイレンス:「クックさん、加速魔法です!スイフトネス!」


クック:「助かるぜっ!よっ!はぁっ!!」


コンガ:「このまま惹きつける、牽制守護領域・シールドオブアテンション!はああ!」


サイレンス:「すごいっ!強力な結界…魔物がかじりついてもビクともしない!クックさん!いまのうちに!」


クック:「おう!天草のあまくさのまい!」


コンガ:「ぐっっ…ちょっと浅かったな。一旦弾き飛ばして体制を整える!カウンターアクト!」


クック:「おっ。いいねその風ェ!このまま追撃する!千刃・天草の舞――っ破ァ!」



サイレンス:「ごほっ…土煙がっ…やりましたか!?」


コンガ:「深手は負わせたな…まだ息はあるようだが。おい。大人しく森に帰りな。」


サイレンス:「…普段はおとなしい種族なのに。環境の変化に苦しんでるのかも知れません。おいで。」


クック:「っおい!気安く近寄るなよ。」


サイレンス:「大丈夫です。少し、マナの調整をするだけですから…。テンペランス。」


コンガ:「…逆立っていた毛が、大人しくなってきたな。」さ


サイレンス:「はい。回復もかけてっと。うん。よしよしもふもふ。」


クック:「おお。すっかり元気そうだな。もふもふ。」


コンガ:「こら。遊んでる場合じゃねぇぞもふもふ。」


サイレンス:「んーかわい!へへ。一緒に来る?」


クック:「こら!何でもかんでも拾っちゃいけません!」


サイレンス:「ママ~!私ちゃんと面倒見るからぁ!!」


クック:「だめよあんた!そう言ってママが世話することになるんだから!」


サイレンス:「やだやだ!冒険連れてくの!!」


コンガ:「こんなところで茶番を始めるな!危機感を持て!そろそろ出発するぞ…もふ。」


クック:「一番未練があるんじゃねえか?」


ハヅキ:「いやぁ~!!!やっぱりいいなあ!この三人の掛け合いッ!!共闘するの初めてなんですよね?!マジで息ぴったりじゃないですか!コンガさんとクックさんの流れるような戦場把握と指示!長年のバディかって!サイレンスさんのアシストも効いてますし、平和な雰囲気も…良いなあ!!!(褒める内容はアドリブで変えていただいても構いません)いや~!やっぱここ組んでよかった!!」


コンガ:「(最後のセリフに被せながら)おい!ずっと見てたなお前!どこ隠れてやがる!」


ハヅキ:「この臨場感は枠(パーティー)主の特権だな…こんな熱い戦闘を間近で見れるの最高すぎる…。」


クック:「たぶん聞いてないぜ。僕はもう諦めてる。」


コンガ:「ぐぐぐ…。」


サイレンス:「コンガさん…。メンタルヒーリングしときますね。えい。」


コンガ:「(深呼吸)…。溢れるラベンダーの香りに落ち着かざるを得ない…!だが前衛がいてくれたら、俺だってこんなタンクみたいな動きしなくてすむのになあ…。」


クック:「火力を出すのが僕だけってのは、不安が残るよな。」


サイレンス:「でもお二人共、臨機応変ですばらしかったですよ。本当に初めての共闘とは思えないくらいです。ドラゴン討伐も行けそうな気がしてきました!」


コンガ:「甘いな。今回暴れてるのは大サラマンダーだ。でかくて、しかも火を吐いてくる相手は俺も初めてだぞ…。」


サイレンス:「ううん。そうですね。みなさんの持っている手札についても、もう少し教えていただけると…。」


クック:「作戦を考えつつ、先に進むか。」


サイレンス:「サラマンダーってことは、水属性が弱点ですよね。」


コンガ:「そうだな。水系の魔法も覚えてはいるが…。」


クック:「あー。僕持ってたっけな。水属性系の武器。」


サイレンス:「クックさんのかばんって、何が入ってるんです?」


クック:「ん?これ?」


サイレンス:「そうです。結構大きいですよね。」


コンガ:「ああ。暗殺系の職業だと、飛び道具とか武器か?」


クック:「まあそれもあるし、色々だな。(ごそごそ)これとか?」


サイレンス:「…なにこれ?チョコですか?」


クック:「そ!最近ハマってんの!骨董品発掘チョコ!」


サイレンス:「へー!宝物の形に割線の入ったチョコを、うまく割って取りだすと!楽しそうですねこれ」


クック:「興味ある?一個あげるぜ。」


サイレンス:「いいんですか!ありがとうございますぺりぺりぺり..」


コンガ:「今開けんのかよ!つかこんなの、持ち歩いてたら....」


サイレンス:「あ。」


クック:「あ。」


コンガ:「あーあ...。」


サイレンス:「ボドボドに、割れてますね...。」


クック:「うん....。」


サイレンス:「はぁ〜〜。しくしく。」


クック:「なんか、ごめん。」


コンガ:「遊んでねえで戦闘に関係するものを出してくれるか?」


クック:「へいへい。水属性な。手持ちにあるのはこれかな。」


コンガ:「おお。水霊の加護がついた短刀か。」


サイレンス:「いいですね!かなり高度な魔力を感じます。」


クック:「だろ?ただ短刀だから、接近する必要がある。と思って、飛び道具も結構揃えてんのよ。このボムとか、コカトリスの呪い付き。」


サイレンス:「おお!クックさんもデバフ系持ちですか!」


ハヅキ:「個性があっていいですねえ。クックさんはやはりいろんな系統の武器を扱えるのが強い!」


コンガ:「…こうみるとやっぱり、俺は耐える必要がありそうだな。」


サイレンス:「リーチ短いですし、毒は即効性有りませんからね…。」


コンガ:「わかったよ。バリア系の詠唱を見直しとく。炎耐性をあげる薬草もあったと思うしな。ちょっと待っとけ。」


クック:「悪いな。なるべく早く片付けるようにするよ。」


コンガ:「ま、なんとかなるだろう。任せな。」


ハヅキ:「コンガさんは精神的にも、パーティーの要たる存在ですね!どんな無茶振りしても答えてくれそうな頼もしさ!」


サイレンス:「わかりますよ~!なんか私、ニートでもいけそうかも…!」


コンガ:「それは困るから働いてくれ?!」


ハヅキ:「ふー!いいツッコミ!」


クック:「つかお前もう!隠しもしねえな!」


ハヅキ:「いやあ。なんかみんな楽しそうでちょっとさみしくなっちゃって…。」


サイレンス:「うちはいつでも、新規参加者(パーティーメンバー)募集中ですよ!」


ハヅキ:「どうしよっかな~。でもやっぱみんなが戦ってるの見てたい!戦闘ボイスを聞かせろ!」


サイレンス:「えーん!おにー!きちくー!」


クック:「げきはい!おにごろしー!」


コンガ:「それは…悪口なのか?」


ハヅキ:「そんな元気いっぱいのみなさんに、俺から一個情報共有しときますね。」


サイレンス:「ん?なんでしょう?」


ハヅキ:「実はサラマンダーさん、この先100m付近にいます。」


コンガ:「思ったより近いな!?」


ハヅキ:「出会うまでに時間かかると大変かなと思って、あらかじめセッティングしておきました!てへ!」


クック:「用意が良すぎる!ドラゴンのセッティングてなに?!怖!!!」


サイレンス:「100m先…っていうと、ちょうど空き地になっているあたりでしたっけ…?」


ハヅキ:「そうです!人気もないので、思う存分戦っちゃってください!」


クック:「ここまでお膳立てされるともはや尊敬だな…。」


コンガ:「いや本当にありがたくはあるが…。」


サイレンス:「みみみみなさん心の準備は大丈夫ですか!?私は正直さっきまで遠足気分だったのでヤバいです!やだー!!」


クック:「ヒーラー落ち着いてくれな~!?大丈夫だなんとかなる、な!コンガさん!」


コンガ:「俺か!?まあバリア系の詠唱も問題なさそうだし…!あとはクックが火力出してくれ!なんとかなれー!だ!いくぞ!」


サイレンス:「わーん!ジェットコースター並みの急展開~!!!」


ハヅキ:「いよいよ!待ちに待ったドラゴン討伐戦のはじまりだ~!」



(間)


コンガ:「…っこれが…」


クック:「おうおう。おいでなすったなあ。」


サイレンス:「おいでなすったというか…わたしたちがお邪魔しているというか…」


コンガ:「どっちでもいいだろ!まだ気づかれてないみたいだな…。」


クック:「じゃあ、当初の作戦通りでいくぞ。」


コンガ:「おう。初撃はデバフ隊に任せた。俺はバリアと牽制に集中する!」


サイレンス:「了解です!事前に火傷耐性はつけてますけど…。できるだけこまめにかけ直しますので!がくがく」


クック:「飛び道具準備良し、短剣装備よし…。いつでも行けるぜ!」


ハヅキ:「緊張の一瞬…。いい表情ですねえ。」


コンガ:「っし!おまえら、気合入れていくぞ!」


クック:「まずはご挨拶から!爆ぜろ!コカトリスの卵ォ!」


ハヅキ:「相手の不意をついた投擲とうてきがサラマンダーの額に命中!この毒煙はかなり効いてるぞ!」


サイレンス:「視界を奪われて混乱しているうちに!毒状態だと更に動きが遅くなる沼地的なやつを召喚!ウンディーネの誘い!」


ハヅキ:「畳み掛けるようなデバフの重ねがけ!さりげなく水属性で相性も抜群!」


コンガ:「俺からもオマケだ。動けば動くほど痛みが増していく、応用反撃魔法!千棘ちとげの揺り籠!」


ハヅキ:「おお…。すでに頭の上に状態異常マークが4つくらいついていそうですが…。果たして!」


ドラゴンの咆哮:(可能ならどなたか兼ねてください)


コンガ:「まあ、そんなうまくはいかねえよなあ!最後に攻撃した俺を狙ってる、一旦守りに入るぞ!クックは大丈夫か?!」


クック:「おう!ちょっと沼地に足を取られてる!」


サイレンス:「あ、あれー?!」


クック:「大丈夫だ!あいつコンガの方しか見てないし、痛がって思うように動けてねえ…。このまま、足元から慎重に距離を詰める!」


サイレンス:「分かりました…。一旦鈍足解除入れときますね!せい!!」


ハヅキ:「ナイス連携!さああとはコンガさんが耐えられるか…。」


コンガ:「おいおい。俺を舐めるなよ…!ウォール・オブ・リヴァイアサン!」


サイレンス:「水属性の壁召喚!?コンガさんさすが…!」


コンガ:「これであいつの炎も多少は…!う、ぐあっ!!」


サイレンス:「く、この精度でも破られますか!ヒール!火傷解除!!」


コンガ:「助かる。やはり質量が大きすぎてきついが…!相手も苦しんでる。俺は倒れんぞ!もう一度だ!」


ハヅキ:「っくー!!やっぱりコンガさんは、誰かを守っているときが一番輝くなあ…。もはや攻撃魔法と見間違えるほどの大規模な水魔法召喚…。俺も壁の裏に移動してっと。」


コンガ:「おい!実況してねえで手ェ貸してくれたっていいんだからな!?」


ハヅキ:「からの流れるようなツッコミ。安心と信頼のコンガさんですね!」


サイレンス:「言ってる場合か!えい!」


ハヅキ:「いたい!?」


サイレンス:「え!?あ、当てずっぽうだったんですけど。杖あたっちゃった。」


ハヅキ:「容赦ないなあ…。びっくりしてステルス解除しちゃったよ。」


サイレンス:「ごめんなさい…。わざとじゃなくて…。」


クック:「うおい!ハヅキ!いるんなら手貸してくれ!」


ハヅキ:「クックさん?どうしたんです?」


クック:「この短刀だけじゃ、鱗を破り切れねえ。接近はできているから、あとは急所を狙う隙さえあれば…。」


コンガ:「俺の方は防御で手一杯だ。道を切り開いてくれ!頼んだ!ぐっ…!」


ハヅキ:「ええ。なんか美味しいとこだけ持っていくみたいで気まずいなあ…。今日は観客のつもりだったのに…。」


サイレンス:「いやいや!もともと4人で討伐するつもりでしたし!このままデバフ弱り待ちなんて、映えないじゃないですか!やりましょう!?」


クック:「つーかやれ!戦え!」


ハヅキ:「わかったわかったよ!喉元のあたり狙えばいいかな?」


コンガ:「ああ!頼む!相手が火を吹き終わったタイミングがチャンスだ!一回牽制して吐かせるぞ…!シールドオブアテンション!」


サイレンス:「コンガさん!ヒールします…!ハヅキさんにも火傷耐性をつけて…。」


クック:「く、すげえ熱さだが…!やつの肺が動ききった!今だ!」


ハヅキ:「っしゃいくぜ…!ゲット・キル・ハイ!はああああ!」


コンガ:「すんげえ風圧だな…!相手の喉には!?」


サイレンス:「届いた!かなりのけぞってます!クックさん!スイフトネス!」


クック:「ほい来た!大王仕込みの一閃!うらあ!!」


ハヅキ:「決まったあ!」


コンガ:「よし!あとは相手が倒れるか…!?」


(ドラゴンがどうと倒れる間)


サイレンス:「…。あの出血量だと、さすがにやりましたかね。お疲れ様です、コンガさん!やりましたね~!ハイヒール、入れときます!」


コンガ:「助かる。…ハイヒール?」


サイレンス:「やだな。ただの高度回復魔法ですよ。よっハイヒール一丁~!」


コンガ:「んなハイボールみたいなノリで…。」


クック:「おーい!血まみれだ~!助けてくれえ~~!」


サイレンス:「はーい!いま行きます!」


ハヅキ:「いや~!みんなお疲れお疲れ~!!」


コンガ:「…。うん。なんとか討伐完了したな。はー。早くうまいもんでも食いてえな…。」



(間)


別日 酒場にて


サイレンス:「っえー!?ハヅキさん、また一緒にいかないつもりですか!?」


ハヅキ:「え?いやあ。そういうわけじゃないんだけど…。」


クック:「おうおう言ったれ言ったれ。」


サイレンス:「この間のでわかったじゃないですかあ。私達、4人で戦った方がバランス良いって!連携も取れてましたし。ね!コンガさん?!」


コンガ:「そうだなあ。やっぱり俺も火力出したいし、前衛職は欲しいところだ。」


ハヅキ:「う~ん。それはそうだったんだよねえ。戦闘時の連携も、攻撃防御バランスもちょうど良くて!みんなの意外な戦闘スタイルとかも知れたし、俺的にはもっと色んな任務に引きずり回したいんだけど…。」


クック:「…ん?」


サイレンス:「ぜひまた、一緒に討伐行きましょう!なんなら明日とか、一日空いてますよ!」


コンガ:「ああ。俺も明日は余裕がある。いつでも対応できるぜ。」


ハヅキ:「へえ~。明日、空いてるのかあ!なら!一緒に任務、いこっか!」


クック:「待て!嫌な予感がする!」


コンガ:「ん?」


サイレンス:「え?」


ハヅキ:「ぜひって言ってくれたもんね。ね?今更やっぱり辞めるとか言わないよね?明日一日抑えるけどいいよね?ね???」


コンガ:「なななんでだ…?笑顔がこんな怖いことあるか…?」


サイレンス:「きき奇遇ですね私も同じことを考えていました。」


クック:「あーあ。僕言ったもんね。明日空いてるよーとか迂闊に言ったらさ…。」


ハヅキ:「明日、朝から十連討伐任務!一緒に行こっか!はははっ!7時集合で、よろしく!」


コンガ:「ひ。ひえ~~~~!」(同時に)


サイレンス:「ひ。ひえ~~~~!」(同時に)












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