第24話 不法外国人を追い払え!

 新たに総理になった徳川家康は、海外との交渉や外国人に使われる国費に大いに憤りを感じていた。外務大臣には島津義弘が適任であるから変える必要はない。問題は意味不明の国費が外国人擁護に使われ、本当に苦しむ謙虚な国民に使われず、寧ろ日本国民には壁が高い生活保護や学校などの補助金が湯水のように流し込まれていることが悔やまれていた。その背後には、人権を口実に不届きな外国人を導き助ける可笑しな唾吐き連中が屯している厄介な問題があるのも気がかりな点だった。物事に動じず確固たる意志を持ったカリスマ性のある人物が必要だと感じていた。それも転生して、残された時間が迫っている中、適任者が見当たらないでいた。その時だった、ふと思いついた。家康は、生気を得るため設けられた祈禱室に出向き神仏に願い出た。

 「エロエムエッサイム」の呪文は、式神を使うには死者の精神が冥界(ドゥアト)へ入るための呪文を唱えた。願いは、瞬時に叶えられた。目の前に現れたのは、役を終えた豊臣秀吉だった。


秀吉「安らかに暮らせると思ったのに、何用じゃ」

家康「そうおっしゃるな。手伝って頂きたい」

秀吉「何なり言うがよい」

家康「厚生労働大臣をお願いしたい」

秀吉「相分かった。そういうことか」


 秀吉は、家康の思いを神仏から瞬時に刷り込まれた。徳川幕府は、国内外においてさまざまな問題を抱えていた。特に外交で直面している現実として次の二つがあげられた。その一つは、秀吉の対外政策が生成した東アジアの明出兵を行うことを宣言した。朝鮮緊張の解消である。秀吉は、全国統一の暁に「唐入」を宣言した。翌年島津

氏に明が日本との勘合を望むよう交渉を命じた。現在の朝鮮との問題の発端となった張本人とも言えなくない秀吉と義弘の二人に任せるのが手っ取り早いと考えたからだ。その意志を秀吉は受け取った。家康は、外国人に関する問題の支出を見直すため大胆な取り組みを秀吉に期待していた。


 秀吉は早速、無駄金の洗い出しに着手した。そこには驚きの無駄金が脅威の速さで国費を蝕んでる事実が顕わになっていた。まず、最近急増しているのが難民申請の内、生活困窮者に支給される保護費が爆増している事実だった。難民を装ってフルタイムの労働が認められている難民ビザが問題になっていた。仮放免制度の弊害だ。一時保護が目的だったが、意義を何度でも申し立てられ、その審議に時間が掛かる。その時間で生活苦になる。それを助けるという馬鹿げた制度だ。無制限の審査が三度までとなったが無駄金が駄々洩れなのは変わらない。秀吉は、まず、この申請を1回に定め、認められない者は強制送還させる。従わない者には、有無を言わず正に強制で行う。逆らう者は逮捕し、着の身着のまま出国に送り届ける。相手国が拒否しようが降ろして置き去りにする。相手国からクレームが入る出国させた者の責任だと応じないでいた。国際的批判は受けるが断じて応じなかった。最初は批判だったが、各国も同じ対策を取るようになった。同時に入国時の審査が強化され、観光目的で入り込み不法に滞在する者も同じく、強制送還された。その費用は国費だが惜しむ者ではない。寧ろ、入国時に強制送還費用を預かり、帰国時に返還する方法を取ることで、安易な入国を防いだ。99.7%認められない難民申請で国内に滞在させない方向にした。また、申請期間は、出歩けない収容施設内での生活を義務づけた。

 難民申請の判断も見直した。日本の難民定義とは、人種・宗教・国籍・特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受ける恐れがあるというもので国籍の外にある者であって、その国籍国の保護を受けることのできないかそれを望まない者とされている。戦争からの避難民は含まれていない。寧ろ追加されたのは最近の事だ。難民認定率は米国が58.5%だが日本は3.8%だ。最近は、技能実習などの安易な受け入れの方が問題になっていた。入国後の行方不明者がそのまま不法滞在者となり、子供を儲けたり、日本人と結婚して日本国性を得ようと暗躍している。幾ら日本で生まれてもまた育っても、元が不法滞在だから認められない判決はでているが強制送還にまでは至っていない。それを秀吉は、問答無用と強制送還させた。強制送還された者に罪があり、それを日本国が干渉する者ではないと国際批判を退けて見せた。

 秀吉は、外国人に対する国費の浪費の原因は、律嫌眠種党の前身である民主党がこの国を落とし込めるために難民申請すれば、半年もすれば働けるようにしたことが原因だと探り当てていた。律嫌眠種党・強酸党・零和新鮮も同罪であることを突き止めていた。

 難民申請中は申請者を送り返せない内容になっており乱用されたものを撤廃した。難民申請する者の理由は、本国で高利貸しからお金を借り、帰ったら殺されるとか、改宗したから殺されるという者もいるが実際の被害はないのが現実だ。現実であれば国際問題になっているだろうし、疑わしくは黒で入国さえさせない。そもそも船や徒歩で入国できない日本に飛行機のチケットを買って入国している時点で迫害を受けているとは言えないと秀吉は拒否して見せた。明らかに該当しない者は一回で送還とし、その手続きに時間が掛かることから入国すら出来ないように水際での対応を厳しくした。また、不法滞在者を取り締まる新たな部署も儲け、強制送還権を与え、対応の迅速化を図った。確保時の逃亡や暴行は一応審査されるが公務執行妨害で一発強制送還の理由とした。また、それを救済しようと動いた仲間や団体への罰則も強化し、協力者が外人の場合は即刻送還、日本の団体であれば、罰金や弁護士資格の剥奪も含め、人権だと安易に騒げないものにした。異議申し立てをビジネスにさせないというのが秀吉だった。強制送還を拒む者を制圧しようとすると「暴力だ」と訴える場合や仮病を発し、執行の停止を行ったり、仮釈放ビジネスで弁護士が暗躍する。秀吉は、無責任な弁護士に責任を負わせレため、預り金を設け、三度の取り逃がしで弁護士資格の停止または剥奪を設けた。

 特別永住者の権利も剥奪した。戦後、日本で生まれ育った者には自国か帰化を選ばせ、日本以外を選択した場合は、本人または国が渡航費を出し、送還するとした。出国の費用は居続けられる費用に比べ損金としては低い。そもそも、その多くが中国人・韓国人・ベトナム人であることから、その多くが高度技術者ではなく、排除するのに問題はないと考え、積極的に送還させた。日本では特別永住権者や定住者などの不法滞在者を取り締まる部署は、彼らにとっては狩られる様な恐怖感でしかなかった。国民からも情報を得て動いていた。就労や高度医療を受けるために訪日する不法者を徹底的に駆除していった。秀吉の行った行為によって、日本では不法入国者に冷たいとの印象が世界に広がった。

 先進国も日本の成功例を元に見習うように移民に厳しくなった。秀吉は、学校の補助金に関しても制度を強化した。学校経営が厳しいと外国人を受け入れ、補助金を受けている学校は、学校の生徒数10%以下と制度を強化した。そのお陰で、高校では○○国際高校は、廃校となった。また、高校野球などからは規約を守れない学校は排除された。小さなことでも「見得る化」を行い、民主党が乱した国内制度を次々に改めて行った。



 

 













(主な登場人物)

総理大臣に織田信長→豊臣秀吉→徳川家康

副総理に豊臣秀吉→徳川家康→明智光秀改め天海

幹事長に徳川家康→伊達政宗

政調会長・本田忠勝

財務大臣・小西行長

外務大臣・伊達政宗 伊達政宗→島津義弘外務大臣

国務大臣・明智光秀 明智光秀国務大臣→服部半蔵

奉行大臣・石田三成

資源大臣・加藤清正

渉外大臣・黒田官兵衛 黒田官兵衛渉外大臣

経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」

侍日本党副幹事長・細川ガラシャ

厚生労働省・豊臣秀吉


律嫌眠種党

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