第21話 密偵は二重国籍
神仏は新たな武将関連の人物を補欠選挙を利用して送り込んだ。神仏は悩んでいた。候補者は春日局と細川ガラシャだった。経済安全保障担当大臣・お江の手助け、後方支援を担わそうとしていた。そう考えた時、春日局では生前の経緯から対立の恐れが噴出しかねないという懸念から、光秀と関りのある細川ガラシャが選ばれた。ガラシャは侍日本党副幹事長として就任した。ガラシャは自らが米国と日本の二重国籍である状態に気づき、現状を報告した後、日本国籍を選択したことを公表した。
細川ガラシャが転生したことで転生した武将たちの時間が大幅に進んだ。そこには安定政権を望む神仏の思惑があった。
豊臣秀吉はガラシャが補欠選挙に出馬した時より体調が優れない状態が続いていた。秀吉本人も家康への移行を感じ取っていた最中に戦国時代に豊臣家と関わりがあり、非業の死を迎えたガラシャの転生は、自分の時代の終わりを告げるものと感じ取っていた。秀吉は家康を呼び出した。
秀吉「光秀の娘が転生しよったわ。わしの時代は終えた。後は頼んだぞ」
家康「謹んでお受け致します」
秀吉「うん」
秀吉は外交面で成果を上げるも、前政権の宿題でる移民問題や税金問題、派閥争いの汚名を着せられたまま内乱の瓦版の印象操作もあり、悪いイメージを払拭するためにも秀吉は潔く身を引く、選択を行った。表面上は体調不良による引退として報じられた。それに伴い、家康が総理大臣となり、副総理には明智光秀改め天海が就いた。
明智光に変わり服部半蔵が国務大臣に就いた。
細川ガラシャは外交防衛委員長、防衛大臣政務官、法務大臣政務官など防衛・外交を早回しで時を走り抜け、知識を得ていた。ガラシャは国会議員の素性がこの国を混乱に巻き込んでいると考え、可笑しな輩が曖昧にしてきた議員の資格に踏み込んでみせた。そのターゲットになったのが後に東京都知事選に立候補し敗れることになる律嫌眠種党の二重国籍を正当化する露連峰氏への質問だった。細川ガラシャは、愛国とは日本に惜しみなく真摯に尽くすことであり、他の国の顔色を伺う事でなく、ましてや自国の力を削ぐような行為を犯すものではないという強い意志かあら、なりすましの議員の一掃を目論んでいた。情けないと言うか愚かと言うか、日本は他国の利益のために尽力する傾向の裏には、二重国籍やご都合主義の末の帰化議員が歴然と存在する有様だった。ガラシャは日本国内に寄生する害虫を一掃する第一弾として、選挙に出る際の身元・素性を公開する義務を課すために動き始めた。
細 川「国籍法14条の義務である日本国籍の選択を行ったどうかは戸籍謄本にしか
記載されない。戸籍謄本を日本国の税金や法を直接的・間接的に行う議員で
あれば公開して然りべきであり、なんら不都合はないと考えるがどうか」
との問いに日本に帰化しながら自らを華人だと豪語する露連峰は反論する。
露連峰「プライバシーの侵害だ。自らの戸籍を差別主義者や排外主義者に言われて公
開するようなことがあってはいけない」
と逃げの姿勢を見せた。それは日本国籍を取得しても後ろめたさがあるから公表することはできない。すれば、自分自身の思想に反する。正しく言えば、本来、愛国を示す国を侮辱する行為に値すると告白したのと同じだった。
細 川「公職選挙法および国籍法に違反しているかどうかの話をしている。犯罪行為
をしていないか確認しているんです。差別の話でなく違法かの話だ。問題を
摩り替えるではない」
露連峰の思考はクレーマー気質であり、論破されることは日常茶飯事。律嫌眠種党の前身である民主党によって作り上げられたインフルエンサー的議員の本性が炙り出され、返答する知識も弁もなく、般若の醜い面で沈黙するしかなかった。
細 川「露連峰さんは北京大学に留学されているそうですが台湾人には敵わない。中
酷人だけができること。国籍が中酷だからできたと考えられる。あなたの母
国の中酷でも中酷議員が都知事選出場と言われている。また、日本の破壊を
叫ぶ日本強酸党から熱い支援を受けられている。あなたがこの国の議員であ
ることが正しいのか早急に審査することになる。また、所属されている律嫌
眠種党に置かれては、法に触れた議員を認めたことで同罪と見做されても文
句は言えないと考える。事実無根と言うならば自ら潔白を証明されるのが
政党責任ではないかと強く問い質したい」
と断じて見せた。細川ガラシャも転生する際、複雑な状態にあった。米国との二重国籍状態にあったのだ。細川玉からキリスト教の洗礼を受け、一度は米国籍になろうと保留したままだったものを明確に決着をつけていた。後に手続きを行い二重国籍の疑いを解くように、戸籍謄本を自身のSNSで公表している。隠さなければならないものがなければ、動じる必要も弁解も必要がない。それにも関わらず、ひた隠しに海斗を避ける背後には、公にできない事実があることを物語っていた。
理攻めしてくるガラシャに対して露連峰は、人権だ・差別だと逃げる一方で日本への忠誠心を口にすること自体が本来の国籍を汚す行為とガラシャの質問にまともに答えない姿勢を貫いた。これは単に露連峰を問い質したものだけでなく、なりすましの議員に楔を打ち込むものであった。
(主な登場人物)
総理大臣に織田信長→豊臣秀吉→徳川家康
副総理に豊臣秀吉→徳川家康→明智光秀改め天海
幹事長に徳川家康→伊達政宗
政調会長・本田忠勝
財務大臣・小西行長
外務大臣・伊達政宗 伊達政宗→島津義弘外務大臣
国務大臣・明智光秀 明智光秀国務大臣→服部半蔵
奉行大臣・石田三成
資源大臣・加藤清正
渉外大臣・黒田官兵衛 黒田官兵衛渉外大臣
経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」
侍日本党副幹事長・細川ガラシャ
律嫌眠種党
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