第19話 中酷企業のリスク(後)
光秀が口を開こうとしていたまさにその裏で、日本の規制で最も自由に表現できる
25251動画がサイバー攻撃を受けていた。
25251動画がサイバー攻撃を受けた理由は、その自由さにあった。metubeは何かと配慮の壁が厚く規制が多い。禁止ワードや表現が多く、全く自由表現からは懸け離れていた。ポリコレなどに独自の考えではなく世界の風潮に配慮しすぎたせいでドラマや映画を配信するコンテンツの視聴者が激減して、詰まらないことを大声で喚き叫ぶ輩に押され、視聴者の感覚を無視したことに気づかされることになる。metubeでは語れないことを話せるのが25251生のいい所だ。有料会員を採用することで限定空間を提供してくれる。特にmetubeから政治系の発信者が移行してきたことに要因があるのではと憶測される。
中酷は自国の経済的没落を必死に国家を上げて拡散を抑え込んでいる。広告を提供することで運営側を支配し、都合の割情報を削除されせている疑いが拭えない。25251生では中酷にとって拡散されては拙い情報が飛び交っている。お江が懸念していた事態が現実に起きたことになっていた。サーバー攻撃は遠隔で行われ、鼬ごっこのように対応に追われていた。
国務大臣・明智光秀が披露した懸念は恐ろしいものだった。
台湾有事に関わるものだった。夕暮れ時、変電所からの送電が停止した。沖縄本島南部は全域が大規模停電に陥った。沖縄だけでは対応できず、東京から専門チームが送られた。電力が停止し、自衛隊や米軍の基地は自家発電に追いやられた。衛星通信網も障害を起こし始める。中酷による台湾侵攻事前攻撃だった。日本も米国同様に感染したネットワーク機器を特定し、マルウェア(悪言いあるプログラム)を削除できる能動的サイバー防御の制度を整える必要があった。
日本では名古屋港のコンテナ管理システムがウィルスに感染さ、コンテナの搬出入が停止するなど被害が出た。JR東日本のモバイルスイカで通常とは異なるアクセスが見られ、電子マネーのチャージが出来ない問題も起こっている。対策強化にはもう時間がないのが現実だ。
ウクライナ侵攻を行った露西亜を支援していると名指しで、米国、英国、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、フランスからなるG7は首脳声明を出した。単なる声明には留まらない。中酷の行動が国際社会の安定と安全に対する重大な脅威であると印しただけでなく非難した。中酷のロシアへの供与がウクライナ侵攻を長引かせていると断言したことになる。敵は中酷だと共通の認識を示した形になる。これにより、中酷への追加制裁処置が検討され、中酷企業や金融機関への経済制裁、技術移転の制限などが図られる。さらに中酷に対し、新疆ウイグル自治区や香港での民主主義弾圧など広範な人権侵害も問題視し、国際的な圧力を強化する意図を示した。
お江の目指していた名指しの批判・警戒が間違いなく進行していた。国際社会においてはこうした動きは、圧力として働くことが多く、対象国の政策見直しに追い込むこともあり、またG7の連携の強化をアピールすることで国際社会に大きな影響を与えることになる。非難が国際的制裁や経済的圧力と組み合わさることで、その効果が高まる。中酷が露西亜との関連を維持すれば、中酷の金融機関をG7の金融ネットワークから締め出すこともあり得る。中酷を含む第三国の個人・団体に対してG7の金融システムへのアクセスを制限するということだ。G7はあからさまに中酷を名指しして非難するのは、中酷依存からの脱却を宣言したのも同じだ。
中酷による武器転用可能な部品の露西亜への輸出は2021年度の23%か2023年度は89%に急増している。口座取引でも中酷は露西亜を助けていることが判明。露西亜の主要銀行を国際銀行間通信協会から露西亜を遮断したのに対し、露西亜は中酷の銀行口座を開くなどして取引を継続している。これらは中酷が欧米の安全保障を脅かすだけでなく、中酷による南シナ海や東シナ海における海洋進出はインド太平洋情勢にも大きな影を落としていると制裁処置の重要性を強調している。
G7側の懸念は、過剰な中酷依存で身動きできないドイツが足並みを鈍化させていることだ。とは言っても、中酷と同じようにサプライチェーンから外されれば、半導体が手に入らず、ドイツ自体が亡ぶ。ドイツにとっては前門の虎後門の狼だ。
露西亜と中酷はG7に対抗しようとBRICSを推進し基軸通貨のドルを他の通貨に置き換えようと企むが、民主主義でなければ一人当たりのGDPが1万ドル台を長期に渡って超えることがないのは明らかだ。一見発展しそうだが発展しない産油国を除いては経済構造の異なりや腐敗政治の烏合の衆では、中所得国の罠と呼ばれる現象がそこにはあるのも事実だ。
BRICSがG7に取って代われる団結力がない以上、夢見る絵図は、絵に描いた餅に過ぎない。
(登場人物)
総理大臣に織田信長→豊臣秀吉
副総理に豊臣秀吉→徳川家康
幹事長に徳川家康→伊達政宗
政調会長に本田忠勝
財務大臣に小西行長
外務大臣に伊達政宗 伊達政宗→島津義弘外務大臣
国務大臣に明智光秀 明智光秀国務大臣
奉行大臣に石田三成
資源大臣・加藤清正
渉外大臣・黒田官兵衛 黒田官兵衛渉外大臣
経済安全保障担当大臣・お江「崇源院」
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