第14話
「ねえ、今日も泊まってく?」この流れだとどうせ泊まるんだから早く寝ようと布団を敷き始めた穂乃果は、サークルのさぼりの件から出会った学部違いの子だ。あれ以来すっかり意気投合した私達はサークルをやめた。そして同じアルバイトをはじめ、その稼ぎで服を買ったり、旅行へ出かけた。穂乃果は年上の姉がいるせいか、遊び方や服が少し大人びていた。アルバイト先も穂乃果が決めた所で、一緒に面接へ行き採用された。穂乃果は他にもケーキ屋でアルバイトをしていて、私と同じ方にはあまり顔を出さなかった。大学に入ってから一番と言っていいほど仲が良くなり、気の合う穂乃果の家に私は入り浸っていた。場所は違うがお互いに地方出身で、一人暮らしの心細さが私達を引き寄せていたのかもしれない。私はボロアパートだったが、箱入り娘の穂乃果はオートロックのついたシステムキッチンのあるマンションに住んでいた。穂乃果に影響されることは多く、服に興味のなかった私は彼女のテリトリーで目を肥やしながら被らないように服を買ったり、言葉遣いが怖いと言われれば雑な言葉遣いを気をつけて直した。彼女は彼女で周りにいなかったタイプの私に影響されて、色々な所に出かけては東京に染まっていく。そうして、まるで姉妹のようにいつも一緒に居た。
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