第18話 ゴーレム戦

 俺はまず足を慣れて行く為、冒険者協会に行って依頼を受けた。薬草取りをして、スライムやゴブリン、ウルフを狩った。


 いつも通り依頼を受けているつもりなんだけど、服装がゴスロリになってから周囲の視線が気になるようになった。しかもパーティーに誘われたこともあった。しかし、


「ごめんなさい。私じゃ足を引っ張るだけです。他を当たって下さい」


 と丁寧に断り続けた。


 それとあれからペペノンさんの所に行っている。乙女にしてくれるとのことで、その講習(?)を受ける為である。

 姿勢や足、仕草等をペペノンさんから学んだ。ちなみにペペノンさんに冒険者協会のことを話すと、


『あら、人気者になったのね。気にしなくても、いずれ慣れていくわよ』


 とのことで気にしない方向にしたのだった。


 こうして過ごしていく内に時間はどんどん進んでいく。気が付けば、イベント前日だった。




 イベント前日。俺はフィールドモンスターを倒しに歩いていた。

 フィールドモンスターは、名の通りフィールドにいるモンスターで、通常のモンスターよりも強い。俺はPVP前の腕試しとして倒そうと考えたのだ。

 そして今は森の中で、広場と思われる場所に到着した。そこには1体の『ゴーレム』がいた。


「いたわね。それじゃ、行ってくるわ」


「頑張ってね、チサキ!」


 今回はエリスの援護は無しで行く。本番のイベントでも使えないからだ。

 俺はゴーレムと向き合う。ゴーレムは私が一歩踏み出した瞬間、動きは鈍いが立ち上がった。


「やりましょうか、ゴーレム」


「――っ!」


 ゴーレムは迎撃態勢に入る。腕を大きく振り上げて、私に向かって振り下ろす。動きは遅いから見てから回避は余裕だった。


「【身体強化】【エンチャント(風)】 ふっ!」


 大鎌に風を纏わせて、ゴーレムを切り裂いていく。風がゴーレムを体を削っていく。クリティカルも発生してダメージを通していく。


「まだまだ!」


 大鎌での連撃を決めていく。ゴーレムは徐々に傷付いていく。それでもゴーレムは抗うことは止めなかった。俺も本気で行かせてもらう。


「【ツインエンチャント】闇、炎」


 黒炎が大鎌に纏う。俺はゴーレムに近付いて、大鎌を振るう。ゴーレムの右腕を吹き飛ばした。ゴーレムは左腕を振り下ろすが、俺はゴーレムを蹴って下がった。

 俺はゴーレムに再度近付いて、左腕を切り落とす。


「やあああっ!!」


 レッドサイズを交差するように切り裂いた。ゴーレムの胴体を切り裂いた。ゴーレムのHPが0になる。黒炎の柱が立ち、ゴーレムを飲み込んだ。ゴーレムは消滅する。


「チサキ!」


「なんとか倒せたわ」


「やったね!」


「ええ。動きも以前、いやそれ以上に動くようになった。これなら大丈夫かもしれないわ」


 俺はヒールでの動きにも慣れてきた。これならイベントで何かあっても大丈夫だろう。


「楽しみだわ。……貴女もそう思ってくれたら嬉しい、アリサさん」


 イベント当日が楽しみである。




ーーーーーーーーー


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

よろしければフォロー登録と☆☆☆から評価をお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る