心霊(幽霊)体験談
鳥越敦司
第1話
心霊(幽霊)体験談。実話です。
心霊、あるいは幽霊といってもいい。私も三十四、五歳まではこの幽霊が全く見えなかった。正確に何月に見たかを忘れてしまったので、どちらの歳かは、はっきりしないのだが。とにかく、子供の頃より幽霊の話なんて誰でも見聞きするし知っているものである。それで、私も幽霊が見えないかなと思っていたが、何処でも全く見ることはなかった。それで、幽霊なんて存在するのか、と思ったりした事もあった。でも、幽霊の体験談なんて結構あって、本当にあるのだろうとは思っていたのだが、それでも実際に見たことはなかったのである。
そして私も三十四、五歳になってしまった。その頃、新聞配達をしていたので、朝は三時には起きてバイクで新聞販売店へ向かう毎日を送っていた。私生活では心霊写真の本など見ていたのである。
ある朝、といっても三時で夜明け前の真っ暗な時間に、いつものようにバイクに乗り販売店に向かっていた。住宅地の家が多い小さな道を国道に出るまで走っていると、ある曲がり角に来たときにいたのだ。季節は冬だった。それなのに半そでの白い薄い衣装で何か外国人の若い女性みたいな人が立っていたのだ。私は、ついに出たと思った。何か透けそうな感じで肉体といった感じではない。少しその女性は、ゆらりと動いた。神秘的な感じではあった。だが、仕事に行っているので停まるわけにいかず、そこを通り過ぎていった。
幽霊を見て発狂した人もいる。私も心霊写真を多数見ていなかったら、おかしくなったかもしれない。この世のものではない感じ、は確かに頭がおかしくなりそうなのだ。
それから数日後、同じように夜明け前にバイクで仕事に向かっていると、とある家から小さな子供が何人も出てきた。私はお通夜かな、と思ったのだが、後で考えるとお通夜でも子供が夜中の三時過ぎに起きていて、家の外に出てくるだろうかと思うと、あれは心霊だったのでは、と思うのである。
それからしばらくして、今度は新聞配達の途中、まだ夜は明けていない頃にある家の近くに来たら、向こうから着物を来た老女がすすすすすと地面をすべるように歩いて来た。そして右に曲がってある家の中に入って行った。後からそこを通るときにその女性が入って行った場所を見ると、そこは全部壁で入り口は一つもなかったのだ。間違いなく幽霊だろう。
この三つはいずれも夜明け前である。心霊というか幽霊は、もしかしたら明るいところには出てこないのではないかと思ったりする。
さて、幽霊と湿気については関係があるとも言われる。例えばタクシーの運転手が女性を乗せて、後でいなくなったのに気づいた時に、座っていたシートは濡れていたとかいう話がある。私が東京都町田市のマンションで部屋の中に観葉植物など湿気が高くなるもの、容器に水をいれて置いていたりもした時にある夜、ふっと何かが部屋に入ってくる気配がした。私は布団に寝ていたが、いきなり両手を押さえつけられた感じがした。でも、その時は何も見えなかった。そのうち、その何者かは出て行ったのだろう、両手は自由になっ
た。それで、湿気と関係があるのかなと思い、水やなんかを捨ててしまったら、二度とそういう事は起こらなかった。
今、これを書いている時、外は雨が降っている。昨日は一日中雨だった。こういう時こそこんな話、実話を書いてみたくなるのも心霊、幽霊は湿気を好むのかもしれない。
最初の実話は福岡県福岡市、もっと書けば早良区での話である。ほんとに私はそれまで幽霊を見なかった。華厳の滝に行っても何も見えなかったし、何も感じなかった。自殺の衝動にも駆られなかった。
初めて見てからは、その後、神社などに行くと拝殿のところで神霊と思われる人の姿を見たりするようにもなったのだが、最近は神社にも行かないので神霊を見ることもなくなった。
又、機会があれば書いてみることにする。
心霊(幽霊)体験談 鳥越敦司 @dontanine
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