タオルに付いていたのは???
私は、帰路に着こうと、地下鉄の駅に向かった・・・しかし。
洗濯して、後日返す予定のタオルを見たとき・・・
「あっ!あれ?何これ?」
借りたときには気づかなかったのだが、かなり高価なヘアピンが、花柄の付いたヘアピンだった。
「ウソ!こんなのあったっけ、これは、すぐに返さないと!」
そう言いながら、彼女の家に戻ることに。
私は、小走りで、下駄をならしながら、6~7分で彼女の家に向かった。
「ハア ハア ハア ハア ハア!た・・確かここだった・・ハア ハア ハア」
息を切らしながら、彼女の家に到着。
ピンポーン!
呼び鈴を鳴らすと、母親と思われる女性が。
「はい!どちら様?」
「あっ!夜分遅くスミマセン!今日、こちらの彩也香さんと花火を見ました、明彦ですが!」
それを聞いた母親は。
「あなた!何を言っているの?」
「えっ?彩也香さんのお宅ですよね?・・・今日、一緒に花火大会を見たのですが、その時、タオルを貸してくれて、・・・そこにこんな立派なヘアピンが・・・」
それを聞いた母親は、タオルとヘアピンを受け取り、泣き崩れた。
そこへ、今度は父親らしき男性が・・・
「おい!どうした?・・・なんだ?、あんた、誰だい?」
「さ・・彩也香が・・・彩也香が帰ってきたのよ、これ見て、彩也香の、あのタオルと、ヘアピンが・・・」
「なんだと!ウソだろ!あんた、これ、どうしたんだい?」
「あっ!いえ!今日、彩也香さんに誘われて、一緒に花火を見て、・・・その時に・・彩也香さんからタオルを借りて・・・・」
「まあ!兄さん、上がってくれ。」
「えっ!」
「いいから!来てくれないか!」
「は・・はい!お邪魔します!」
私はそう言って、家に上がり、ある場所に連れていかれた、そこには・・・。
仏壇と、彩也香さんの遺影が・・・
父親は、その仏壇の前で、泣きながら。
「彩也香、今日花火大会、行きたかったんだな!」
私は、驚いた。聞けば、彩也香さんは、半年前、ジョギング中、突然倒れて、帰らぬ人に。
心臓発作を起こしたと言う。
病院に運ばれたとき、もう意識がなかったと言う。
その時、マフラータオルとして、赤いタオル持って、髪には、高価なヘアピンをしていたのだったが。その当時それが見つからなかったと言う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます