第28話

 どんな事にも全力を出せない人間は何処に行っても中途半端に終わる。

 そう、言われた事が在った。

 僕にとって、それは死刑判決に等しい一言であり。

 それが、六度の内の三度目の自殺未遂に繋がった。

 世界は絶望に満ちている。

 特に僕のような終わった人間にとって、この世界は絶望だらけだ。

 他の誰かとは生きている世界が違うんじゃないかと言う錯覚に苛まれる事が良くある。世界は同じでも、存在している世界軸が異なっているのではないかという疑念。僕には相手が見えるけれど、相手からは僕は見えていないのではないかと。そう、思ってしまう事が多い。

 何かを欲しがり手を伸ばしても、絶対に届かない。

 生前から、そうだったが。

 死んでからは、よりそれが顕著になった。

 全力を出せない人間は、何をやっても中途半端。

 死にぞこないの僕を此処まで上手く表現する言葉は無いだろう。

 所詮、僕は何処まで行ってもこの自殺歴が付いて来る。

 常に付きまとう死の誘惑に抗い、死なないだけで精一杯なのだ。

 死にたい。

 もう、終わりにしてしまいたい。

 けれど。

 僕が死ぬ時は。

 お前等も、死ぬ時だ。

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