第26話 日本最強の怨霊
◇
「あれあれー?なんだか神降ろしの調子が悪いなあ?ノイズが走るなあ?ノイズが走るなあ?」
「ノイズ走るのは食べ過ぎだからじゃろ。ダメじゃぞ?栄養バランスも考えんで美味しい物だけバクバク食べるのは。肉より菜を多く食べよの言葉が示すのは様々な色を摂取せよとの事であり、事実として野菜の色素には様々な薬効が含まれているんじゃぞ?」
「あれ?キャラ作りやってる場合じゃねえぐらいにノイズが走りますね。完全に〈アマテラス〉が電波妨害されてるみたいになってるんですけど?」
「…いかん。ヒーラーに影響が出るまでに強く殿が妖怪化しておるか…。じゃからワシは研修会なんぞに出向くのは反対じゃったんじゃ。加害者一派の主犯格なんぞと直接対峙すれば憎しみを抑えるなんて事が出来ないのは当たり前じゃろうに。ヒーラーは此処で待つんじゃぞ!」
「メインヒロインにただ待ってろってかぁ?私は現場に出るぞぉ、本多ぁ?なんかすっげえ調子悪いけど、ヒメちゃんはいつも元気いっぱいなのがウリなんだぞぉ?」
「殿の妖怪モードはアンチアマテラスじゃ。良いから殿の家を護っておれ。イジメが生み出す妖怪のハイエンド、それが殿が宿した妖怪。イジメ自殺という概念が齎す怒りが形になった存在じゃ。あの妖怪が周囲に与えるのは害ではない。呪いじゃ。名を呼ぶだけで祟られるような〈日本最強の怨霊〉が外に出てきてしもうた。リーダー研修会に介入しないという約束は反故じゃな。これより我等本丸勢力は総出で出陣し殿を討つ。どうせ、武田が古傷を抉ったのが原因なんじゃろうが」
「あれれ?会長さんの妖怪モードって火を使う妖怪なんでしょ?」
「それも京を焼き尽くした炎じゃ。安元大火・太郎焼亡。治承大火・次郎焼亡。どちらも御所に迫る大火事でのう…。天皇の時代を終わらせ、武士の時代を始めた妖怪とも称され、今現在はこの国を護る守護神として祀られておる。殿の妖怪モードは火を使う妖怪ではない。火を統べる妖怪だと知っておくんじゃな」
「イフリートみてえなもんっすかね!」
「イフリートなら、まだ良かったんじゃが…」
「んじゃ尚更行かなくちゃならねーでしょ!ホラホラ、ボサッとすんな!」
「あっ⁉じゃからヒーラーは現場に出るなとワシは言って_。」
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