我ら新生暗黒深淵団。世界征服をもって成し遂げる。

 その日はエステルが治める村で収穫祭が行われ、素晴らしい一日で終わる筈だった。


 ここ数年は森の恵みが安定しなかったが、今年は十分な食料を確保できたので、村は慎ましくも和気藹々とした雰囲気となっている。


「おい、どうすんだ? やるのか?」


「おう! 今年こそエステル様に……!」


 村人全員が花の冠を頭に乗せて歌い騒ぐ雰囲気ともなれば、独身の男達もソワソワするものである。


 ましてやエルフから見ても美しさが極まっているエステルがいるのだから、男達が興奮しているのも無理はない。


「あはは!」


 そんなエステルは微笑む妹のイネスと手を繋ぎ、他のエルフと同じように花の冠を身に着けて、単純にくるくると踊っていた。


 そこにダンスの技巧などというものはないが、仲の良い姉妹ということが十分に分かる光景だ。


(ずっと……ずっとこんな日が続けばいいのに……)


 怜悧な顔を僅かに緩ませているエステルは、心の中でこの穏やかな日常がずっと続けばいいのにと願った。


 しかしその願いを受け取ったはずの世界はどこまでも残酷だ。


「えっ!?」


「なんだぁ!?」


「これは!?」


 突然の出来事に慌てふためくエルフ達。


 小さな集落をぐるりと囲むように真っ黒な炎が燃え盛っており、一瞬で彼らは閉じ込められてしまったのだ。


「こんな辺鄙なとこまで探す羽目になったんだから、失敗したら許さないんだからねー」


 それと同時に甘ったるい猫なで声が発せられるとともに、黒い炎から怪物達が飛び出してきた。


 山羊だ。


 そこらの人間よりも大きく逞しい、筋繊維の塊のような二足歩行の山羊。


『オオオオオオオ!』


 なにも身に纏っていない人型の黒山羊が……数十体のデビルが血走った眼を美しきエルフ達に向ける。


「デビルだ!」


 その姿を見たエルフ達が恐慌を起こす。


 デビルに会ったなら逃げろ。もしくは諦めろというのは、人間だけではなくエルフでも共通する意見だ。


 通常とは異なる次元に生息している筈の生物達は、なんらかの契約によってこの世界に現れることがあるものの、大抵は碌でもない殺戮と破壊を巻き起こす。


 なにせ単なるデビルを殺すのに、戦場を駆けまわった歴戦の戦士を数十人はかき集めて、ようやく対抗できるか、もしくは全滅してしまうような怪物なのである。


 それは人間だけでなく、エルフにとっても同じだ。


 ましてやこの集落にいるのは争いを避けて生活しているエルフであり、なにかから逃げた経験はあっても正面から戦った経験は乏しい。


「死ねデビル!」


 それでもエルフが魔法で弓矢を生み出し攻撃したのは、人間よりも優れた能力を持っているためだろう。


「そんな!?」


 だが風の魔力を帯びて貫通力もある弓矢を受けてなお、山羊のデビルはなんの痛痒も感じてないかのようにエルフへ飛び掛かり、拘束力のある奇妙な赤黒い魔法陣を押し付けて、エルフから自由を奪っていく。


「命の光よ!」


『グゴッ!?』


 そんな中で唯一対抗できているのがエステルの魔法だ。


 自然の力を宿して輝くエステルの魔法が直撃したデビルは、光の粒となって元居た魔界に強制送還されてしまう。


「エステル様に続け!」


「デビルを追い払うんだ!」


 続けてデビルを打ち払っていくエステルに勇気づけられたエルフ達も、なんとか体勢を立て直して奮戦しようとした。


 だが……悲しいことに頑張りだけでなんとかなるほど世界は優しくない。


「マジ!? ひょっとしてハイエルフ!? ラッキー!」


 興奮した声と共に、桃色の髪と蠱惑の甘ったるい香りが振りまかれる。


 勇戦するエステルの前に現れたのは、別次元でビキニの水着と呼称されるような際どい服装をした、桃色の髪の女だ。


 そのスタイルはエステルにも劣っていない童顔の女だが、違うところがあるとすれば頭から山羊の捻じれた角が生えていることだろう。


「デビルがこんなにはっきり言葉を!?」


「あは! もっと怯えていいよー!」


 山羊のデビルに交じって、山羊の角が生えている女がいるとなれば、彼女もデビルと判断するのが普通だ。


 しかしエルフにとって災難なことに、人語を話すデビルはそれだけ高度な知性と力を持つ証であり、強力なことが多かった。


「命の光よ!」


「あははははは!」


「通じない!?」


 そしてこの女デビルも例に漏れない。


 エステルは再び光の魔法を放つが、山羊のデビルは容易く倒せたその力は、女デビルに直撃しても何の変化も起こさなかった。


「あははははは! 見た目通り弱い力! 戦ったことが殆どないでしょ!」


「くっ!」


 女デビルはエステルを嬲るように突っ立ったままケラケラと笑い、彼女の未熟を指摘する。


「ま! 頑張ったら結構いい感じになりそうだけどざーんねん! もう頑張る機会なんてありませーん! あはははは!」


「光よ!」


「無駄なんだって! 上位デビルとこの世界の住人の肉体スペックの差なんて分かりきってるでしょ? トカゲとドラゴンくらい違うのに!」


 女デビルはエステルの魔法を無視しながら、あっという間に距離を詰めて至近距離でニタニタと笑い続ける。


「え? あれ!?」


 だがエステルの後ろにいたイネスに気が付くと、心底驚愕した声を漏らす。


 これはイネスの秘めた力に驚愕したからなんてものではない。


「マジー!? ハイエルフが二人もいるんなら、貰うのも二人にしとけばよかったー! もー! 失敗したー! あはははははははははは!」


「ひっ!?」


 狂気すら溢れる女デビルの顔を見てしまったイネスは悲鳴を漏らす。


「じゃあ動かないでねー。逆らった奴の手足を斬るくらいは許可されてるからさー、素直になってくれないと凄いことになっちゃうよ?」


「うっ!?」


「きゃっ!?」


 女デビルがパチンと指を鳴らすと、エステルとイネスは血の気が引いた。


 単に他のエルフと同じように両手を奇妙な魔法陣で拘束されただけではない。


 彼女達が先ほどまで来ていたドレスは跡形もなく、一瞬でどこかの後宮の踊り子が身に着けているような、豪奢な金細工と宝石、薄い布が合わさった体の一部しか隠せない装飾を着せられていた。


 しかもエルフを捕らえ終えた山羊デビルも合流し、涎を垂らしながら血走った目である種のショーを見ていた。


「エステル様! イネス様!」


 それは両手を魔法陣で拘束されたエルフ達も同じで、怯えと絶望の籠った瞳で見ていることしかできない。


「私ってば、一人だけ気に入ったのを好きにしていいって条件で、エルフを捕縛する契約を結んでるんだー」


 エステルもイネスも屈辱と羞恥で顔が歪み、拘束された腕で少しでも肌を隠そうとしていたが、その様子が面白くて堪らないとばかりに女デビルはにやける。


 そして彼女達に運命の選択を突きつけた。


「だから片方は契約通り人間さんにプレゼントしてー、もう片方は頑張ってくれた山羊さん達の相手をしてほしいのー。どっちがマシかは正直に言うと、壊れない程度にずっと大事に扱ってくれる人間さんだと思う。ってか間違いないって断言してもいいかな? ね? どっちが私のお気に入りに立候補してくれる?」


 女デビルはエステルとイネスに絆があることを見抜き提案をしたが、選択にもなっていない。悪魔の好きにされるなど、数日で精神が壊れてしまうことが分かっている。


 だからエステルにとって……イネスにとって答えは一つだ。


「私が!」


「だめ姉様! 私が! 私がなります!」


「あはははは! そんな、両方立候補されたら困っちゃうなあ!」


 庇い合う二人に女デビルは困ったといいながら、実に楽し気に笑う。


「あ、そうだ! 旦那さんか彼氏の意見も聞いてみようか! え?」


 そしてまた面白いことを思いついたとばかりに手を叩いたが、戸惑ったような二人のハイエルフの瞳を見て首を傾げてしまう。


「……ほえ? え? いないの? そんな顔と体なのに? え? ちっちゃい子の方も可愛い顔してるんだから彼氏くらいいるでしょ? マジ?」


 女デビルはエステルの体とイネスの顔を見ながら心底困惑した声を漏らしたが、本当にそういった関係の人物がいないのだと察する。


「はえー。ここ百年で一番びっくりしたかも。夢魔の連中だって聞き間違いだって思うよ。本当に。でも安心して! こっちの子達はすっごく積極的だから、へなちょこで手を出さなかった男とは違うよ! ねー!」


『オオオオオオ!』


 女デビルの言葉に山羊達が雄叫びを上げる。


「さーて。どっちをお気に入りにしちゃおっかなー」


「お願いです! 私を気に入ってください! どうか!」


「私です! 私が!」


「うんうん。その気持ちはすっごく嬉しい! でも決めるのはこの子達だからなあ。どうしたらいいのかなあ。あ、そうだ。とっても激しく踊ったりー。とっても丁寧にお願いしたりー。とってもとっても山羊ちゃん達を褒めてあげたら気に入ってもらえるかも! つまり誘惑だよ! ゆ、う、わ、く!」


 互いに庇い合うエステルとイネスに慈母のような表情を形作る女デビルだが、言葉の内容はまさに悪魔極まる。


 だがそんな経験が無かろうとやらなければ、姉が、妹が魔界に連れ去られ、肉体だけではなく魂まで未来永劫に渡って責め抜かれてしまう。


 だからなりふり構わず踊り、デビル達を褒め称え、這い蹲ってでも家族を守るため、全ての尊厳を捨て去ろうとした。


 次の瞬間!


「待てえええぇえい!」


 突如、辺りに声が響き渡った!


 そう! ヒーローがこのような暴虐を見過ごす訳がないのである!


「この場は悪の組織、新生暗黒深淵団首領のシエンが預かった! でもちょっと待って……ぜー! ぜー! 久しぶりに稼働した不幸&悪行センサーにお前らが引っかかって急いできたから……ぜーぜー! ちょっと、いや大分……ひーひー! 疲れたから待って!」


 ヒーローではなかった。女デビルと比べたら相対的にマシに見えるだけの馬鹿だ。


 新生暗黒深淵団首領シエンが、息も絶え絶えで蹲っている戦闘員を引き連れて、自身もベージュ色のいかにもな探検服で汗を拭っていた。


「よし、もう大丈夫……どう見たって犯罪現場なのは見たら分かるけど、俺ですらくっそ疲れるようなところまで人攫いしに来るんじゃねえよ! 馬鹿じゃねえの!? うちのジジババ戦闘員ですら疲れて、途中で姥捨て山みたいになる寸前だっただろうが!」


 そしてシエンは理不尽な文句を垂れ流し、地団駄を踏み始める。


 だがどう見たって着たくもない衣装を着せられているエステルとイネス。両手を魔法陣で拘束されているエルフはしっかりと視界に収めていた。


「ほら言い訳してみろ人攫い!」


「エルフは人間に売り飛ばしてー。こっちの可愛い女の子達を嬲って楽しんでまーす! そんでおチビちゃんとよく分からない変装集団は死んでもらおっかなー!」


「素直な返答ありがとよ! そのエルフはバナナ農園で働く予定なんだから、連れていくことなんて許さん!」


「はい?」


「バナナだよバ! ナ! ナ! バブル前なら一房買うだけで月給の十分の一は吹っ飛ぶような超高級品だ!エルフってのは自然と生きてるって話だからよお、桃栗柿からバナナまで育てるのは余裕だろ! そっから発展した、驚愕! 世界高級果物独占計画! の達成を邪魔するなら何人たりとも許さんぞ!」


(全く分かんないんだけどなに言ってんのコイツ?)


 人里から遠く離れた森の奥深くにあるエルフの集落にやって来て、突然訳の分からないことを言い始めた子供と集団がただ者なはずがない。それ故に観察していた女デビルだが、相手を知ろうと話をすればするほどもっと訳が分からない。


 だが悪魔としての直感か、喚く小僧が本気で言っていることだけは理解できた。尤もそのせいで余計に意味不明な存在と化していたが。


「おチビちゃんはどこの所属かな?」


「悪の組織、新生暗黒深淵団首領のシエンだって名乗っただろうが! つうかさっきからおチビちゃんだの放題言いやがって! ギチギチに圧縮しねえとトンデモねえことになるからこのナリなんだよバーカ! そんなに見たいのか? 俺様の力を? だったら真の姿を見せてやるぞゴラァ! 言っておくが解放した日にはこの集落どころか森一帯が俺様の筋肉に呑まれて、そのまま成層圏へ到達するぞ!」


「目的は?」


「バナナ園の従業員確保って言ってるだろうがよ! 言っておくが収穫期に完全週休二日制だなんてゆとりの甘えたもんはないぞエルフ達! 俺もジジババ達の手伝いで心底味わってるからなあ!」


「もっと大きな目的、そう、最終目的は?」


「は? あはははははははははは! 聞いたかよジジババ戦闘員! 悪の組織に対して最終目的だってよ!」


 女デビルは正体不明の集団の動機を掴むため質問を重ねるが、最終目的を尋ねるとシエンが腹を抱えて爆笑し始めた。


「はははははははははは!」


「ほほほほほほほほ!」


「がははははははは!」


 それはシエンに付き従っている高齢の戦闘員達も同じだ。


 おかしくておかしくて堪らないとばかりに笑う。


 その笑いがぴたりと止まった。


「悪の組織の目的が、世界征服からの世界平和。そして命の存続。それ以外にあるか?」


 先程の哄笑はどこへやら。


 被り物を被っている戦闘員達の表情は分からないが、シエンは真顔を女デビルに向ける。


 正義のヒーローが絶対に成し遂げられない道を目指した者達が。


「ヒーローに世界平和は無理だ。俺らは悪だって自覚してる。悪だから人を支配する。悪だから殺す。悪だからヒーローも俺達を倒せる。だが世界の人間は? 食うに困ってる訳でもないくせに本気も本気で自分は正しいから、気に入らない奴をぶっ殺そうと考えてる奴らをどうやって止めるんだ? 正義正義と叫びながら他人の家に火をつけ回って、なにもかも焼け落ちたのを確認してから、ああ安全になったとか言い出す奴らにお願いするか?」


 ぽつりと絶望したような声が漏れる。


「無理だよ。無理無理。愛と勇気と友情で戦争が起こらないなら世界は最高だろうさ。でも現実は違う。ヒーローにとっての敵がいないのに世界は勝手に滅びようとする。だからそんなことするなら俺がお前らをぶっ殺すぞと脅して、必要なら実行するしかないんだよ」


 ぽつりぽつりと漏れる。


「しかもそこらのガキがナイフを見せびらかしてるんじゃねえ。星をぶっ壊せるおもちゃでおてだましてるんだぜ? 使っちゃおっかなー。チラ。って言いながらよ。そんでここはもっとひでえ。明確に人を。星を壊したいって思ってる連中が多すぎる」


 かつての暗黒深淵団は遠からず世界が核戦争で滅亡すると結論付けた。


 だからこそ企んだ。


 妬み、傷つけ、外見の些細な違いで殺し、他人を自分達より劣っていると定義して貶し、信じるものを否定し合うどうしようもない知的生命体を、同じ立場から力を振るって無理矢理押さえつける悪行中の悪行。


 それを用いて世界を平和に導くという傲慢の中の傲慢。


 故に悪。悪の組織。


 彼らはヒーローと違って個人の信念を、感情を、信仰を完全に無視した徹底的な管理を行わなければ、最終的に全てが滅びると判断して行動に移した者達なのだ。


 そしてつい最近、この世界でも結論付けた。


「そんなことを押し付けるつもりかって言われるのも分かってるさ。だけどよ、いろんなことして試算したらここも二百年か三百年くらいでまず間違いなく滅びるんだわ。だから悪党らしく。悪の組織らしくやることにした」


 地球世界の比ではない危険生物。悪しき者達の蠢動。強力な呪詛や魔法。信仰をだけを求めて異教を排斥する教会と実在する神。餌を求めて進軍する異形。命を根絶やしにしてでも侵略を企むデビル。核より明らかに厄介な邪神の謀略。


 それら全てを叩き伏せ、粉砕し、無理矢理押さえつけるしか、人型の種が存続する道はない、と。


「我ら新生暗黒深淵団。世界のために世界征服を成し遂げる」


「死ね!」

(イかれてる!)


 数百年を生きる女デビルからしても狂気に溢れる言葉を止めるため、山羊の悪魔が一斉に襲い掛かる。


 だが分かりやすい殺し合いこそが悪の組織の真骨頂だ。


「我、暗黒の深淵より来たれり」


 ある意味で悪の組織にとってのコロンブスの卵が宣言した。


「変身」


 特に構えもしないシエンの声と共に彼の体がボゴリと膨張する。


 腕が、足が、胴が伸びる。


 筋繊維が、骨格がより強く、より太くなる。


 ぽきぽきと、バキバキと音を立てて、あっという間に完成した。


「……まあ散々悪のことを語っておいて、無茶苦茶個人的なことなんだけどよ」


 悪ガキの少年はそこにはいない。


「いや、それこそ悪党らしくそれはそれ。これはこれ理論を用いるか」


 ゴキリと首を鳴らしながら目つきの鋭い青年形態となった最初FIRSTにして唯一の次世代NEXTが、庇い合うエルフ達を再びちらりと見る。


「俺も男だからあんまりこういう状況が好きじゃねえ」


 まさしくこの世界においてトカゲとドラゴンの差。


 パンチ力八十t。


 キック力百t。


 類似する性能なくせに愛と勇気、正義の名の下に十倍だの百倍だの、酷い時は千倍どころか無限の力だとか言い出すヒーローと戦い、それでも一歩も引かなかった昭和怪人を考えると実に平均的だろう。


 だが絶対に別次元に持ち込んではならないものだ。


「行くぞコラ」


 成長するシエンが、いつの間にか真っ黒な服とマントを身に纏い、戦うために一歩踏み出した。

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