4ジャガイモか団子か

桜N

「この学校のことは知ってる。知ってる顔も見かければ、知らない子もいる。今日も私は自分の教室に足を踏み入れる。すると、誰かに後ろから抱きつかれた。振り返ると、女の子がいた」

「おはよう桜!今日もかわいいね~和むわ~」

「……あの、誰ですか?」

「…………(息を呑む)」

「あの…固まってますけど…大丈夫ですかー」

「うそ……で、しょ……」

「……?」

紬N

「目の前が真っ白になる感覚がした。鼓動が早くなり、私は絶望に打ちひしがれて床に座りこんだ。心配した彼女は私を引き上げてくれて私と向かい合った」

「…うん!怪我もしてないみたいだし。初めまして!私は桜!春宮桜!あなたの名前は?」

「わ、わたし、は…」

紬N

「衝撃を受けすぎて言葉が出てこない。桜が、ついに、私の顔を、忘れた…」

「う、ううん!なんでもない!私は糸田紬!よ、ろしくね!」

紬N

「一瞬だけ、ひとつ疑問が浮かんだ。だが流石にここで言うわけにはいかない。桜とはしっかり話をつけたい」

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