第4話 決着と国と先生
そうして、俺とアリスの尊厳を賭けた勝負は終わりを迎え、俺は———————
「いやほんとどういう教育したら、年下に対してこんな所業ができるんですか?イザベラさん」
「いやー、アリスもこの地区で仲良い子供は君しかいないから…許してやってよ」
「それとこれとは話が別なのでは?」
この地区で医者をやってるイザベラさんのもとで治療を受けていた。
俺とアリスが住んでいる国は、オレガノ王国という大国だ。
しかし、実際に住んでいる場所は首都からかなり離れた、サフラン家という貴族が統治している領地の一地区に住んでいる。
まぁ田舎でも都会でもない普通の街、つまり俺に相応しい街というわけだ。
ともかく俺はそんな街でイザベラさんと治療ついでに談笑する。
「最近の診療所の調子はどうですか?」
「まぁ……ぼちぼちと言ったところだねぇ……………週に一度は瀕死の重症を負って、治療を受けにくる人もいるけどね?」
「全く……誰ですか?そんな異常者は、そんなのただこの診療所に金銭を配っていく変人、もしくは変態じゃないですか。何処にいるんですかそいつ、そんなやつ俺がイザベラさんに代わって説教したりますよ」
「いやぁ……まぁ……川でも覗いてみれば会えるんじゃない?」
「何ですかそれ、いくら年齢不詳だからってボケましt「それ以上言及したら、君は死ぬ以上の恐怖を味わうことになるよ?」
「ハイ、サーセンシタ」
「わかればよろしい」
そうやって俺を脅すこの女性、なんと俺とアリスの魔術の師匠である。
それに加えて、エルフでもドワーフでもないくせに俺の祖母の代から、診療所をやってるという年齢不詳のバb「よからぬことを考えているようだねぇ」………………………お姉さんです……
ともあれ、このナチュラルに人の心を読んでくるお姉さんは、アリスに魔術を教えているだけあって、尋常じゃなく魔術が上手い。
よってイザベラさんも魔法使い、もしくはそれに近しい存在と思われる。
つまり俺は魔術においては、この二人に囲まれて勉強しているため、それはもう本当に才能というものを痛感させられてきた。
その1、俺が一ヶ月かけて必死こいて覚えた雷魔術を、扱い始めてから1分にも満たずに使いこなす
その2、俺が俺自身の魔力は結構多い方なんじゃないかと思っていた時に、あって2秒で「君は凡人の中の凡人だね!」と、言い放ってくる
その3……………と挙げれば枚挙に遑が無いほど、俺は打ちのめされてきた。
別に才能がないわけではない、ただ単純に比べる相手が別格すぎただけなのだ。
だから俺は今日も浸るのさ。俺という器の平凡さにな———————————
「黄昏てないで、さっさと治療するよ」
「あっ!ちょっ!まって!あまりにも痛すぎる!!!!」
ちょっと酷くない?
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