第3話 魔法
魔術とは、魔力というエネルギーを用いて自分のイメージを現実へと映し出す時に使う補強道具のようなものだ
基本的には魔力を練る→魔術を詠唱→魔力を流す→発動という手順で魔術は発動する。
しかし時として、非常に才に溢れた魔術師は魔術という補強道具なしでイメージを実現させてしまう
そうして実現する物は総じて魔法と呼ばれ、それらを実現させてしまう者達を魔法使いと呼ばれる————
俺は我が家の裏にあるクソ広い野原で、邪智暴虐で怜悧狡猾、人を人とも思わない悪魔と30メートルほど間を空けて向き合う
「じゃあ、アキラいくよー」
「来い、自信とプライドをズタズタに引き裂いてやる」
「いつもと一緒で威勢だけはいいねー、じゃっ秒数数えるよー」
「3!」
時に——前述した通り、魔術を用いずにイメージを実現させる者達を魔法使いという
「2!」
ならば前世の記憶を見た俺をして、未だ天才と言わしめるアリスは果たして魔法使いなのか?
「1!」
答えは——————
「0!」
その掛け声と共に俺は小声で詠唱していた魔術を発動させる
「ライトニング!」
そうして俺の発動した魔術はアリスへと向かっていき———
そして
アリスによって、俺の十倍以上の密度と範囲と威力で放たれた雷’魔法’によっていとも容易くかき消され、そのまま俺を飲み込んだ——————————————
そうして自分の’魔法’によって黒焦げになり、まるで死にかけの虫のようにピクピク痙攣している俺の前に立ち、アリスは言い放った
「僕の勝ちだね!!」
なんで今の俺を見ながらそれを言い放てるんだお前
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