三つめの不思議、校長室での戯れ言

 職員室から少し離れた場所に校長室があった。


「失礼しまーす、って誰も居ないか、でもやっぱり何だか少し緊張しちゃうな」


 校長室の奥の方からゴッホンと咳払いする音が聞こえた。


「やぁ、よく来たね。そこのソファーにでも掛けなさい」

「あれ? 校長先生の声? 校長先生、居たんですか?」


校長先生の低い声に反応した砂月先生が、咄嗟とっさに問いかけるも校長先生の姿はどこにも見当たらなかった。


「ここは校長室だからね、校長先生は今日も絶好調なんてね、ガハハハハッ! 今の気分はどうだい? 爽快なのかい? そうかいそうかいなんてね、ガハハハハッ! 昼食はもう済ませたのかな? 校長先生はカレーを食べたよ、カレーは辛ぇなんてね、ガハハハハッ!」

「あ……あのー……そろそろ私たち行きますので……失礼します……」

「つまらん洒落はよしなしゃれなんてね、ガハハハハハハッ!」


 砂月先生は一礼した後、そそくさと校長室を後にした。


「これはこれで……怖いよね……先生は寒気がしたよ……」

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