第24話 村の人たちの隠れ場所

 村に到着したわたしは村長の家に案内された。

「お邪魔しまーす」

 って、あれ?誰もいない?

「あの、これはいったい?」

「ちょっと待っていてください」

 そういうと彼は床を何やら探り出した。

 何かあるのかな?

 そう思っていると突如として彼がいじっていた床板がスライドし始めた。

 そして床板が開いたと思うと、そこには頑丈そうな扉が現れた。

 隠し扉!?

 おもむろに開かれた扉の先には地下へとつながる階段があった。

「さあ、中へ」

 彼に案内されて、わたしは階段を降り始めた。

「すごいところですね」

 そういうと彼は苦笑しながら口を開いた。

「元々は村長が家族に内緒でお酒を隠していた地下室だったんですよ」

 村長・・・

「ただ魔物が攻め込んできた際、ここが村で1番頑丈な場所だからと村長が解放したんです。まあ家族からはとても驚かれていましたけど」

 それはそうでしょう。

「でも、そのおかげでわたしたちは身を隠すことができています」

「それならここで助けを待つことまだ来たんじゃないですか?」

 しかし、わたしの言葉に彼は首を振った。

「さっきも言った通りここは元々お酒を隠す場所なので食料はもうないんです。もちこんだ食べ物も残り少なく」

 そこまでいったとき、階段の底が見えてきた。

 そこには木製の、でもあとから色々と付け足したであろう扉が見えた。

「この先にみんながいます」

 彼は扉を3回叩き、2回ドアノブをガチャガチャし、もう2回扉を叩いた。

「誰だ」

 扉の向こうから声がする。

「アジェガだ」

 何かを外す音がした後ドアノブが動き、扉が開いた。

「アジェガ!無事だったのか!」

 そう言いながら中から1人の男性が出てきた。

「ああ、お前も無事でよかった」

「ところで、そちらの方は?」

「この人は村を救ってくれるために来てくださった方だ」

「この子が?」

 あはは。確かにわたしはあまり強そうには見えないかもな。

 でも。

「こう見えても魔物と戦ったことは何度かあります。任せてください」

 わたしの言葉に彼はまだ疑問を持っていたようだが、「いや」と口を開いた。

「何にせよひとまず中に入ろう。お前の無事をみんなに伝えた後、この子を村長に紹介しよう」

 そう言うと彼らわたしたちを部屋の中へと招き入れた。

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