第17話 仕入れに行きます!

 ダンジョンから帰還して数日がたった。

 わたしたちは村に戻ってすぐにオーガジェネラルのことを知らせると、後日討伐隊が組まれ何とか討伐することができたらしい。

 でもなぜあんなに強い魔物が突然現れたのかはまだ調査中らしい。

 ここ数日はわたしのお店にもオーガジェネラルやダンジョンに関する本を求めに来る人が多く来た。

 わたしもこの間の反省点を生かすために何度かまたダンジョンに潜って魔物と戦ったりした。さすがにオーガジェネラルとまた戦ったりはしていないけど。

 そんなわたしは今何をしているかというと・・・馬車の荷台に乗って揺られています。

 なんでそんなことになっているかというと、そろそろお店に新しい本をそろえないといけないからね。いつまでも同じ本だったらお客さんが減っていってしまうからね。

 大きなお店だと専属の商人がいるみたいだけどわたしのお店は小さいから自分で買いに行かないといけない。まあこれでも『書庫』がある分、荷物を気にしなくていいから楽なほうなんだけどね。

 そんなわけでわたしは村に来ていた行商人の人にお願いして離れたところにあるクンツァイトという町まで連れて行ってもらうことにした。 

 クンツァイトは大きな港があり、さらには大きな街道が通らため商業の街として知られている。

「お客さんはクンツァイトに何をしに行くんですか?」

 のせてくれた見た感じわたしと同じくらいの年の行商人の人がそう聞いてきた。

「お店の新しい商品を買いに行くんですよ」

「なるほど。僕も似たような理由ですね。ただ、その荷台には領主様からの注文の品も入っていまして」

 え⁉領主⁉

「それって護衛とか雇わなくていいんですか?」

 わたしの疑問にその行商人は「それが」と恥ずかしそうにしながら答えた。

「お恥ずかしい話ですが、僕はまだこの仕事に就いたばかりで護衛を雇うほどのお金がないんですよ」

「その領主様に出してもらうとか・・・」

「そんな!恐れ多いですよ!機嫌を損ねたら僕の人生が終わってしまいますよ!」

 結果として商品を届けられなかったらそれこそ機嫌を損ねそうだけどな。

「まぁここ最近は魔物もあまり見ないので大丈夫ですよ」

 ・・・なんだかこの行商人の人危ない気がする。

 でも実際さっきから『危機察知』に魔物の反応はない。

 周りには緑の草原が広がっていて、時折心地よい風が吹く。

 のどかだなぁ。

 そういえば本屋を開店するための本をそろえるときにもこの道を通ったんだよね。

 あの時はフリージアと一緒にいったな。わたしは『無理に来なくてもいいよって言ったんだけど』、『わたしが護衛をするよ!』って言ってついてきたんだよね。

 元気にしてるかな。

 その時、『危機察知』に反応があった。

 ああ、やっぱり。って、そんなこと思っている場合じゃない。

「向こうから魔物が来ます!」

「え⁉え⁉ど、どうしよう⁉」

 うろたえ始めちゃった。

 でも数はそれほど多くない。

 これならわたしでも戦えるはず。

「わたしが何とかします!だからあなたは中で隠れていてください!」

 そういうと「は、はい!」といって荷台に飛び込んだ。

 さて、それじゃあやりますか。

 わたしは荷台から出て魔物と戦う準備を始めた。

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